【ラジオな人】ABCラジオ『よなよな…』200回記念!シンガー近藤夏子さんと、ABCアナウンサー北村真平さんにインタビュー!【後編】

大阪・ABCラジオで月曜から木曜まで、夜10時から3時間に渡って放送されている番組『よなよな…』。シンガーソングライター、近藤夏子さんと、ABCアナウンサーの北村真平さんがパーソナリティを務める水曜日は、小学生から80代の方まで、非常に幅広い層に聴かれています。

後編ではリスナーの距離の詰め方や番組を4年間務めてきた心情を伺いました。そして最後、『よなよな…』のプロデューサー鈴木洋平氏にも直撃インタビューしています!

――前編はこちら

段取りがないから話が膨らむ

ほかにも、『よなよな…』水曜日の人気企画に、近藤さんがリスナーに電話で話すコーナーがあります。同様の企画は他の番組でも行われていますが、普通の番組はお悩みの内容を詳しく書いて送ってもらうものですが、『よなよな…』は「今日は近藤さんと話したいので、電話ください」としか書かれていないような漠然とした内容のメールであっても、「何があったのか、聞いてみよう」と電話をかけることがあります。

――相談だったら、事前にメールをもらっておいて、アドバイスの内容を考えてから電話をかけることもできると思うんですけど、近藤さんは怖いもの知らずというか、「この人!」と思ったら電話をしますよね。しかも、相手がどんなリスナーでも話を引き出していて、リスナーとの距離の詰め方が本当にうまい。

近藤:うまく引き出せないこともあるけど、何も引き出せなくて終わるっていうことはないですね。過去に2回ほど、電話をかけたら相手が酔っ払っていたようなことがあって、早めにCMにいってもらったことはありましたけど(笑)。

――確かに! ディレクターの堀(景輔)さんがCMを入れるタイミングも絶妙でした。

近藤:あと、相手のメールに相談内容が詳しく書いてあると、それについて絶対に触れないといけなくなるから、段取りみたいになってしまって嫌なんです。電話で話す時は自由に話す方が、相手の日常が見えてくるから話が膨らみやすいんです。それに、私の場合は段取りが決まっているとうまく振る舞えないタイプなんで(笑)。

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時には真剣な相談も寄せられ、番組開始当初には不登校に悩んでいる中学生と、30分以上も話をしたことがありました。また、参加希望の年齢層が幅広いことを受けて、昨年の12月には、下は3歳から、上は80歳を越えた方まで、3時間の放送中にたくさんのリスナーに電話をかけていく企画も実施しました。

リスナーとの距離感

――ただ、これは私だけかもしれないんですけど、『よなよな…』は3時間もあるのに、放送が終わるとお二人が喋っていた内容を全く覚えてないんです。リスナーさんが電話で話していた内容とか、近藤さんがリスナーのエピソードを元にオリジナル曲を作る「夏子ステーション」のコーナーで近藤さんが歌った歌は別ですが。気負わずに聴けるところがまた素晴らしいと思っていて。

近藤:それ、ほんまに褒め言葉ですか(笑)。確かに「自分が独身で、結婚してる男性にばかりモテる女性」とか、「あんまり勉強に身が入らなくて、資格試験に9回も落ちてる人」とか。お互いのことは興味がないのに、リスナーさんのことは覚えてますね。(笑)。

北村この番組は、リスナーさんに助けられてます。

近藤:ただ、本音を言うと、私も北村さんも闇を抱えているので、リスナーの皆さんの恋愛に関する幸せは、そんなに願ってなかったりしますけどね(笑)。

北村:話半分で聞いてますからね。

近藤:でも、さっきの「放送内容を覚えてない」という話でいえば、私はリスナーさんの心に残るような良い事を言おうと思ったことは一度もないです。北村さんは、隙あらば良い事を言おうとしてくるから、テンションが下がるけど(笑)。

北村良い事を言いたいし、何かリスナーさんに爪痕を残したいんです。僕は放送が終わってからエゴサーチをするんですけど、良い事が書いてあると嬉しいし、悪いことが書いてあったとしても嬉しいんです。

