ラジオ界の”レジェンド”が活躍しているラジオ番組【後編】

前編に引き続き、ラジオ界で長く愛され続ける“レジェンド“パーソナリティの後編をお届けします!

吉田照美さん

文化放送『伊東四朗・吉田照美 親父熱愛(パッション)』毎週土曜日 15時〜17時
bayfm78『TERUMI de SUNDAY!』毎週日曜日 9時30分〜11時20分
MBSラジオ『ザ・ヒットスタジオ(火)』毎週火曜日 25時〜26時
JFN系列『Please テルミー!マニアックさん。いらっしゃ~い!』※放送時間は各局によって異なります。

今年3月、『吉田照美のやる気MANMAN!』『飛べ!サルバドール』など、36年半にわたって担当していた文化放送の平日ワイド番組が幕を下ろした後、新番組が一気に3本もスタート!

『伊東四朗・吉田照美 親父熱愛(パッション)』では、名コンビの伊東四朗さんと、『TERUMI de SUNDAY!』ではbayfm78『MOZAIKU NIGHT(月曜)』(25時30分〜29時)で若手パーソナリティとして注目株の中村愛さんとタッグを組んで、政治・経済からスポーツ・芸能まで斬っていきます。それぞれのお相手の伊東四朗さんと中村愛さんでは年齢差がおよそ40歳もあるので、同じ話題でも話の展開が変わってくるのがミソ。

さらに『Please テルミー!マニアックさん。いらっしゃ~い!』では、人気パーソナリティの秀島史香さんとタッグを組み、『ザ・ヒットスタジオ(火)』では欅坂46のメンバーで、大の歌謡曲ファンの小池美波さんと年齢歳48歳のほのぼのコンビで、深夜1時から生放送でお届け。舌が休む暇がありません!

つボイノリオさん

CBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』月曜日〜金曜日 9時〜12時
KBS京都ラジオ『つボからボイン』毎週土曜日 16時30分〜18時

伝説のコミックソング「金太の大冒険」のイメージが強いですが、真面目なトークも多く冗談とのギャップがたまりません。『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、ニュースをテンポの良いトークでさばいていきます。

『つボからボイン』では『つぼイノリオの聞けば聞くほど』とは全く違った雰囲気で、収録のある週には”握手会”と題してリスナーと触れ合います。遊びにきたリスナーの名前が番組のフェイスブックで紹介されるのですが、ほとんど下ネタです。さすが!

蟹江篤子さん

東海ラジオ『かにタク言ったもん勝ち』毎週土曜日 7時30分〜8時

主に東海地区のラジオファンや、さだまさしさんのファンにとってはおなじみの蟹江篤子さん。東海ラジオの元アナウンサーで、70年代に人気を博した深夜番組「ミッドナイト東海」を担当。当時、ブレイクする前のさださんの「精霊流し」を大いに気に入り、毎週のようにかけていたところ、全国に広がり大ヒットにつながっていったと言われています。2007年にはNHK「名古屋から生放送! 秋の夜長もさだまさし」でスタジオ観覧に来ていた蟹江さんを、さださんが”恩人”として番組で紹介しました。私はこの場面をしっかりと覚えていますが、さださんと蟹江さんの2ショットに、感激して泣きそうになってしまいました……。

そんな蟹江さんがパーソナリティを務める『かにタク言ったもん勝ち』は20年にもわたる人気ワイド番組で、現在は30分に凝縮。蟹江節は健在です!

