【ラジオな人】『SCHOOL OF LOCK!』は、未来の鍵を探す場所。とーやま校長あしざわ教頭にインタビュー!【後編】
“ラジオの中の学校”として、中高生リスナーから絶大な人気を誇る番組『SCHOOL OF LOCK!』。2005年に始まり、今年で13年目を迎えます。後編では、生徒たちと向き合うことで校長・教頭が気付かされたこと、『SCHOOL OF LOCK!』の見どころ、そして新入生へ向けたメッセージも伺ってきました!
▼前編はこちら
https://news.radiko.jp/article/edit/15287/intro/
▼『SCHOOL OF LOCK!』(スクールオブロック)についてはこちら
https://news.radiko.jp/article/edit/2630/intro/
気づいたら一番はじめに生徒のことを考えている
――10代の生徒と真剣に向き合っていて、自分の感性が若返っているなとか、若い子たちに恥ずかしくない日常を送ろうと考えることはありますか?
とーやま:自分で言ったことが自分にも跳ね返ってきますし、ラジオはウソをついてもすぐにバレるんで、すごく心がけるようになっていますね。気づいてないところで、他人に言われて意識することもたくさんあります。僕、38歳なんですけど「とーやまさんはいつまで中学生みたいな恋愛してるんですか?」って言われることがあり、そこで初めて「あ、そうなんだ」と気付かされたりします。
――ラジオは上辺だけ取りつくろってもバレますから、『SCHOOL OF LOCK!』の「とーやま校長」が、いつの間にか「遠山大輔」になりますよね。
とーやま:そうなんです。3年目ぐらいまでは、「とーやま校長をやらないといけない」とか、先代のやましげ校長のイズムを継承しなきゃいけないとかってメチャクチャ思っていたんですけど、違う人間だからやっぱりできないじゃないですか。その呪縛から放たれることができなくて。
別に「とーやま校長」だろうが別の仕事をしていようが、1人の人間がやっていることだし、いただいた仕事はすべて全力でやらせてもらっているんで、これでいいのかなと今は思っています。放送以外のときも「こんなこともできるんじゃないかな」とか、「もっとああすりゃ良かったな」とか考えますね。
あしざわ:僕、絵を描いたりもしているんですけど、そのときに「これ、10代の子はわからないか」とか、「これ、生徒たちが見たら笑うかな」とか、いつの間にかそっちが中心になっていたりするんです。気づいたら一番はじめに生徒のことを考えていたり。
あと、甥っ子や姪っ子に会ったときに「今、何が流行っているの?」とか聞いちゃいます。「誰の音楽を聴いている?」とか「どういうところが好きなの?」とか、勝手に調査して、しかもスゲー冷めた答えが返ってきたり(笑)。そういったことは無意識にやっていますね。
『SCHOOL OF LOCK!』を友だち作りのきっかけにしてほしい
――この4月から聴き始めたリスナーもいると思うのですが、『SCHOOL OF LOCK!』の注聴ポイントを教えてもらえますか?
とーやま:例えばクラスで「SEKAI NO OWARI知ってる?」「Perfume知ってる?」っていったら、ほとんど生徒は知ってますよね。『SCHOOL OF LOCK!』のアーティスト講師の番組を聴いていると「え、こんな人だったの!?」と意外な一面が見れたりするんです。
――サカナクションの山口一郎さんとか。
とーやま:そうそう、やっぱりイメージ的には、すごくスタイリッシュとか、よくある言葉ですけど「世界観がすごい」とか、そういうイメージじゃないですか。でも、一郎さんなんて……。
あしざわ:そんな呼び方したことないでしょ。
とーやま: 一郎さんが担当している15分間で、いつも僕3回くらい声出して笑っているんですよ。何て面白い人なんだろうって。特に4月なので、『SCHOOL OF LOCK!』を上手く使って「こういう番組あるんだけど、知ってる?」と話しかけて、友だち作りのきっかけにしてもらえればと思います。
あしざわ:『SCHOOL OF LOCK!』のアーティスト講師の番組を聴いていて、「ああ、人間なんだな」って思います(笑)。テレビで観ていると、本当に世界が違う人たちがしゃべっている感覚になりますが、番組の中ではくだらないこともしゃべってくれて、「そういったことで悩んだりするんだ」と知ると、講師も生徒も同じ地平にいるような気がします。そのタイミングで講師の曲が流れたりすると、いつも聴いている音楽が、ちょっと違っているように聴こえて、発見することばかりです。見方が変わるきっかけにもなります。
『SCHOOL OF LOCK!』は、同年代のみんなが同じことで悩んでいると気づける場所だと思っています。学校に通う感覚、友だちに会いにいく感覚で、聴いてくれると嬉しいですね。楽しい学校が、実は裏の世界にも存在しているような。みんなが行っている学校が楽しければ万々歳ですけど、つらいとき、苦しいとき、きついときに、『SCHOOL OF LOCK!』に登校して、同世代の子たちの気持ちを聴いてみよう!そんな場所になったら、嬉しい。最近はそんなことを思っています。
豪華メンバーの真ん中に座っているのは恥ずかしい
――それと、『SCHOOL OF LOCK!』の出演者全員が黒板アートとして描かれ、池袋駅に掲示されていますが、真ん中にいるお気持ちは?
