関西のレコードショップ、イベンターによる音楽シーン大予想座談会(後編)

FM802『MIDNIGHT GARAGE』の毎年年始恒例企画「音楽シーン大予想座談会」。
関西のレコードショップやイベンターの皆さんと昨年の音楽シーン振り返りと今年の音楽シーン予想を座談会形式でお話ししています。
今年も、FLAKE RECORDS DAWAさん、HOLIDAY RECORDS 植野さん、タワレコ梅田NU茶屋町店 浦野さん、キョードー大阪 神戸さんをお迎えしました。1月18日、1月25日の2週にわたって座談会の模様をオンエア。

25日の放送はいよいよ2021年に気になるアーティスト紹介に。
 

土井:前編で出てきたコラボの流れや、TikTokからの流行も2020年の流れは2021年も引き続き、ですよね。

DAWA:なんかもう一つその先のなにかも出てくるんじゃないですかね?去年あらゆる業界の人がいろいろ学習したと思うんですよ。例えば、配信のライブやVRのライブをそれぞれにやってみて、できた。ものにした。ではその次、という段階に入りますよね。

悲観的に聞こえるかもしれないけれど、2019年と全く同じ状況には戻らない、と思っています。「早く前に戻ってほしい」ではなく、もう一つ先の何か、僕らでは考えられないようなことを思いつく人が出てくるのではないかと思います。

それが出てきたときにそれに僕らがどう対応していけるか、を頑張らないとな、と感じます。

浦野:タワレコはCDをメインで販売していますが、レコードやカセットが伸びてきている流れもあり、CDに固執している部分はもちろんありますが、なくなってもいいと思う部分もあって。「そこに音楽があった」という。Tシャツを買ったら音楽がついてた、とか。全然違うパターンがあっていいんじゃないかな、と思いますね。ネットからの音楽の入り方と同じで、小物を買ったらそれに1曲ついてた、とか、入りは何でもいいような感じがします。

DAWA:今までもあるっちゃあるけど、もっとラフな感じですかね。

浦野:ZINEとか写真集とかで、モノとして持っていたいようなものだし、それで音楽も聴ける、みたいな。

DAWA:写真集を開けたらホログラムが広がって、自分のためにコンサートをしてくれる、とか。そういうのが出てきそうですよね。

土井:DAWAさんロマンチックなこと考えているんですね!(笑)

浦野:昔本を開いたら音楽流れるのとかありましたもんね!

神戸:でもおいおいそうなりそうですよね。画面越しではない形に。3D、みたいなものに。

植野:今もすでにバーチャルでライブをやっているアーティストいますよね?アバターで楽しむ、みたいな。

土井:この間RADWIMPSのライブを見ました。スマホで見られるオンライン上でのライブに自分のアバターで入っていく、という。アバターを走らせて向こう側から見られたり、みんなで一緒に手をあげたりして楽しめる、というかたちでした。ファンたちが軍団で走っていく姿が見られたり。
私は普段ゲームをしないのでアバターを動かすのが大変だったけれど!(笑)

DAWA:みんなで一緒に楽しむ、とか、俺ちょっと裏側から見てくるわ~とかいう楽しみ方ができるってことですね!ビッグアーティストが新曲をそこで披露するから集まれ、ってなったらたくさんインターネット上で人が集まりそうですもんね。

神戸:走っちゃいますね。(笑)

土井:アバターでお揃いのTシャツ着る、とかも面白そうですよね。

少年ナイフの血を引き継いだパンクロックバンド!

土井:ここから、2021年気になるアーティストを教えていただきたいのですが。

浦野:なかなかライブに行けず、でも新しいアーティストに出会ったり音源聴いたりしている2020年だったのですが、ネットで見つけて、年末にやっとライブを見られてよかったなと思ったのがジャンキー58%という大阪のバンドです。

実際にライブを見てどうだったか、というのが自分の判断基準の一つなんですが、思った通り僕の好きなライブをやるバンドだな、と思いました。2021年多くの人に知ってもらいたいと思うアーティストです。19歳や20歳で若いんですが、珍しくUSパンクをやっていますというのを言い切っているんですよ。

DAWA:プロフィール文が面白いですよね。「わたしたちはUSパンクロックバンドです!」って言いきっている、という。(笑)うちでも取り扱っていて、お会いしましたが、本人たちもアッパーな子たちですね。きゃぴきゃぴ元気いっぱいの。

浦野:ライブも元気なんですよ。「ちょっと!ギター弾いてへんのちゃう?」みたいな(笑)でもそこが見ていてワクワクしてその感じをすでにライブで表現できているのがいいんですよね。

DAWA:自主盤がリリースされているんですが、それにコメントを寄せているのが、少年ナイフなんですよ!

