デビュー10周年イヤーを締め括るAimerに、FM802が1万字超えのロングインタビュー【前編】

お客さんは味方だと知れたDAWN Tour。

ディレクター:ここから2015年以降は、ツアーがほぼ毎年始まっていきます。2015年は、実は1年で2本のツアーをまわっていました。1本目が初の全国ツアーと言っていいと思いますが、「Maiden Voyage」。大阪始まりの福岡、愛知、東京というスケジュールで回りましたが、このライブは本当にいろいろありましたね。

Aimer:そうですね。

ディレクター:BIGCATでのファンを意識できたライブを経て、こういう感じでいこうとか、どんな心持ちで挑んだ、みたいなのは覚えていたりしますか?

Aimer:まだそこまで“一緒にライブで盛り上がれる曲”を作るところまで至れていなかったので、ちょっとしっとりしているライブではあったけど、もう少しMCで自分を出してみようかなと思っていました。
よく覚えているのは、大阪のライブで声が出なくなったときに、自分で今声が出てない状況をちょっとでも和らげたくて、MCでそれをフォローするために、当日その場の思い付きでしゃべっていたりして。お客さんはみんな拍手で応援してくれました。
そこでもやはりお客さんってこんなに温かいんだということと、お客さんは味方だと思えました。大阪のライブで、こんなに味方の人がいてくれたんだって。本当にあのときのライブはとても悔しかったけど、今でもあのライブでAimerを好きになったとか、あそこから応援し続けています。という人が結構いてくれます。

ディレクター:私も実はその場にいました。でも今の話を聞いて大変驚いたのは、もっと焦りとかを感じているのかなと思いましたが、それ以上にお客さんの温かさとかを感じることができたんですね。

Aimer:もちろん焦っていましたし、もう私の音楽人生終わったと思いました。(笑)思いましたけど、でも途中で席を立つ人もおらず、最後まで私たちが支えるんだという空気を客席からとても感じました。

ディレクター:その後、ちゃんとツアーを完走されたことに非常に安堵しましたし、うれしかったです。

Aimer:今でも思い出します。ステージに立つのが怖かったです。
でも、この10年で、本当にステージに立つのが怖い。っていう瞬間を何回も乗り越えてきたから、強くなってきているなと思います。あのときも乗り越えたから、というのが自分の中の根拠になっていますし。

ディレクター:なるほど。その心情だったAimerさんを助けてくれたのは、何が一番大きかったのでしょうか。

Aimer:周りのスタッフの皆さん、バンドメンバーですね。大阪でのライブが終わった後に私が涙を流してしまったのを見て、野間さんと当時のマネージャーも涙を流してくれて。

ディレクター:そうですか。

Aimer:そのときも誰も私のことを責めたりしなかった。それは本当に大きかったですね。

ディレクター:大変つらい思いもあったり、逆にファンの皆さんの温かさをより感じることができたライブがあった後に始まった「DAWN」というツアー。大阪会場がオリックス劇場になっていて、1年前の心斎橋BIGCATからはキャパシティーがざっと3~4倍ぐらいになっているわけですよ。

Aimer:そうですね。

ディレクター:自分が、ちょっと大きくなってきているんだ。という感覚みたいなのは、そのときありましたか?

Aimer:会場の大きいところでやれるのは純粋にうれしかったし、もっともっとたくさんの人に届けたいっていうのは思っていました。だから、そのツアーでそうやって広い会場でやれて、すごくうれしかったですね。

ディレクター:「Maiden Voyage」が終わって、「DAWN」のツアーを迎えるにあたり、いろいろ乗り越えてきてすごい楽しみだっていう気持ちも大きかったと思うんですが、この「DAWN」のツアーに関しての思いはどうでしたか。

Aimer:前のツアーの様なアクシデントは絶対起こさないぞ、っていうのは一番にありました。ちゃんとツアーを周りきりたいなという思いがありました。

ディレクター:この「DAWN」のツアーは、ここからが”夜明け”をイメージしたツアーになっていたわけで、やはり自分の中でも、終わってみて何かそういう”夜明け”みたいな手応えを感じるものにはなりましたか?