道上洋三

ABCラジオ『おはようパーソナリティ 道上洋三です』月曜日〜金曜日 6時30分〜9時
ABCラジオ『道上洋三の健康道場』毎週土曜日 7時〜7時30分

『おはようパーソナリティ 道上洋三です』(通称:おはパソ)は放送開始40年の番組。

以前、道上さんにインタビューをさせていただいた際、朝日放送の1階からスタジオのある13階まで、体内の血液の流れを巡らせるため階段で上がっていると仰っていました。座っていると体が固まって声が出なくなる上、血液が巡らないと自分の言葉が出てこないのだそうです。

現在74歳の道上さんは阪神が勝った翌日の放送では、スタジオにジェット風炎を飛ばし、「六甲おろし」を歌い、前日の試合を丁寧に解説することでも有名です。なんと、プロに歌唱指導をしてもらったこともあるとか。ただし、機嫌が良い時は良いのですが、そうではない時は、怒っているというピリピリ感がスピーカーを通じて伝わってきます。

また、熱狂的なファンが多く、以前に番組で牛すじカレーうどんをプロデュースしたところ、事前予約だけで25万食のオーダーが舞い込んだことも。

浜村淳さん

MBSラジオ『ありがとう浜村淳です』月曜日〜金曜日 8時〜10時30分、土曜 8時〜11時30分

浜村さんは現在82歳。番組は1974年に放送が開始され、番組の随所に「これぞ、名人芸」と唸るような浜村流の演出が施されています。例えば、その日の新聞記事を紹介する時は、脚色はしつつも事実は曲げずに、落語のような語り口で展開していきます。もちろん、台本があるわけではありません。さらに、番組の終盤に放送される「演歌天気予報」のコーナーでは、天気予報の原稿を浜村さん自ら七五調にアレンジし、演歌をBGMにお伝えします。例えば「今日の大阪、朝晴天」「午後は曇りで、夜は雨」といった具合です。浜村さんの後に、アシスタントが同じフレーズを繰り返すので、頭にスンナリと入ってきます。

ゲストコーナーでは、大物歌手から若手の俳優まで、さまざまなゲストが登場します。『ありがとう浜村淳です』流のおもてなしとして”ありがとう娘”が「今朝のお客様、◯◯さんのお茶をお持ちしました」とお茶を差し出します。

ヒロ寺平さん

FM COCOLO『HIRO T'S AMUSIC MORNING』月曜日〜木曜日 6時〜11時

パーソナリティを務めるのはこの道30年のベテラン・ヒロ寺平さん。優しい語り口調ながら、時々ピリリと本音も飛び出します。上沼恵美子さんはヒロさんの大ファンで、上沼さんがニッポン放送で2時間の特別番組を担当した時は、ゲストにヒロさんをお迎えしたほどです。この時ばかりは、上沼さんも照れていました。

この番組はワンマンパーソナリティスタイルをとっていて、スタジオではなく、スタジオの前にある副調整室にマイクを置いて放送しています。曲を選んだり、CDをセットして再生するのもヒロさんの役。ミキサー卓の空いたスペースに、ニュースなどのトピックスが書かれたニュース原稿をズラリと置き、曲を聴きながらヒロさん自らニュースを紹介する順番を決めています。ヒロさんはダジャレや掛言葉が好きで、ラジオネームがダジャレになっていてヒロさんが気に入ると、プレゼントがもらえることも。

栗田善成さん

KBCラジオ『栗田善成の土曜娯楽版』毎週土曜日 7時〜12時
KBCラジオ『痛快! バッチリラジオ』毎週土曜日 6時25分〜6時40分(※ほか各地で放送)

栗田善成さんは80年代後半から主にKBCラジオで活躍。福岡のラジオパーソナリティの草分け的存在で、『栗田善成のまずはラジオでおつかれさん』で人気を博しました。現在でも軽快なトークは健在です。

『痛快! バッチリラジオ』で共演している”きょんちゃん”は、今年開かれた「第54回ギャラクシー賞」のラジオ部門で優秀賞を受賞したKBCラジオ『KBC長浜横丁 居酒屋清子』(毎週月曜日 18時30分〜22時)で”女将”として出演している、清子さんと同一人物です。声の雰囲気を、全く違う感じに変えているので、ぜひ聴き比べてみてください。

また、福岡では福地高子さんもレジェンド的な存在で、一時期ナイターオフで放送されていたRKBラジオ『栗田善成・福地高子のちょっとアブナイ夜がきた! 』を聴いた時は、2大レジェンドの集結にラジオファンの私としては感激したのを覚えています。ちなみに、栗田善太郎さんは栗田さんの長男で、AM・FM問わず数々の番組に出演しており、福岡のラジオファンにはおなじみの存在です。