土井:ずばり!ですね。

DAWA:「少年ナイフの血」っていう感じがすごいしますね。

浦野:Green Dayだったり、The Muffsだったり、そういうバンドが好きでこういう音を出している、という信頼感もありますね。

DAWA:USパンクロックバンドって言っているのにバンド名が「ジャンキー58%」でカタカナ表記なのも面白いですよね。(笑)

土井:では植野さんはどうでしょう?

植野:京都の大学生バンドで、猫戦(ねこせん)というアーティストをおすすめしたいです。
漢字で「猫戦」と書くんですがシティポップというか、懐かしい雰囲気とギターポップ感もあって女性ボーカルが印象的なバンドなんです。Pictured Resortとかが好きと言っていて、FLAKE RECORDSにもよく買い物に行っていたみたいです。

DAWA:この間来ました。

植野:しかもFLAKE RECORDSで土井コマキさんに会った、と言ってましたよ(笑)

土井:え!(笑) 「猫戦」はバンド名と音楽の印象が違いますね。

植野:ガレージパンクかな、と思っちゃうバンド名ですもんね。

DAWA::Pictured Resortが好きっていうの納得する音ですね。

DAWA:では次僕この流れで行きますね。

今名前の挙がった猫戦と似た音楽性も感じますが。大阪のバンドで、メンバーが不定形、メインが3人であとはその都度スケジュール合わせて別の人を入れてやっているます。もうすでにコレクティブというか、感覚が自由なバンドですね。cesco(チェスコ)というバンドです。

これも、最初はHOLIDAY RECORDSの紹介で知ったのかな?2021年にFLAKE RECORDSからアルバムを出すことになっていて、1曲先行で出した曲が良くて評判になっています。猫戦ともつながる音楽性ですが、英語詞で、ライブハウスの経験がほぼゼロです。ボーカルがソウルフルでPredawnを感じるようなところもあります。2020年にビビット来ましたね。めちゃくちゃいいので、今仕上げ中で今年リリース予定のアルバムも楽しみにしてほしいアーティストですね。

ライブは2020年の年末に一度やっていて、1月末にも大阪でFLAKE RECORDS主催のイベントでPredawnとのライブも予定しているので、ぜひ覚えておいてほしいです!

土井:ライブでしか得られない感動ももちろん良いのですが、浦野さんが言っていたグッズや雑貨に音楽がついているみたいな、雑貨がメインでもよくて、モノとセットの表現も認められる音楽のありかたになってくるんですかね。

DAWA:今まではどちらかがおまけ、と思っていたけれど50%/50%になるような感じに変わってきているのかもしれないですね。

土井:今までは「ライブ見ないとわからんな~」とこれまで思ってきたけれど、そうじゃない物差しがあってもいいな、と今思いました。

DAWA:近年のHIP HOPとかでも特にそうで、ライブやったことないけど、音源バンバン出して売れちゃった、売れたからライブしなきゃ、みたいなのありますよね。

ソロなのにデュエットみたい、謎多きアーティスト…!

土井:神戸さんの今年気になる人は?

神戸:僕も実は碧海祐人さんを紹介しようと思っていたのですが、もう1組用意しておりまして、浦上想起さんというアーティストです。

土井:浦上想起さんは何者なんですか?

