世界シェア2位の建設・鉱山機械メーカー・コマツに建設施工プロセス全体をICTでつなぐスマートコンストラクション®開始の背景に迫る

笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。5月4日(土・祝)の放送は、コマツ 執行役員スマートコンストラクション推進本部長の四家千佳史(しけ・ちかし)さんをゲストに迎えて、お届けしました。


(左から)四家千佳史さん、笹川友里


1968年生まれ、福島県出身の四家さん。1997年に福島県で建設機械のレンタルをおこなう株式会社ビッグレンタル(後に株式会社 BIGRENTALと社名変更)を創業。2008年からコマツレンタル株式会社としてコマツ傘下に入り、代表取締役社長に就任。2015年1月よりコマツ 執行役員・スマートコンストラクション推進本部長に就任し、2021年にはコマツと、NTTドコモなど3社との合弁会社である、EARTHBRAIN社の代表取締役会長を兼務しています。

◆日本が世界に誇る“建設・鉱山機械メーカー”

建設機械や鉱山機械を製造・販売する建設・鉱山機械メーカーとして、国内トップ・世界シェア2位のシェアを誇るコマツ。

そんなコマツ製の重機の大きな特徴として、四家さんが真っ先に挙げたのは“耐久性”です。というのも、建設機械は非常に過酷な現場で使われることもあるため、「お客さまが使用されるときに、現場で壊れない、工事を止めないことが信頼につながります。そのため“信頼と品質をどのように高めていくのか”に日々注力しています」と声を大にします。

◆スマートコンストラクション®とは?

続いて、四家さん自身の肩書きにもある“スマートコンストラクション®”については、国内の建設現場における人手不足が深刻化する中、建設現場全体をICTでつなぐことで、生産性を大幅に向上させる、安全性やコスト削減、労働力不足の解決につながるソリューションとのこと。これについて伺うと、「我々は、信頼性と品質が高い建設機械をつくってきましたが、それらを提供するだけでなく、建設機械を使いながら工事などをされる際の“お客さまの諸課題”を一緒に解決していくことにも取り組んでいます」と説明。

それまでおこなっていた“建設機械を提供するまで”をサービスとするのではなく、「お客さまの現場に一緒に立たせていただこうと。そのうえで、お客さまと一緒に課題を見つけていきたい。そんな思いから2015年に始まったプロジェクトです」と経緯を語ります。

これに笹川が「現場に立つことによって、また商品を開発するときに良い影響がありそうですよね」とメリットを挙げると、四家さんもうなずきつつ「我々は、お客さまの仕事を分かっているようで、分かっていない部分がありました。例えば“燃料消費量を少なくする”“安全性を高める”など、建機が使われるところ(の課題)は大体分かりますが、もしかしたら建機を使う前のお客さまが現場で直面している課題も、我々が解決できるかもしれない。そういうところは(現場に立つようになって)見えるようになってきました」と胸を張ります。

◆「Komtrax」開発の経緯

さまざまな業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)化が叫ばれて久しい昨今、四家さんいわく、コマツはIoT(モノのインターネット)やDX、ICT(情報通信技術)などに先駆けで取り組んでおり、そうした努力も実を結んでいます。

その証として、経産省や東京証券取引所などが、社内におけるDX推進のための仕組みの構築、さらには、デジタル活用の実績が優れている上場企業を選定する「DX銘柄」に3年連続で選定され、昨年には「DXプラチナ企業2023-2025」に選定された3社のなかにも名を連ねています。

そんななか、四家さんは「DXもIoTも“手段”であって“目的”ではない」と強調。その理由として、“IoTの先駆け”とも言われているコマツの機械稼働管理システム「Komtrax(コムトラックス)」が開発された背景に触れます。

現在、世界で稼働しているコマツの建設機械・70万台以上に搭載されている、このシステムが生まれるきっかけとなったのは1990年代後半のこと。

「ある開発者が『建機側が「調子が悪い」とか自ら(発信して)伝えてくれれば、メカニックが状態確認だけのために現場に駆け付ける必要がなくなるのではないか』と発想し、その当時は、ちょうど衛星通信・携帯通信が利用できるようになった頃だったので“建機にもそういう(双方向にコミュニケーションを取れる)装置を付けよう”というのが(『Komtrax』の)始まりなんです」と語ります。そして、この機能は建機の盗難防止にも役立ち、当時日本で盗難した建設機械でATMを破壊して現金を強奪する事件が多発する中、社会問題の解決にも貢献できたとのこと。

そんな経緯から、改めて四家さんは「我々にはやりたいことがあって、それを実現するためにテクノロジーや手段を見つけてきて導入していく。そういう意味では、最新のテクノロジーを使うことに対して非常に積極的な会社ではありますが、それ自体が目的ではないと思っています」と話していました。