 

今回ご紹介したレジェンドのほかにも、以前にもご紹介したSTVラジオ『ウィークエンドバラエティ 日高晤郎ショー』(毎週土曜日 8時〜17時)の日高晤郎さんや、ニッポン放送『上柳昌彦 あさぼらけ』(月曜日〜金曜日 4時30分〜6時 ※月曜は5時から)ほか、数々の番組を担当してきた上柳昌彦アナウンサー、ニッポン放送の元アナウンサーでニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』(月曜日〜金曜日 6時〜8時)を担当しパーソナリティ歴が50年を超えている高嶋ひでたけさん、NACK5 『FUNKY FRIDAY』(毎週金曜日 9時〜17時55分)ほか、数々の番組で活躍している小林克也さん、KBCラジオ「PAO〜N」(月曜日〜金曜日 13時〜15時55分)などを担当している沢田幸二アナウンサーなど、挙げるとキリがありません。各地で放送されている、色々な楽しいラジオ番組が、末長く続きますように!

 

この記事を書いた人

YMgrdfKa
やきそばかおる
子どもの頃からのラジオっ子。
「ケトル」「BRUTUS」等ラジオ特集を担当。
ライター・構成作家・動物園愛好家。好きな食べ物は、焼きそば。
ツイッター @yakisoba_kaoru

ラジオ界の”レジェンド”が活躍しているラジオ番組【前編】

ラジオには「この番組(ラジオ局)に、この人あり! 」と言いたくなるほど、長く愛され続けているパーソナリティーがいます。今回は、そんな”レジェンド”達を前編、後編に分けてご紹介します。

伊奈かっぺいさん

RAB青森放送『伊奈かっぺい・旅の空うわの空』毎週月曜日 19時〜20時30分
RAB青森放送『伊奈かっぺい ことわざのわざ』毎週土曜日 12時30分〜13時 (※ABS秋田放送、MROラジオでも放送)

シンガーソングライターやエッセイスト、方言詩人など、青森を中心にマルチに活躍している伊奈かっペいさんが森羅万象を語ります。

放送回数は既に1000回超え。番組後半は若手の長澤瑠璃子アナウンサーが登場し、最近の話題をかっぺいさんに話すのですが、人生経験豊富なかっぺいさんならではの本音が飛び出すことも。

『伊奈かっペい ことわざのわざ』では、「なるほど!」と目からウロコの話が満載!

かっぺいさんは2017年10月7日にはレコードデビュー40周年を記念して、『腹這いのララバイ ~40年目の落書き~』を発売。なんと、企画・構成・演出・出演・詩・詞・絵・文字など、全てかっぺいさんが担当しています。

久米宏さん

TBSラジオ『久米宏 ラジオなんですけど』毎週土曜日 13時〜14時55分

久米さんは、TBSの局アナ時代から『永六輔の土曜ワイドラジオTokyo』の中継レポーターや『土曜ワイドラジオTOKYO』などのパーソナリティを務めていました。

テレビ朝日「ニュースステーション」を終えた後、2006年に『久米宏 ラジオなんですけど』がスタート。番組開始当初は、同じ時間帯で文化放送『みのもんたのウィークエンドをつかまえろ』やニッポン放送『小倉智昭のラジオサーキット』など、大物アナウンサーの番組がひしめく中で放送していました。

リスナー参加のユニークな試みも行われ、中でも印象的なのが「あなたもラジオドラマをやってみませんか」という企画。2011年に放送された「スーパークールビズドラマ・番町皿屋敷」では、出演希望のリスナー6人に事前に台本を送り、当日決まった1名を含めて7名で、ぶっつけ生放送でドラマが作られました。また、8月12日(土)の放送では「お盆リスナー中継 ~ 帰省先から、行楽先から、今の様子をレポートしてください」ということで、帰省先や行楽先のリスナーの方々が、現地の様子を実況中継する企画が行われました。

