『孤独のグルメ』『あちこちオードリー』…テレビ東京の番組とラジオの熱い関係!

「地上波なのに地上波らしくない」とも言われる独自のこだわりが光るテレビ東京(以下:テレ東)の番組が人気を集めています。今回は10月からスタートしたテレ東のドラマ・バラエティ番組とその番組出演者がパーソナリティを務めているラジオプログラムを調査。

両者が交じり合ってよい化学反応を起こしている番組を聴いて、テレ東とラジオに感じられる親和性を感じてみては?

ドラマ『新米姉妹のふたりごはん』×文化放送『クラスメイトは大友花恋!』

毎週木曜日深夜1時から放送中のドラマ『新米姉妹のふたりごはん』。柊ゆたかの人気マンガが原作です。

両親の再婚で突然姉妹となった社交性のある姉のサチ(山田杏奈)と引っ込み思案な妹のあやり(大友花恋)が料理を通じて、心の距離を縮めていく物語。見どころは料理上手なあやりの調理シーン。あやりのナレーションで進行する今時なレシピ動画風の調理シーンは斬新。テレ東らしい技も随所に感じられるグルメドラマです。

あやり役の大友花恋さんは、文化放送の『レコメン!』内の『クラスメイトは大友花恋!』を担当。

タイトルどおりクラスメイトに話しかけるようにざっくばらんなトークが魅力。とあるオンエアでは、誕生日にシャンパンでお酒デビューした話をうれしはずかしそうに語る場面も。ドラマでは物静かなイメージのあやりを演じていますが、ラジオでは明るく元気なキャラクター。ドラマから大友さんが気になった方には新鮮に聞こえるかもしれません。

クラスメイトは大友花恋!(『レコメン』内)
放送局:文化放送
放送日時:毎週水曜 23時30分~23時45分
出演者:大友花恋
番組ホームページ

※放送情報は変更となる場合があります。

バラエティ『あちこちオードリー~春日の店あいてますよ?~』×ニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』

毎週土曜日に放送中の『あちこちオードリー~春日の店あいてますよ?~』。オードリーの春日俊彰さんが大将となり、都内各地でお店を開店。常連客の若林正恭さんが今、注目のゲストたち2~3組を迎えてトークする番組。若林さんのゲストの魅力を最大限に引き出すホスピタリティあふれる的確な回しを堪能できます。

この番組は、2019年8月と9月にスペシャル番組として放送され、10月からレギュラー化。この発表は番組プロデューサーを務める『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』の中で、若林さんがゲスト出演したときにサプライズで告げられました。まさにラジオとテレビの垣根を越えた瞬間でした!

テレビ東京のプロデューサー・佐久間宣行さんが水曜深夜3時からの「オールナイトニッポン0(ZERO)」のパーソナリティとなったのは2019年4月から。テレビ東京の社員である佐久間さんが系列会社でもないラジオ局のレギュラー番組を担当するというのは、独自路線・エポックメーキングのテレビ東京らしいアクション。テレビ×ラジオの化学反応は、オードリーの冠番組のほかにテレビ朝日『アメトーーク!』プロデューサー加地倫三さんとテレ朝・テレ東の局の垣根を越えたコラボ番組企画も実現しています。

佐久間さんのラジオでの豊富な制作裏話を聴きつつ、テレビでテレ東のバラエティ番組を見る。お笑い・テレ東番組ファン、将来制作したい方にもダブルでの視聴はおすすめです。

佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)
放送局:ニッポン放送
放送日時:毎週水曜 27時00分~28時30分
出演者:佐久間宣行
番組ホームページ
公式Twitter

#佐久間宣行ANN0

※放送情報は変更となる場合があります。

ドラマ『死役所』×NACK5『TOKIO WALKER』

あずみきし氏の人気コミックが原作のドラマ『死役所』は、水曜深夜0時12分からTOKIOの松岡昌宏さん主演で放送中です。次々と死者が訪れる「市役所」ならぬ“死役所”が舞台。松岡さんは不気味な笑顔で死者を「お客様は仏様です」と迎える謎めいた職員・シ村を演じています。見どころは、死の手続きをするために語られる死者たちの生きざまと死にざま。