神戸:僕も詳しくはわからないのですが、碧海祐人の楽曲にもフィーチャリングで参加してましたね。2年前から活動し始めた宅録系のアーティストです。THREE1989というアーティストと話していた時に、THREE1989のサポートメンバーのSUKISHAさんにおすすめされて知りました。
「芸術と治療」という曲を聴いたときにすごいのが出てきたな、と思いました。キリンジみたいなシティポップさも入りつつ、ファンタジーな感じでオルゴールの世界に入ったみたいなイメージでしたね。「とぼけた顔」という曲がソロなのにデュエットみたいな曲で、後ろに小鳥のさえずりも入っていたり、面白いなと思いました。まだ知らないことの多い、不気味な存在ですね。(笑)ライブはボロフェスタとかに出ていたと思いますが、まだ見られていなくて、今ライブを見たいアーティストです。

福岡のアーティストたちがアツい!

植野:もう一つ、浦野さんもおすすめだと思うんですが、sancribという福岡のアーティストをおすすめしたいです。

1月27日に新しいアルバムが出るんですがそこにも入っている楽曲で先行配信されている「ブルーバレンタイン」がおすすめです。

ソウルとかファンクとかを昇華したポップミュージック、という感じですね。福岡にアーティスト多いですね

DAWA:yonawoとかもこの流れですね。

神戸:Deep sea diving clubとかも福岡ですよね。

植野:Yogee New Waves以降の流れだと思うのですが、その中でも声やメロディーが良くて好きですね。

浦野:「ブルーバレンタイン」以外に、もうちょっとアッパーな曲もあって、「春風に吹かれて」というもうひとつ前に配信された曲がすきです。MVも曲とマッチしていてとても良かったです。ありがちともいえるんですが、でもこんなにぐっとつかんでくる音なかなかないなと思います。

座談会発!イベント開催決定!

土井:最後にここでお知らせが。毎年恒例のこの座談会がライブイベントをすることになりました!

神戸:座談会から派生したライブですね。

土井:3月27日Live House ANIMAにて、この座談会でも名前の挙がった、碧海祐人猫戦、これに加えて、浦野さんの推しのがつぽんず

浦野:これもすごくキャッチーなアーティストで、日本語で歌っているんですが、あべまえばというフロントマンのバンドです。「冷ややっこにしょうゆをかけて食べる朝~」という歌いだしからなんだそれ、ってなるんですが、言葉の使い方が面白くてキャッチーなメロディーとの組合わせも良いです。フジファブリックとかズーカラデルみたいな、日本のポップスが好きだったり、昔のフォークソング細野晴臣さん、高田渡さんあたりも好きみたいです。

まだ大阪ではライブしたことないようなのですがこのチャンスに、と思ってお誘いしました。

土井:そして、もう一組。

DAWA:Luminous101(るみなすいちまるいち)という東京のバンドです。おととしアルバムをリリースしていて、ライブはまだそこまでできていないですね。2020年に7インチを出していて、FLAKE RECORDSでリリースイベントでオオルタイチと共演を予定していたのですが、残念ながら開催できず、今回お呼びすることにしました。

ライブを見たことあるのですが、本格的感があってドープな感じでよかったです。イントロが1~2分あるような曲を平気でバンバン出していて。OGRE YOU ASSHOLEとかD.A.N.とか、ループしながら展開していくようなアーティストが好きな人は気に入ってくれるかなと思います。

DAWA:どのアーティストもまだあまり知られていないので、このイベントを機に知ってもらいたいですね。

タイムフリー①: https://radiko.jp/share/?sid=802&t=20210126004028
タイムフリー②: https://radiko.jp/share/?sid=802&t=20210126010000

MIDNIGHT GARAGE
放送局:FM802
放送日時:毎週月曜 24時00分~27時00分
番組ホームページ
公式Instagram

※該当回の聴取期間は終了しました。

“高校1年生”から日本代表メンバーに…竹中七海が考える新体操日本代表「フェアリージャパンPOLA」の強さとは?

藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMのラジオ番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」(毎週土曜 10:00~10:50)。4月13日(土)の放送は、トヨタ自動車所属で新体操日本代表(フェアリージャパンPOLA)の竹中七海(たけなか・ななみ)選手をゲストに迎えて、お届けしました。


(左から)藤木直人、竹中七海選手、高見侑里



竹中選手は、1998年生まれ愛知県出身の25歳。子どもの頃から新体操を始め、中学2年生で新体操日本代表・フェアリージャパンPOLA(以下、フェアリージャパン)の練習生(強化選手)に、高校1年生でフェアリージャパンのメンバーに選出。高校3年生で迎えた2016年リオデジャネイロオリンピックには、リザーブ選手として現地に同行。その後、2021年にトヨタ自動車に入社し、同年に開催された東京オリンピックのメンバーに選ばれ8位入賞。現在はパリオリンピック出場を目指しています。

◆3月のドイツ大会で総合優勝!