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近藤:なんで!? 私もエゴサーチするけど、心が強くないから、嫌な事が書いてあったら傷つくし、ツイートした人に謝りに行きたくなりますよ。

北村嫌なことがあっても、ちゃんと相手の心に引っかかってくれたことが嬉しいんです。スルーされるのが一番嫌で。

近藤:え〜!? 信じられへん! 私、泣いてしまうことがあるんで。

近藤さんは、放送では自由に振舞っているものの、非常に繊細な部分があり、2年ほど前の放送では生放送中に関わらず、泣いてしまったことがありました。

近藤:私は相手によって感情が揺れ動くタイプで、一時期、自信をなくしてたんです。「私は放送で嘘を付いてるんじゃないか」「そもそも、この仕事は自分に向いていないんじゃないか」と思い始めたら悲しくなってしまって。でも、北村さんは慰めるどころか、笑い始める始末で…。

北村:まさか、生放送で泣くとは思わなくて。ガラスの向こうを見たら、ディレクターも笑ってるわ、鈴木プロデューサーはここぞとばかりに写真を撮って、番組のSNSに載せるわで…。

近藤:普通の番組では考えられへん!(笑)。

北村:ただ、『よなよな…』を4年近くやってみて思ったのは、お互いの性格や育った環境は違うけど(※近藤さんはお金持ちの家で育ち、北村さんはお金に苦労してきました)、苦手な人とか、うっとうしいと思うこととはシンクロするということですね。

近藤:そうそう! 北村さんも時々、出世していく後輩に対する愚痴とか、性格が合わない人の悪口を言ってるけど、お互いにブラックな部分があるところが大事!ブラックな部分がないと、人間としてつまらないんです。ラジオやラジコなどを通じて、色んな人が番組を聴いてくれている理由は、そこにもあるのかも(笑)。

 

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生放送直前の近藤さん。打ち合わせがほとんどないため、放送前とは思えないほどのリラックスぶり。

 

『よなよな…』プロデューサー、鈴木洋平氏 インタビュー

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ABCラジオの夜の時間帯は『ABCヤングリクエスト』『ABCミュージックパラダイス』など、40年以上にわたり、自社制作のワイド番組が放送されてきました。その後、4年間は全国ネットの番組を放送していましたが、2014年4月に再び自社制作番組『よなよな…』が立ち上がりました。月曜は森脇健児さんの日常生活を中心とした話、火曜は音楽ライターの鈴木淳史さんと原偉大さんがゲストを迎えて音楽談義を、木曜は人気芸人、ダイアンによるトークと全国のリスナーから寄せられるネタコーナーが人気です。3時間にも及ぶ夜の生放送の立ち上げ当時について、連日『よなよな…』を見守り続ける、鈴木洋平プロデューサーにお話を伺いました。ちなみに、鈴木さんはABCラジオ『おはようパーソナリティ 道上洋三です』を聴いて育ち、『ナインティナインのオールナイトニッポン』のヘビーリスナーでもありました。

鈴木:四曜日あるので、全体のバランスを考えてパーソナリティを決めました。立ち上げ当時で最も“冒険”だったのは火曜でしたね。鈴木さんも原さんも音楽ライターと編集者なので、表に出ることがなかったけど、喋ると面白いことからお願いしました。ただ、心の中では「3時間もつだろうか」と、毎回ヒヤヒヤしてましたね。私自身も音楽番組を作ってきた訳ではなかったので、ゼロからのスタートでしたが、100回記念でセックスマシーンと四星球がスタジオで生対バンをやったり、エレファントカシマシの宮本浩次さんに出演していただいたり、aikoさんをお呼びしたりして感激しました。

――aikoさんにロングインタビューを行った時は、他の番組では話してこなかったような昔の話も飛び出しましたよね! しかも、初めて出演したラジオ局がABCラジオだったとか。

鈴木:そうなんです! 色々なアーティストに出ていただくようになって、番組を知ってもらえるようになりました。ありがたいことに、アーティストの間でも話題になっていて、早い時期から番組を支持してくれた、クリープハイプの尾崎世界観さんを筆頭に「出たい」と言ってくださる方が増えましたね。