ゲストには松岡さんの後輩、ジャニーズJr.メンバーも登場。第1話では、織山尚大さん(少年忍者/ジャニーズJr.)が演じた少年の死にまつわる衝撃的な事実が明かされる悲しくやるせないシーンが。ドラマ初回から後輩の魅力を引き出す松岡さんの演技が光っていました。

松岡さんがNACK5で担当しているラジオ番組『TOKIO WALKER』では、ジャニーズの後輩を松岡流に気遣うトークが聴きどころ。とある日のオンエアでは、後輩のA.B.C-Z番組の仕切りなどについて思うところをコメント。そのあとにきちんとA.B.C-Zの曲をかけてフォローしていました。さらにトークの中でさりげなく「感謝カンゲキ雨嵐」とはさんだりも。

ラジオやドラマで松岡さんの後輩を気にかける言動をぜひチェックしてみてください。

TOKIO WALKER
放送局:NACK5
放送日時:毎週日曜 7時00分~8時00分
出演者:松岡昌宏
番組ホームページ

※放送情報は変更となる場合があります。

ドラマ『孤独のグルメSeason8』×FMヨコハマ『深夜の音楽食堂』

今季のテレ東ドラマの注目といえば毎週金曜深夜0時12分から放送中の『孤独のグルメ Season8』。原作・久住昌之、画・谷口ジローの同名人気コミックをもとにドラマ化。2012年にスタートした人気シリーズです。

松重豊さん演じる輸入雑貨商を営む主人公・井之頭五郎が営業先でふらりとひとりで飲食店に立ち寄り、その日の気分とノリでおいしいものをおいしそうにいただくグルメドラマ。2019年の大みそかもスペシャル番組を放送。3年連続となり、年の瀬の風物詩的な番組としても愛されています。

このドラマでは、心の声が饒舌な五郎役の松重さんが、FMヨコハマ『深夜の音楽食堂』ではパーソナリティを担当。

俳優やアーティストをゲストに招き、マニアックな音楽談義を繰り広げています。時には『孤独のグルメ』の制作スタッフをゲストに呼んだり、横浜中華街で五郎が行った店のリスナーのエピソードを紹介したりする中でドラマ撮影の裏話が披露されることもしばしば。井之頭五郎ファンは必聴ですよ!

深夜の音楽食堂
放送局:FMヨコハマ
放送日時:毎週火曜 24時30分~25時00分
出演者:松重豊
番組ホームページ
公式Twitter

#深夜の音楽食堂

※放送情報は変更となる場合があります。

この記事を書いた人

高田りぶれ(たかだ・りぶれ)

山形県生まれ。ライターなど。放送作家のキャリアを生かし、テレビ・ラジオ番組のおもしろさを伝える解説文を年間150本以上執筆。趣味は観ること(プロレス、サッカー、相撲、ドラマ、お笑い、演劇)、遠征、料理。

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森永卓郎が解説~『こち亀』作者に学ぶプロの仕事術

「垣花正 あなたとハッピー!」(11月27日放送)に経済アナリストの森永卓郎が出演。週刊少年ジャンプに40年間連載された伝説の漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に焦点をあて、その作者である秋本治から学ぶプロの仕事術について解説した。

集英社『こちら葛飾区亀有公園前派出所 200 (ジャンプコミックス)』著:秋元治(※画像はAmazonより)

スーパーカーブームからデジタルブームまで~最新トレンドがいち早く漫画に

日本人のほとんどの方がご存知だと思いますが、週刊少年ジャンプに掲載されて、アニメ化もされた漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。両津勘吉さんという、とんでもない警官が主人公です。体毛が濃くて眉毛は一本眉、いつも下駄を履いて、とにかく無茶苦茶で生命力に富んだキャラクターです。『こち亀』は1976年から40年間にわたって連載が続き、亀有の下町の人情を描いています。そして『こち亀』のすごいところは、スーパーカーブーム、デジタルブームなど、そのときどきの流行を取り入れているところです。最新トレンドがいち早く漫画になるのが『こち亀』でした。