とーやま:ただただ恥ずかしいです…。校長として毎日しゃべらせてもらってるんですけど、自分が気持ち良くなりたくてこの番組をやっているつもりは一切ないですし、この番組で自分の名前を売ろうという気持ちもありません。聴いている生徒一人ひとりが「また明日も聴こう!」と思ってくれさえすればいい、そう思ってます。だから僕が真ん中に座っているのが、本当に申し訳ない。生徒一人をここ(真ん中)に載せて、僕は後ろの校舎の窓からちょっとのぞいているぐらいでいいです(笑)。
あしざわ:たしかに恥ずかしいですね。何か。
とーやま:でも、好きでしょ、教頭は(笑)。
あしざわ:注目されるのは好きですけど、ここに混ざると「誰なんだろう?」ってなっちゃうので(笑)。
――でも、『SCHOOL OF LOCK!』出演者が集合すると、こうじゃないですか。
とーやま:絶対うまくいかないですよ、こんな個性的なアーティスト講師が揃っていたら(笑)。すでに『SCHOOL OF LOCK!』を退任されているアーティスト講師やGIRLSの皆さんもすごい方ばかりじゃないですか。そんな皆さんが『SCHOOL OF LOCK!』をすごく大切に思ってくださっていることは、メチャメチャ嬉しいです。
――これだけ長く続いている番組だと、生徒(リスナー)が今は先生になっていたり。
とーやま:だから、すごい番組だなって、たまにしゃべっているときに思うことありますよ、俯瞰で。
――なるほど。では、あしざわ教頭。最後に締めのコメントをお願いします。
とーやま:すいません。お願いします。
あしざわ:いきなり?
とーやま:これも番組を聴いているインタビュアーならではのフリですよ。
あしざわ:……そうですね、すごくいい番組だということです。
とーやま:ダメです。直前に僕がいいました。重複はよしてください。
あしざわ:じゃあ、……まずは体験入学をしてみよう!みたいなことですかね。
(一同沈黙)
あしざわ:えーっと……。
(一同爆笑)
とーやま:体験入学ね(笑)。1回入ってみるっていうことね。
あしざわ:冒頭だけでもいいですよ。はじめは好きなアーティストのトークが聴けるところから入ってもらえれば。クスッと笑えて、面白そうと引っかかるポイントがあると思います。なので、一度ぜひ体験入学をしていただきたいです。そして、そのまま本入学して毎日登校してくれたら、僕は何より嬉しいです。
番組概要
■放送局:TOKYO FM他、JFN全国38局ネット
■番組名:『SCHOOL OF LOCK!』
■放送日時:月曜日~木曜日 22時~23時55分、金曜日 22時~22時55分
圧巻の黒板アートを目撃しよう!「ラジオの中の学校で、いつでも君を待っている」
4月16日(月)から22日(日)までの1週間、池袋駅オレンジロードに『SCHOOL OF LOCK!』 出演者たちが”黒板アート”になったビジュアルの広告が掲出されます。これは、TOKYO FMとradikoによるキャンペーンで、チョークで描かれたとーやま校長、あしざわ教頭、アーティスト講師陣ら『SCHOOL OF LOCK!』の出演者たちが一堂に会しているチョーク画が印象的な広告です。
コピーは「ラジオの中の学校は、いつでも君を待っている。」。10代のリスナーが昼間通う学校とは違う、もうひとつの学校―毎日夜10時から開校しているラジオの中の学校『SCHOOL OF LOCK!』 が、まさに一枚の画になった、奇跡の黒板アート。ぜひ期間中に池袋に足を運んで実物を目撃して下さい。目撃した方は、ぜひ番組まで報告して下さい!
出演者プロフィール
■とーやま校長
1979年、北海道出身。2010年4月に『SCHOOL OF LOCK!』の2代目校長に就任。前任はやましげ校長(2005年10月の番組開始から2010年3月まで)。感情をそのまま出す熱いトークが魅力。
■あしざわ教頭
1979年、東京都出身。2014年10月に3代目教頭に就任。前任はよしだ教頭(初代はやしろ教頭)。美術(アート)的センスを備えたツッコミで、とーやま校長をクールダウンさせる……はずが、ミスしてツッコまれることもある。
インタビュー・写真
豊田拓臣
1979年、埼玉県生まれ。
中学生からラジオを聴き始め、ずっと聴き続けていたら、ラジオ番組の紹介記事やしゃべり手のインタビューをして原稿を書くことが仕事になったフリー編集者/ライター。
自称・ラジオ解説者。
著書に『ラジオのすごい人たち~今こそ聴きたい34人のパーソナリティ』(2012年、アスペクト)がある。
一般社団法人日本放送作家協会会員。
特定非営利活動法人放送批評懇談会正会員。
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