【スペシャルインタビュー】槇原敬之、ニュー・アルバム『Design & Reason』を語る。

槇原敬之スペシャルインタビュー(撮影:井上祐太) ©bayfm

槇原敬之が2年2か月ぶり、22枚目となるニュー・アルバム『Design & Reason』をリリース!
2月のbayfmタイムテーブルはそんな槇原敬之の”イマ”を大特集。
今回は、タイムテーブルに掲載しきれなかった部分も含めた”エディターズカット版”を2回にわたり大公開です。
インタビュー前半の今回は、アルバムについてや、ご自身の人生観に迫ります。

「すべての事象・人・物はすべからく何か意味をもって現れているのではないか。」それが今回のアルバムのテーマです。

実際にアルバム制作を行ったご自身のスタジオで。(撮影:井上祐太) ©bayfm

 

―『Design & Reason』いろいろ考えさせられるタイトルです。アルバムに込められた想いを教えてください。

 「産んでくれって頼んだわけじゃねえや」ってよく聞く言葉ですけど、そうではなくて僕らは頼んで生まれてきているんじゃないか、そういうところから話が始まりました。きっと生まれてくる時に、神様と綿密な計画を立てて…「これこれこういう形をして、こういう人たちの間に生まれて、こういう人生を歩んで、幼少期はこういうことになりますがそういうことも乗り越えて、今こういうことをやりたいと思っている。でも君がやりたいそういうことをやるためには道は結構厳しいぞ」…というような内容を言われて……言われたのか言われてないのかわからないけれども、想像をいろいろ巡らせて、それでも「やります」と言って生まれてきたというふうに考えれば、別に生きてきたこと自体に意味なんか探さなくても、もう生まれてきた時点で文句言うことなんてできないじゃないですか。

―2018年のツアー時にも、MCでそうおっしゃっていましたね。

 「すべての事象・人・物はすべからく何か意味をもって現れているのではないか。」それが今回のアルバムのテーマです。まさに自分がそう思って生きているので、それがストレートに表現されたアルバムだと思います。
 これは余談なんですけど、うちの父親が死んだ後なにも残らないっていう、わりと無神論者で。「お父さん、そんな生き方したら死んだ後に地獄に堕ちちゃうよ」 って言ったら「地獄なんてあるかどうか分からないからそんなものは信じない」 って言うんですね。だけど僕が今大事にしているのは「それが本当にあるかどうかなんてどうでもいい。それがあると思って生きたほうが人と人が関わっていく中で絶対に得をするよ。」ってこと。他人に愛される自分になるような考え方を選んで生きていったほうが絶対にいいにきまってるよねと思って。たとえそうじゃない生き方をしている人も、きっとそうじゃない生き方をしている人同士の中で共感しあいながら生きてるんじゃないかなと思ったんですよ。
 話は前後するんですけど、「生きることに意味なんかねえんだよ。」っていうスタンス、それはそれでOKで、でも僕が発信するのは「理由があって、意味があって今ここにあるんです」ということ。みんな現在をすごくファジーなもののように捉えるんだけれども、なんのことはない、今までの結果なんです。そういうふうに捉えてったほうが面白いかなって。
 

 

 

「(歌詞に書いたものが)本当かどうか自分の中で確信にならない限り楽曲にはしない」というのがあって。逆に言っちゃえば「そうだ!」と感じたのであればそれが間違っていようがそうでなかろうが表現しちゃっていい。

インタビュー中の槇原さん。(撮影:井上祐太) ©bayfm

 

―アルバムに収録された10の楽曲、具体的なシチュエーションから哲学的な思考まで、様々なものが描かれていますが、ふだん楽曲制作をされるときの着眼点・きっかけは何ですか?

 前回のアルバムから2年間休んじゃったので、その間に書き溜めてたものもあったんですよ。もちろん新たに作詞したものもあったりして。書き溜めていたものはやはりなかなか楽曲としての形にならなくて書き溜めていたものではあったので。
 僕もともと“作りきり”の人なんですよ。だからアルバム全部作ったら僕、もう未発表曲ないんです。皆さん作り溜めておられると思うんですけれども、僕溜まらないんです(笑)。もっとup-to-dateで物事を進めていってるというか。

―そうなんですか!?

 なんか自分の中の大義名分というか、「(歌詞に書いたものが)本当かどうか自分の中で確信にならない限り楽曲にはしない」というのがあって。これは僕たちの特権だと思うんですけど、逆に言っちゃえば「そうだ!」と感じたのであればそれが間違っていようがそうでなかろうが表現しちゃっていいと思うんですよ。だから『キボウノヒカリ』なんかは2年間くらい歌詞のまま寝かしてあって。寝かしているものもあれば、日頃生きていて「こういうことを歌にしたいな。」というものもあったり。
 あとは、『Who cares?』をやっていく中でやりたいと常々思っていたこともあるんですが、「具体的な描写はするんだけれども“何”とは言っていない」みたいな歌詞も書きたいなとか。かと思えばバーっと具体的に書いたりとか。“ヨリヒキ”みたいな…目の悪い人ならわかると思うんですけど、見える時と見えない時の差を両方歌詞にしてみたところはありました。