次回5月11日(土)の放送は、引き続き、四家さんをゲストに迎えてお届けします。自身の仕事術についてなど、貴重な話が聴けるかも!? どうぞお楽しみに。

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5月4日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年5月12日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里
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「世界最大級のイエローダイヤモンド」から音楽スターの愛用品まで。ティファニーの世界に没入できる展覧会が開催中

ティファニーによる『エキシビション「ティファニー ワンダー」技と創造の187年』が6月23日(日)まで、虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45階 TOKYO NODEで開催中だ。10のルームから構成されており、数百点もの宝飾品が展示。ブランドの歴史や創造性を多角的に感じることができる。

J-WAVEで番組をナビゲートするモデルの甲斐まりかと、アーティストのCeleina Annも同エキシビションを訪れた。ふたりもオンエアで熱弁した、その魅力をご紹介しよう。

“美しさ”の本質を教えてくれる、約500点の傑作

会場に足を踏み入れると、没入体験ができるドーム型の空間が広がっている。展覧会のために特別に調香された、ラグジュアリーホテルのような高級感のある香りも鼻をくすぐり、一気にティファニーの世界へと誘われていくようだ。
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今回のエキシビションでは、世界初公開となる作品が180点、日本初公開の作品が約300点も展示されている。甲斐まりかは、自身がナビゲートする『BLUE IN GREEN』にて「展示品の多さに圧倒されました」と感動をあらわにした。
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なかでも印象的だったのは、会場内にティファニーの職人が滞在していたことだったという。

甲斐:ティファニーの職人が「刻印」をしている様子が、目の前で見られるんです。なかなかない機会ですよね。お話を聞いたところ、ティファニーで30年間もお仕事をされている方で、この展覧会のためにわざわざ東京に来られたそうです。
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<甲斐まりか>

10のルームは、タペストリーで紡がれたティファニーの年表や、時代によって変わるデザイナーのスタイルの解説、世界観が作り込まれたショーウィンドウなど見どころが満載。例えば、1965年に発表され、20世紀で最も有名なジュエリーデザインのひとつとして知られる「バード オン ア ロック」が年代別に並べられたコーナーでは、ティファニーの生み出すものは時を経ても古びず、むしろ輝きが増していくのだと体感として教えてくれる。
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<伝統的な展示方法から一線を画す、アートのようなウィンドウディスプレイ>

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<代表的デザイナーによるジュエリーの展示も。画像はパロマ・ピカソの作品>

また、日本の自然や職人技から着想を得た作品が展示されたルームは、文化やデザインは絡み合うことで発展していくという学びが得られる。ダイヤなど宝飾品のきらめきに酔いしれるだけではなく、ティファニーのブランド哲学に触れることで、「“美しくあり続けるもの”とは何なのか?」など深い思考にも浸らせてくれる、充実したエキシビションだ。
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<日本との深い繋がりが感じられるルーム「日本への愛」>

エンタメとの繋がりを感じる展示内容

そんな同エキシビションを、『GRAND MARQUEE』をお届けするCeleina Annも「もう最高の空間でした」と絶賛。映画とティファニーの関係性を紹介するルームが記憶に残ったそうだ。
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<Celeina Ann>

Celeina Ann:例えば、1961年の名作『ティファニーで朝食を』に登場するジュエリーや資料が展示されています。他にも、私の大好きなラブコメ作品『メラニーは行く!』や、『華麗なるギャツビー』なども紹介され、ティファニーとエンタメの繋がりの深さを感じました。
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このルームでは、壁一面に映画が投影されるほか、オードリー・ヘップバーンが実際に着用した逸品が惜しげもなく飾られている。

また、レディー・ガガ、デュア・リパ、ビヨンセといった音楽界のスターとの繋がりが楽しめるルームもある。オークションで約2,700万円で落札されたフレディ・マーキュリー愛用の口髭用コームなど、貴重なアイテムが展示されている。

「想像を超える」ほど大きなダイヤモンドも!

最後のルームで待ち構えるのは、「ザ ティファニー ダイヤモンド」と呼ばれるイエロー ダイヤモンド。甲斐とCeleina Annも、その美しさに心を奪われたようだ

甲斐:なんと128.54カラットだそう。想像できないですよね。あんな大きなダイヤモンド、見たことがないです。それが、本当に間近で見られます。

Celeina Ann:「ザ ティファニー ダイヤモンド」は、何度かデザインを変えて公開されています。今回は5回目のデザインで、これは日本において初お披露目となるそう。5羽の鳥がダイヤモンドを囲っているデザインで、美しくエレガントでありながらもキュート。乙女心くすぐられるような空間なんです。イエロー ダイヤモンドのキラキラを浴びられる機会は、なかなかないですよ。私も、キラキラを目から摂取しました。
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『エキシビション「ティファニー ワンダー」技と創造の187年』の詳細やチケット情報は、公式ページまで。

(取材・文=西田友紀)

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