藤木:フェアリージャパンは、3月2日(土)・3日(日)にドイツでおこなわれたインターナショナルトーナメント「新体操 Fellbach-Schmiden大会」で、団体総合1位、種目別フープ1位、種目別リボンボール1位! すごい成績ですね。

竹中:ありがとうございます。久々の表彰台で、優勝はとてもうれしかったです。

藤木:演技そのものはミスが少なかったですか?

竹中:演技自体にミスはあったので、ちょっと悔しい内容だったんですけど、それでも“ミスからどう対処するか”というところまで練習を積んでいたので、そこは(今大会で)良かったところの1つかなと思います。

藤木:オリンピックシーズン第1戦で優勝するというのは、縁起がいいですよね。

竹中:そうですね。チームみんなの自信になりましたし、やっぱり、ここからが勝負だと思うので、これを糧にまた頑張りたいと思います。

◆フェアリージャパンの強み

藤木:現在25歳で、中学2年生でフェアリージャパンの強化選手に選ばれているということは、フェアリージャパンで10年以上も過ごされているんですね!

竹中:そうですね。昔から憧れていたチームで“フェアリージャパンに入って活躍したい!”と思いながらずっと(新体操を)やってきたので、あっという間に10年が経ったなと感じます。

藤木:ただ、去年の世界選手権(第40回世界新体操選手権大会)では、メンバーに入ることができなかったのですか?

竹中:はい、このときはメンバーから外れてしまって本当に悔しい経験だったんですけど、そのときにほかのチームの良さと日本チームの良さを比較しながら客観的に見れたり、地元で練習したときに、改めて私のことを応援してくださっている方がたくさんいることに気付くことができたりと、あの経験があったから今があるなと感じています。

藤木:外から見たフェアリージャパンの強みというのは、どんなところでしたか?

竹中:動き一つひとつのきれいさとか“(演技を)正しく魅せる”というところは日本チームの強みだなと感じました。その反面、海外チームのエネルギーというか“どんなものでも魅せきる”というところが強みだなと感じたので、日本チームのきれいさがありつつ、強さも活かせたらより良いのではないかと感じました。

藤木:新体操はどうしてもミスがついてくる競技ですけど、試合前や試合中は緊張しますか?

竹中:もう心臓バクバクです(笑)。ミスがないことが一番なんですけど、1つ危ないところやミスがあった後は、試合中なんですけど“どうしよう”とか思いながら……でも、すぐに次の技がやってくるので、そこに集中して、しっかり(力を)出し切れるようにやっています。


竹中七海選手



高見:フェアリージャパンは、5月にウズベキスタンの首都・タシケントで開催される大陸別予選(第15回アジアシニア新体操選手権大会)でパリオリンピック出場権獲得を目指しています。

藤木:現在のフェアリージャパンのなかで、竹中選手はどのような立ち位置ですか?

竹中:これまでいろいろな試合を経験させていただいたぶん、試合のなかでも練習のなかでも、その経験を下の子たちに伝えていくことだと思います。あとは“安定感を持って演技をする”ということが、自分の大事な部分かなと思うので“どんなことがあっても対応できるように”“(失敗しても)すぐに修正できるように”というところは意識してやっています。

藤木:年齢的に(チームを)引っ張っていかなければいけない立場だと思いますが、その辺りはいかがですか?

竹中:キャプテン(鈴木歩佳選手)がもう1人いるんですけど、彼女がサポートしきれない部分を私が補佐役としてサポートしたり、大事なことは伝えていくということを意識的におこなっています。

藤木:最後に、パリオリンピックにかける意気込みを教えてください。

竹中:“パリオリンピックでメダル獲得”が目標なんですけど、そのためにも、まずは5月のアジア選手権でしっかり優勝を目指して、出場枠を獲得できるように頑張りたいと思います!

次回は4月20日(土)の放送です。

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4月13日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年4月21日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/

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