―なるほど。

 そうやってできた楽曲たちを、今回は「これはささやかだな」とか「これはすごく宇宙的だな」みたいな大小の枠を取っ払って全部をひとつに並べてみたんです。このアルバムには、架空の国が出てくることもあれば自分の町内で見た景色が出てくることもあるんですね。「自分が大事だと思うこと以外は書かないでおこう」というところがすべての歌詞に共通しているので、今それらが自分の中で差がないんです。もう同列。タイトル曲『Design & Reason』も『微妙なお年頃』も自分の中では並列というか。
 それから、歌詞を書きたいなと思ったときの空気感・温度感が壊れるようなメロディーだったりアレンジだったりにはしたくないというこだわりは持って制作に臨みましたね。リリースされた後は、受けた聴く人それぞれ感じて聴いていただければいいんですけれども、自分の中で作詞したときの感じがキープできないものは絶対やらないっていう。

ーそれはレコーディング・ミックス・マスタリングなどのプロセスにおいても?

 続きます、続きます!最近ずっと1人で打ち込みでの楽曲制作してたんですけど、今回久しぶりにマニピュレーターさん(※電子楽器や打ち込みサウンドを生演奏の中に取り入れて、調整する人)に手伝ってもらったんですね。昔からよく知っている方なんですが、たとえその彼が作った音であっても歌詞の空気感をそぐような音だったり音楽の世界観を壊す音に対しては、見つかるまでその場で探すか、それでも気持ち悪さが残る場合は自分でスタジオに持ち帰って、その部分を修正したりしていました。そういうことの繰り返しでしたね。
 だから曲としてバーンと「いいよね!」とかって言うよりは、印象派の人が描きたい風景を写真に撮って家に持って帰って絵を描くときに、自分の中で印象に残ったものをどう描くか?ということにだけ集中したアルバムですね。
 

―アルバム・ジャケットも印象的です。パッケージに込められたDesign & Reasonについて教えてください。

『Design & Reason』ジャケット。はシングル「記憶」に引き続き、BEAMS クリエイティブの竹中智博氏によるデザイン。山本忠敬氏の絵本「ず かん・じどうしゃ」「はたらくじどうしゃ 2 」からイラストを引用することで、新しさの中にどこか懐かしさを感じる、 本作にぴったりのデザインに仕上がった。 ©WORDS & MUSIC

 

―アルバム・ジャケットも印象的です。パッケージに込められたDesign & Reasonについて教えてください。

 今回も昨年リリースのシングル『記憶』に引き続き、BEAMSクリエイティブチームの竹中さんにお願いしています。僕自身服飾が好きなので、BEAMSさんとのコラボはエキサイティングなことだったんですが、今回出してきてくれたアイデアがすごく面白くて。まさかこうくると思ってなかったんですよ。車だなんて!
 理由を聞いてみたら面白いこと言う人で、「『Design & Reason』を人間じゃないものに置き換えたらなんだろうか?と考えたら車だった。」って。例えば除雪車はこういう形をしている、ゴミ収集車はこの形をしている、スポーツカーはこういう形をしているっていうまさに「その形になるにはその理由がある」と言うアルバムコンセプトにぴったりだと。僕はBEAMSさんだから「絶対に洋服でくる」って思っていたんですよ。そうしたら車できたのでこれは面白いと。さらに皆さんなじみのある山本忠敬さんのイラストの許諾も得ることもできて。

ーこうしたデザインにアルバムが受けた影響ってあるんですか?

 まずデザインが出てきた時点で「これ!」という感じでした。なおかつ、ニューアルバムなんだけれども90年代の僕を感じるな、という部分がジャケットに合うよねって感じはありますよね。ギンギンの「2019年の槇原敬之はこれだ!」っていうよりは、槇原敬之の世界観をもう一度槇原敬之自身がパロディした、という感じの楽曲の質感も『Design & Reason』にはあるので。アルバムを制作する中でもモチベーションになりました。だからジャケットデザインとアルバムの中身がお互いにいい感じにエコーをしあっていると思います。

 音楽だけでなく、ビジュアルデザインに関しても、こういう人と仕事ができる自分はラッキーだな、と思っていて、僕と全然違う畑の人が、僕の音楽を昇華したらどういったものになるんだろう?という所には引き続き興味があります。

 

アルバムについて、現在のご自身の心境について濃厚に語ってくださった槇原敬之さん。
後半では、番組『Who cares?』や、その多彩な選曲に見られる音楽観について、たっぷり語っていただきます。

後半記事はこちら!