――他の曜日も出演者も個性的ですよね。

鈴木:月曜日の森脇さんは、もう一人とのバランスが大事で、熱のこもった森脇さんの話に対して、どのように切り返すのか、といったことも考えてパートナーを選び、木曜日のダイアンは、西澤さんがラジオが好きだということもあって、立ち上がりました。

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――森脇さんは、仕事に関する話が面白くて、特に『オールスター感謝祭』で走った時のエピソードは聞き応えがあって、ダイアンは、大阪の吉本の芸人事情が痛快で面白いですよね。ネタのコーナーは、全国のハガキ職人からネタが届いてますし。

鈴木:森脇さんの熱のこもったトークも楽しいし、ダイアンのトークでは、お二人のこと以外にも、関西の芸人さんのことが分かって楽しいというのは、よく言われます。『よなよな…』は全曜日を通して、とにかく楽しいことをやろうとしているので、ぜひ、関西の皆さんも、ラジコをお使いの全国の皆さんも聴いてみてください。

番組概要

20161020171430

■放送局:ABCラジオ
■番組名:『よなよな…』
■放送日時:月曜日~木曜日 22時~1時

出演者プロフィール

■近藤夏子
2歳からピアノを始め、高校卒業後、大阪で本格的に音楽活動を始める。
ストリートライブで注目を集め、2010年にメジャーデビュー。
立ってキーボードを激しく叩くライブパフォーマンスで大きな話題を集めた。
現在は、テレビやラジオで多数のレギュラー番組を持ち、タレントとしても精力的に活動している。
2015年3月には、島根県大田市の観光大使に任命され、地元の愛唱歌を宮根誠司氏と共作。東京、大阪の両方に拠点を置き、「シンガーソングライター」の枠を超えて、近藤夏子にしか出来ない、マルチな才能で幅広く活動を続けている。

■北村真平
1984年10月11日生まれ
2008年ABC入社
担当番組
上沼恵美子のこころ晴天』(ラジオ)
よなよな…水曜日』(ラジオ)
『おはよう朝日です』(テレビ)
『スタンダップ』(テレビ)
『キニナリーノ』(テレビ)

『よなよな…』プロデューサー

■鈴木洋平
1978年4月12日生まれ
2003年ABC入社
担当番組:『よなよな…』『Cheers!』など

インタビュー

YMgrdfKa
やきそばかおる

小学5年生以来のラジオっ子。
ライター・構成作家・コラムニスト

「BRUTUS」「ケトル」などのラジオ特集の構成・インタビュー・執筆を担当するほか、radiko.jp、シナプス「 I LOVE RADIO」(ビデオリサーチ社)/ J-WAVEコラム「やきそばかおるのEar!Ear!Ear!」/otoCoto「ラジオのかくし味」/水道橋博士のメルマ旬報など連載や、番組出演を通じて、ラジオ番組の楽しさを発信。

ラジコプレミアムを駆使しながら、全国のユニークな番組を紹介するツイキャス番組「ラジオ情報センター」(水曜21時~22時)も放送。全てを合わせると、年間でのべ800本のラジオ番組を紹介している。

カメラマン

倉科直弘(kurashina naohiro)

ブルース・ロックを愛する。草野球も少々。街と退廃と幸福について毎日考えています。
「MUSIC MAGAZINE」「Number」「ケトル」など、多数の雑誌に写真を掲載。大阪在住。
twitter: @kurabokurabo

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“高校1年生”から日本代表メンバーに…竹中七海が考える新体操日本代表「フェアリージャパンPOLA」の強さとは?

藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMのラジオ番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」(毎週土曜 10:00~10:50)。4月13日(土)の放送は、トヨタ自動車所属で新体操日本代表(フェアリージャパンPOLA)の竹中七海(たけなか・ななみ)選手をゲストに迎えて、お届けしました。


(左から)藤木直人、竹中七海選手、高見侑里



竹中選手は、1998年生まれ愛知県出身の25歳。子どもの頃から新体操を始め、中学2年生で新体操日本代表・フェアリージャパンPOLA(以下、フェアリージャパン)の練習生(強化選手)に、高校1年生でフェアリージャパンのメンバーに選出。高校3年生で迎えた2016年リオデジャネイロオリンピックには、リザーブ選手として現地に同行。その後、2021年にトヨタ自動車に入社し、同年に開催された東京オリンピックのメンバーに選ばれ8位入賞。現在はパリオリンピック出場を目指しています。

◆3月のドイツ大会で総合優勝!