Aimer:このツアーは会場の規模も含めて、「Live at anywhere」の延長みたいですよね。

ディレクター:金沢が21世紀美術館で、福岡は神社の能楽堂だったり。

Aimer:そうです。そういう小さい会場ではアコースティック編成でやりつつ、大阪や東京のホールではバンド編成でやるというツアーだったので、編成的にも、音楽的にも得るものがありました。グルーブがこんなに変わるんだとか、自分の中でのライブに対しての向き合い方、会場の広さやステージの大きさに合った立ち振る舞いというのを、考えた部分もありました。新しいことにどんどん挑戦していって、だんだんそのときのAimerのライブのスタイルが確立されてきたのかなと思います。夜明けを迎えるのにちょうどいいタイミングで、”自分の中”でやるライブはここで完結したのかなという感じは少しありました。

ディレクター:それまでの、「自分の作品を鑑賞してもらう」というよりは、もっとライブというものをお客さんやバンドメンバーと作る、というところが自分の中で明確になったんですね。

Aimer:そうですね。これから先のライブを意識し始めたころだったかなと思います。

デビュー5周年。初の武道館ワンマンライブで感じた事。

ディレクター:2016年はデビュー5周年の年で、先ほどホールでのライブという話が出ましたけど、ここで初めてホールツアー「like a daydream」、11会場11公演という長いツアーが始まります。このツアーの初日9月21日に『daydream』のアルバムが出ていて、このアルバムのツアーという形になりますね。
アルバムには、ONE OK ROCKのTaka、RADWIMPSの野田洋次郎、andropの内澤崇仁、スキマスイッチ、阿部真央などなど、いろんな人に提供された曲が入っています。私もこの「like a daydream」のツアーを見せていただいて、ライブの雰囲気もそうだし、何よりMCが一気に明るくなったと感じたライブでした。

Aimer:本当ですか。自分ではあんまり覚えてないんですけど、そうでしたか?

ディレクター:本当にそれまでは、喋り方もボソボソっと。

Aimer:たしかに。たぶんこれを読んでくださっている方で、当時のライブをご覧になっていない方は想像ができないかもしれないですが、結構照明も暗くて、何がどこにあるの?ぐらい暗かったんです。

ディレクター:さっきの「DAWN」までの「夜を歌う」というコンセプトもあっての演出だろうと思いますが。

Aimer:はい、そうですね。振り返ってみると、今は舞台を明るく照らしていますけど、確かに照明演出をしっかり入れ始めたのってこの時期のツアーぐらいかもしれないですよね。最初はすごく戸惑ったのを覚えています。

ディレクター:明るい照明にですか?

Aimer:「えっ、大丈夫ですか?」っていうぐらいだった。こんな明るいところに私出ていいのかなって、戸惑っていました。

ディレクター:でもちょうどこのころ、デビュー5周年の特番をFM802でやらせていただいた時に、Aimerさんからスキマスイッチに、ライブで盛り上がれる曲を欲しい。とオーダーされて、「Hz(ヘルツ)」っていう曲が生まれたっていう話がありました。ということは、そういう明るい照明も想像はしていたわけですよね。

Aimer:そうですね。「DAWN」のツアーで、いろいろやり尽くして、今の全部をやったって感じがあったので、次は一緒に盛り上がるものをやりたいというのは本当に自然な欲求でした。当時の私の楽曲にはそういう曲がないなって思っていました。実際に「Hz」が出来上がった段階でも、そのときはまだあおったりとかお客さんと一緒にライブを作ったりっていうのに全然慣れてなかったので、この楽曲の持つイメージを私1人でどんな風に表現すれば良いんだろう、という心配はありました。ただ、アルバムも今までのAimerをいったん壊して新しい光の下に行くっていうコンセプチュアルなアルバムで、だから『daydream』という名前だったし、白昼夢をみんなで見たいっていうアルバムだったからできた挑戦でしたね。

ディレクター:お客さんをあおっていくパフォーマンスは、このライブ中につかんでいったという感じですか。

Aimer:そう思います。まず大きな声を歌以外で出すっていうこと自体が、自分としても慣れてないし、お客さんの力がないとできないことなので。本当にこのあたりの時期から、ファンの方に一緒にライブを作ってもらって助けてもらっている。という実感がありましたね。

ディレクター:「like a daydream」のツアーを終えて2017年の武道館ライブに向かっていくんですけど、この「like a daydream」のツアーで得た手応えは、どんなことがありましたか?