【アルバム情報】

「Design & Reason」
2019年2月13日(水) 発売
品番:BUP-00018
価格:3,000円(税別)

槇原敬之Official HP:https://www.makiharanoriyuki.com/

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Who cares?
放送局:bayfm78
放送日時:毎週日曜 17時00分~17時53分
出演者:槇原敬之
番組ホームページ

「Who cares?」とは… 槇原敬之が流行りやジャンルを気にせず、その時々の気分で聴いてもらいたい曲をセレクトする番組。
毎週1つのテーマを元に、槇原自身が選曲した楽曲とトークを繰り広げます。

※放送情報は変更となる場合があります。

高級ハンドソープ、使わないスパイスでオシャレ感…みんなの“生活感の隠し方”

東京の声とシンクロするTOKYO FMの番組「シンクロのシティ」。ボイス収集隊が東京の街に繰り出し、さまざまな人々に声をかけ、ひとつのテーマについてその人の意見や思いを聞き出します。その声を聴き、リスナーとともに考えるのはパーソナリティの堀内貴之。

5月14日(火)放送のテーマは「隠したい生活感」でした。「見せる収納術」や「ミニマリスト」という言葉にあるように、今の時代は洗練されたおしゃれなライフスタイルを過ごす、という方向に向かっています。そのなかで「生活感」はカッコ悪いという価値観も出てきていますが、生活感を隠すために実際どのような努力をしているのでしょうか。街の人に聞いてみました。

※写真はイメージです。



テーマ「隠したい生活感」

◆ゲストが来たら高級ハンドソープに変更

「普段は洗面所に歯ブラシとか基礎化粧品とかが置いてあるんですけど、人が来たりすると棚に一気にしまって物がない状態にします(笑)。あと、普段だったら100~200 円のハンドソープを使ってますけど、ジョー マローン ロンドンとかモルトンブラウンとか、海外のブランドものにします。

普段は絶対に使わないんですけどね。やっぱり最近の風潮って、子どもがいても全部完璧にっていう感じがあるじゃないですか。だから気にしますよね(笑)。それなりにやらないと、イケてない人みたいになるから」(35歳/女性/会社員)

◆スパイスを試験管に入れてオシャレ感を演出!

「キッチンまわりであれば、スパイスを試験管に入れ替えたりしてオシャレ感を演出しています(笑)。ナツメグとかベイリーフとか全然使わないんですけど、ほぼ見せる用で(笑)。既製品のラベルが並んでいるよりも統一感が出るので、買ってきた容器に移し替えてます(笑)。

コンビニとかで買った安いクッキーとかでも瓶に移し替えたらオシャレ感が出るので。限られた場所でどうやって住み心地の良さを追求するか。これが頭を使うトコですね。

過剰に気を使うといろんな物が目についちゃうので、人を家に呼ぶときに片付ける! っていうくらいのサイクルでやってます」(28歳/男性/自営業)

◆靴やバッグはハイブランドで

「洋服が好きで、ズボンとかはユニクロとかなんですけど、ほかをハイブランドにして、ズボンも高く見せてます(笑)。靴はバレンシアガ、バッグはグッチにして全体を高く見せるようにしてます。

靴下も、チラ見せするときだけいい靴下を履いて(笑)。ジャスティン・ビーバーの私服とかもコンビニに行くだけなのに、すげーなと思うくらいキメてるので(笑)」(20歳/男性/大学生)

◆ある程度の生活感は許しあいたい

「物を隠したい場所はリビングルームです! ゴチャゴチャ感が出ちゃうのでスッキリ見せたい。たとえば、野球関係の物。巨人ファンです(笑)。なかでもカレンダーがありまして、毎日の試合が一覧でわかるようになっていたり、選手のものを貼っていたり。

孫の家族が来るときは孫たちが広く遊べるようにしたいので、それを空いている別の部屋にブチ込みます(笑)。やっぱりスッキリしたお家は居心地がいいし! でも、長く居ると落ち着かなかったり緊張感があったりしますよね。

ゴミひとつ落とせないような感じで(笑)。だから、ある程度の生活感は許しあいましょう(笑)」(60代/女性/元グラフィックデザイナー)

◆カーテンでフィギュアを隠してます

「自分はフィギュア集めが趣味なんですけど、それを隠すためのカーテンがあったりします。鉄道とかが好きで、模型がずらーっと並んでるんですよ。でも、人が来たときに趣味が見えちゃうと、生活感が丸見えなんで。

これからアロマを買いに行こうとしてたんですけど、匂いも雰囲気作りに大事。バラとかお花系の香りを漂わせることによって生活感を隠してますね。いい生活してるんだなっていう、いいほうの印象をつけたいので(笑)」(20歳/男性/大学生)

【「生活感をなくす」のは日々の心地よさの演出】
街でみなさんの話を聞いていると、「隠したい生活感」とは「オシャレに変換したい(思われたい)部分」でもあるよう。また、自分自身が日々心地よく過ごすための工夫でもあり、生活感をなくすための努力にはそれぞれのこだわりも感じました。

「生活感」がダメなわけではありませんが、オシャレで洗練された生活を演出することは、だらけてしまいがちな日々の背筋を伸ばす、そんな行為なのかもしれません。

<番組概要>
番組名:シンクロのシティ
放送日時:毎週月~木曜15:00~16:50
パーソナリティ:堀内貴之
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/city/

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