藤木:フェアリージャパンは、3月2日(土)・3日(日)にドイツでおこなわれたインターナショナルトーナメント「新体操 Fellbach-Schmiden大会」で、団体総合1位、種目別フープ1位、種目別リボンボール1位! すごい成績ですね。

竹中:ありがとうございます。久々の表彰台で、優勝はとてもうれしかったです。

藤木:演技そのものはミスが少なかったですか?

竹中:演技自体にミスはあったので、ちょっと悔しい内容だったんですけど、それでも“ミスからどう対処するか”というところまで練習を積んでいたので、そこは(今大会で)良かったところの1つかなと思います。

藤木:オリンピックシーズン第1戦で優勝するというのは、縁起がいいですよね。

竹中:そうですね。チームみんなの自信になりましたし、やっぱり、ここからが勝負だと思うので、これを糧にまた頑張りたいと思います。

◆フェアリージャパンの強み

藤木:現在25歳で、中学2年生でフェアリージャパンの強化選手に選ばれているということは、フェアリージャパンで10年以上も過ごされているんですね!

竹中:そうですね。昔から憧れていたチームで“フェアリージャパンに入って活躍したい!”と思いながらずっと(新体操を)やってきたので、あっという間に10年が経ったなと感じます。

藤木:ただ、去年の世界選手権(第40回世界新体操選手権大会)では、メンバーに入ることができなかったのですか?

竹中:はい、このときはメンバーから外れてしまって本当に悔しい経験だったんですけど、そのときにほかのチームの良さと日本チームの良さを比較しながら客観的に見れたり、地元で練習したときに、改めて私のことを応援してくださっている方がたくさんいることに気付くことができたりと、あの経験があったから今があるなと感じています。

藤木:外から見たフェアリージャパンの強みというのは、どんなところでしたか?

竹中:動き一つひとつのきれいさとか“(演技を)正しく魅せる”というところは日本チームの強みだなと感じました。その反面、海外チームのエネルギーというか“どんなものでも魅せきる”というところが強みだなと感じたので、日本チームのきれいさがありつつ、強さも活かせたらより良いのではないかと感じました。

藤木:新体操はどうしてもミスがついてくる競技ですけど、試合前や試合中は緊張しますか?

竹中:もう心臓バクバクです(笑)。ミスがないことが一番なんですけど、1つ危ないところやミスがあった後は、試合中なんですけど“どうしよう”とか思いながら……でも、すぐに次の技がやってくるので、そこに集中して、しっかり(力を)出し切れるようにやっています。


竹中七海選手



高見:フェアリージャパンは、5月にウズベキスタンの首都・タシケントで開催される大陸別予選(第15回アジアシニア新体操選手権大会)でパリオリンピック出場権獲得を目指しています。

藤木:現在のフェアリージャパンのなかで、竹中選手はどのような立ち位置ですか?

竹中:これまでいろいろな試合を経験させていただいたぶん、試合のなかでも練習のなかでも、その経験を下の子たちに伝えていくことだと思います。あとは“安定感を持って演技をする”ということが、自分の大事な部分かなと思うので“どんなことがあっても対応できるように”“(失敗しても)すぐに修正できるように”というところは意識してやっています。

藤木:年齢的に(チームを)引っ張っていかなければいけない立場だと思いますが、その辺りはいかがですか?

竹中:キャプテン(鈴木歩佳選手)がもう1人いるんですけど、彼女がサポートしきれない部分を私が補佐役としてサポートしたり、大事なことは伝えていくということを意識的におこなっています。

藤木:最後に、パリオリンピックにかける意気込みを教えてください。

竹中:“パリオリンピックでメダル獲得”が目標なんですけど、そのためにも、まずは5月のアジア選手権でしっかり優勝を目指して、出場枠を獲得できるように頑張りたいと思います!

次回は4月20日(土)の放送です。

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4月13日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年4月21日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/

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