Aimer:今まではしっとり夜の中で座って歌うのがメインだったので、まず立って全編歌うことがなかったんです。すごくライブというものが面白くなりました。今までもライブは面白かったんですけど、パフォーマンスとして自分にはこんなにもこれから伸ばせるポテンシャルがあるんだっていうこと、立ち上がって体を動かして、体全部で歌を作るっていうこと。このツアーが終わって、その最初のスタートに立ったという感じでした。

ディレクター:それは僕もすごく感じました。そしてLive in 武道館、2017年の「blanc et noir」が、初の武道館でのワンマンライブということで、360°のステージでしたね。

Aimer:はい、そうです。

ディレクター:武道館で「ONE」を初披露したときに「あ、Aimerさんのライブが今後絶対楽しくなるな」っていうのをすごく感じました。

Aimer:本当ですか。うれしいです。

ディレクター:初武道館のことは、覚えていますか?

Aimer:非常によく覚えています。もういっぱいいっぱいでした。本当にいいタイミングで武道館というステージを経験できたと感じています。夜が明けて、いろんな人と今の自分を壊して、それで新しい光の下に出てきて。「ONE」というのが、ここから一歩踏み出すっていう意味の「ONE」だったんです。だから、その「ONE」を武道館のアンコールで初めて披露したにもかかわらず、みんながあんなに手を挙げてくれた時、今まで感じたことのない感動がありました。音楽をちゃんと作品として届けるという、自分の中で完結する音楽とはまた違う、みんなと双方向にベクトルが行き交っている音楽、そのパフォーマンス、ライブってこんなに感動するんだと、そこで思いましたね。

 


【後編】はここから読めます
https://news.radiko.jp/article/station/802/74955/

■Aimer OFFICIAL HP:https://www.aimer-web.jp/
■FM802 OFFICIAL HP:https://funky802.com/

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【公演概要】
「Aimer 10th Anniversary Final "Cycle de 10 ans" 」

<神奈川公演> ぴあアリーナMM
10月1日(土) 開場/開演16:30/18:00 
10月2日(日)  開場/開演14:30/16:00
<大阪公演>   大阪城ホール
10月15日(土)  開場/開演17:00/18:00
10月16日(日)  開場/開演15:00/16:00
チケット価格:【全席指定】8,800円(税込)

<チケット一般発売>
発売日時:9/10(土) AM 10:00〜
プレイガイド:
 ローソンチケット
https://l-tike.com/aimer
 チケットぴあ https://w.pia.jp/t/aimer-10thfinal/
 イープラス https://eplus.jp/aimer/

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【リリース情報】
■Digital Single「オアイコ」8/22 AVAILABLE NOW
 
https://aimer.lnk.to/Oaiko

■映像作品『Aimer Hall Tour 2022 "Walpurgisnacht" Live at TOKYO GARDEN THEATER』2022/9/7 on sale
 
https://aimer.lnk.to/FS90U4
・完全生産限定盤(ファンクラブ限定盤)<BD+CD+ブックレット+FC限定上製本> 品番:VVX8-12~15 価格:¥12,100(税込)
・初回生産限定盤<BD+CD+ブックレット> 品番:VVXL-110~112 価格:¥9,900(税込)
・初回生産限定盤<DVD+CD+ブックレット> 品番:VVBL-170~172 価格:¥9,900(税込)
・通常盤<BD> 品番:VVXL-113 価格:¥7,700(税込)
・通常盤<DVD> 品番:VVBL-173 価格:¥7,700(税込)

■新曲「Ivy Ivy Ivy」が10/7(金)よりAmazon Prime Videoにて独占配信となるAmazon Originalドラマ「結婚するって、本当ですか」の主題歌に決定!
予告編映像:
https://www.youtube.com/watch?v=wvHsFJJyh50&feature=youtu.be

■デビュー10周年を記念したミニアルバム発売決定!
2022.12.14 on sale! 

https://aimer.lnk.to/1214AL

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ナイツ・塙宣之

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ジャイアンツは、ベテランが抜けて若手主体のチームになりました。原前監督が育てた選手と阿部新監督が獲ったルーキーが融合して、今年は本気で優勝するんじゃないかと思っています。ライバルの球団、特に阪神は強いでしょうけど、連覇はプレッシャーもかかるので。
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