集英社『秋本治の仕事術 「こち亀」作者が40年間休まず週刊連載を続けられた理由』著:秋元治(※画像はAmazonより)

40年間1度も休載がなかった理由~作業工程表をつくる

さらに特筆すべきは、40年間1度も休まず、皆勤賞だということです。通常、ギャグ漫画の作者はネタに詰まって、失踪してしまう人も少なくありません。それくらい過酷な世界なのです。ギャグ漫画で連載を1日も休まないのは奇跡です。作者の秋本さんは、『秋本治の仕事術 「こち亀」作者が40年間休まず週刊連載を続けられた理由』という本を刊行しています。私はそこに魔法が書いてあると思い、一気に読みました。しかし、それは魔法ではありませんでした。秋本治さんは自分自身で作業工程をつくるのです。締め切りを逆算して、「この日のこの時間にはこれをやらなければならない」と、作業の工程図をつくります。その上で、その作業に無駄がないかを考えて行きます。無駄を省けば全体のスケジュールに余裕が出ます。そして新しい仕事や、取材の時間も捻出できるのです。

ダイヤモンド社『新訳 科学的管理法』著:フレデリック W.テイラー(※画像はAmazonより)

フレデリック・テイラーの科学的管理法と同じ発想

工程を組むのは建築現場でもやっていますが、1個1個の作業の時間を削るというのが肝です。秋本先生がなぜ思いついたかというと、工場を取材に行ったときに、その工場ではいちいち工具を取り出して作業をしていたそうです。それだと、工具箱の蓋を開けて片付けるという時間が必要です。それをやめて、壁に工具をぶら下げるようにすると、作業が早くなるというものです。工具箱の開け閉めの数秒も無駄と考え、それを積み重ねて行くのだと本に書いてありました。フレデリック・テイラーさんという学者が、工場で作業をするときにストップウォッチで作業時間を計ったのです。その時間をどうやったら縮められるか、手の動かし方や道具をどこに置くかなど、それらを全部考えて時間を削る、科学的管理法というものをやりました。驚くべきことに、秋本さんはそれと同じことを自分で思いついているのです。テイラー氏がやった科学的管理法をつき詰めて、フォードという会社が大量生産システムをつくりました。フォードの大量生産システムが登場するまで、車は憧れの存在で、普通の人が買えるものではありませんでした。ところが生産性を上げたことにより、フォードの工場で働く人も買えるまでになったのです。画期的な生産性アップです。

集英社『こちら葛飾区亀有公園前派出所 1(ジャンプコミックスDIGITAL)Kindle版』著:秋元治(※画像はAmazonより)

ネタはすべて現場取材から

秋本さんは新聞や雑誌を片っ端から読んで、気になったものを全部スクラップしました。スクラップをして、「これがネタになりそうだ」と思うと、現場に自ら行くそうです。現場に行くと文字で読んだものより、遥かに発想が広がってネタが生まれて来るのだそうです。現場に行かず、ネットや新聞で見た情報をネタに記事を書いている先生とは大違いです。秋本治先生は取材を積み重ねているから、ずっと面白いものが書けるのです。

亀有駅前(北口)に建立された両津像(こちら葛飾区亀有公園前派出所-Wikipediaより)

いまの時代を生きて来た主人公・両津勘吉

主人公の両津勘吉はいろいろなところに行き、いろいろな商売をします。両津勘吉が漫画のなかでどれだけ稼いだのかを計算した人がいるのですが、両津勘吉は186億円を稼いでいたそうです。その代わり、1兆円以上の借金をしています。秋本先生がいろいろな情報を埋め込んだことによって、いまの時代を生きていたということです。

垣花正 あなたとハッピー!
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 8:00-11:30

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