大沢悠里さん

TBSラジオ『大沢悠里のゆうゆうワイド 土曜日版』毎週土曜日 15時〜16時50分

1986年4月7日にスタートした『大沢悠里のゆうゆうワイド』。放送30周年を迎えた2016年4月で幕を閉じることが告げられると、なんらかの形で続けて欲しいという手紙が多数届いたそうで、前身の番組が終了してすぐに「土曜日版」としてスタートしました。

終戦記念日には、秋山ちえ子さん(ジャーナリスト・評論家)による、童話「かわいそうなぞう」の朗読を放送していましたが、秋山さん亡き今も「かわいそうなぞう」の朗読は放送されています。

余談なのですが、番組のオリジナルグッズとして番組のロゴが印刷されたハガキがあり、このハガキを使ってNHK『今夜は生でさだまさし』に投稿するリスナーもいて、たまに画面にロゴが映ることがあります。

美輪明宏さん

TBSラジオ『美輪明宏・薔薇色の日曜日』毎週日曜日 『笹川友里  プレシャスサンデー』内で7時2分〜7時12分頃 (※ほか各地で放送)

近況や懐かしい話、健康の秘訣、心に響く名曲のほか、「仕事ができる人とできない人の違いは?」「新生活を楽しく過ごす方法は?」といった、リスナーからの質問にもお答えしています。さらに「ポケットモンスター」との意外な関係から、戦前、故郷長崎で食べた思い出のカレーまで、思わず聞き入ってしまうエピソードも。

吉永小百合さん

TBSラジオ『今晩は 吉永小百合です』毎週日曜日 22時30分〜23時 (※ほか各地で放送)

テーマにまつわる話や、ご自身が出演している映画の撮影秘話まで、吉永さんのお話がじっくりと楽しめる番組。特に映画の撮影秘話は、「よくぞ覚えてらっしゃる」と思ってしまうほど、エピソードを細かく、楽しく話されます。熱心なファンが多く、以前に東京で公開収録が行われた時は沖縄から駆けつけた人もいました。

大竹まことさん

文化放送『大竹まこと ゴールデンラジオ』月曜日〜金曜日 13時〜15時30分

文化放送の平日お昼の顔こと大竹まことさんは、前身の番組『大竹まこと 少年ラジオ』から文化放送に出続けて13年です。

大竹さんの魅力は、オープニングトークで政治・経済に対して怒ったかと思えば、過去の史実や市井の人々の体験談を大竹さんが紹介する「大竹発見伝〜ザ・ゴールデンヒストリー」では聴く人を感動させ、ゲストコーナー「大竹メインディッシュ」では相手から楽しい話を引き出し、はたまた「大竹紳士交遊録」ではきたろうさん(水曜)、みうらじゅんさん(木曜 不定期)らと(良い意味で)役に立たない話を繰り広げる幅の広さ。喜怒哀楽の詰まった150分です。

クリス・ペプラーさん

J-WAVE『SAISON CARD TOKIO HOT 100』毎週日曜日 13時〜16時54分

今年の7月2日(日)の放送で1500回を迎えた『SAISON CARD TOKIO HOT 100』。J-WAVEが開局した1988年10月にスタートして以来、クリス・ペプラーさんがお届けしています。

現在59歳のクリスさんは、今回ご紹介するレジェンドの中では”若手”です。以前、インタビューで「ラジオは懐かしくて良い」と言われがちなことについて「僕は、ラジオは人の興味にもっと密着して、常に攻めていくべきだと思っています。だから『TOKIO HOT 100』は、リスナーの皆さんへの感謝の気持ちを忘れずに、これからも時代と共に進化していきますよ」と話していました。今後の展開も楽しみですね!

ちなみにオープニングでは、ジェームス・ブラウンさんが番組にゲスト出演した時にサンプリングした貴重な声が使われています。

 

——続きは後編で!

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やきそばかおる
子どもの頃からのラジオっ子。
「ケトル」「BRUTUS」等ラジオ特集を担当。
ライター・構成作家・動物園愛好家。好きな食べ物は、焼きそば。
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