統計史上最速の梅雨明けで今年は暑くて長~い夏になりそう?

FM FUJI毎週月曜にオンエアの『ACTUS』内コーナー「social issues watching」では注目されている社会問題・出来事などをピックアップして紹介していきます。今回は「今年の猛暑」について。関東甲信地方で統計史上最速で明けた梅雨の原因やさまざまな現象がもたらす猛暑の影響について甲府地方気象台に取材しました。

関東甲信地方で観測史上最速の梅雨明けとなった原因は?

夏の太平洋高気圧がいつもより早く南から強まって梅雨前線を北へ押し上げたためです。天気図上では梅雨前線は東側ほど北へ上がっているように見えますが、これは太平洋高気圧が東ほど強いことを示していて、関東甲信地方が西日本より先に梅雨明けした要因だということです。

猛暑をもたらす「フェーン現象」とは

なぜ山梨で猛暑日が続くのか、それは日本列島の南側にとどまっている太平洋高気圧が北へ強く張り出し甲信地方は暖かい空気に覆われたことと、高気圧の縁では南西方向から強い風が吹いていて、アルプスの山を越える際にフェーン現象により、より高温になって盆地へ突きおろした可能性があるとのことです。

フェーン現象とは ・・・
山脈を越えて吹く風が、山を越えるときに水分を失い反対側の斜面を乾燥した高温の風となって吹き降ろす現象のこと。山に囲まれている山梨県ではこのフェーン現象の影響をまともに受け猛暑になっていると考えられます。

今年は長~い夏になりそう

3か月予報によると「ラニーニャ現象」などによって、大陸から張り出す上空のチベット高気圧が平年より北に偏ります。太平洋高気圧の北への張り出しが強くなる傾向となっていて、現在同様に気温の高い状態が継続する恐れがあるとのことです。

ラニーニャ現象とは・・・
太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より低い状態が続く現象をラニーニャ現象と呼びます。日本を含め世界中の異常な天候の要因となり得ると考えられています。

こまめな水分・塩分補給と適切なエアコンの使用、そして栄養のあるものを食べて、しっかり寝る!みんなで健康にこの夏を乗り切りましょう!
 

ACTUS
放送局:FM FUJI
放送日時:毎週月曜~火曜 7時00分~11時53分
出演者:宍戸美憂、KOUSAKU
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10年間で5兆円投資“国産旅客機”再挑戦 「技術におぼれるな。いいものが売れるのではなく、売れるものがいいものだ」石川和男が指摘

政策アナリストの石川和男が4月20日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送Podcast番組「石川和男のポリシーリテラシー」に出演。経済産業省が3月27日、次世代の国産旅客機について、今後10年間で官民あわせて約5兆円規模の投資を行うと公表したことについて「いいものが売れるのではなく、売れるものがいいものだ」という認識が必要だと指摘した。

スペースジェットの開発状況を視察した際の赤羽国交大臣(当時)令和2年1月19日  ~国土交通省HPより https://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_007313.html

経済産業省は3月27日、大臣の諮問機関である産業構造審議会の会合で航空機産業戦略の改定案を示した。そのなかで、次世代の国産旅客機について、2035年以降の事業化を目指し、今後10年間で官民あわせて約5兆円規模の投資を行うと明らかにした。国産旅客機の開発をめぐっては2023年2月、約15年かけて国産小型ジェット旅客機「三菱スペースジェット(MSJ/旧三菱リージョナルジェットMRJ)」の事業化を進めていた三菱重工業が事業からの撤退を表明している。

MSJの事業撤退表明から約1年、一部では「唐突」との声もあがるタイミングで政府が官民あげての国産旅客機事業化を掲げたことについて、ゲスト出演した元桜美大学客員教授で航空経営研究所主席研究員の橋本安男氏は「私は唐突とは思わない。(MSJの開発は)8合目まで行ったと言われているが、開発費を使い過ぎて事業性のめどが立たなくなって、撤退を余儀なくされた。ただ、それまでに獲得したノウハウや技術を無駄にするのはもったいない。放っておくと無くなってしまうので、残っているうちに糧にして次のステップに進むべきだ」と、今回の政府の戦略案を評価。一方で、世界では脱炭素を目指し、水素燃料電池を使った航空機の試験飛行が始まっているとして「日本にはスピード感が足りない。国が支援してでも、早くローンチ(販売や提供の開始)しないといけない」と指摘した。

また、約15年かけて事業化を進めたMSJが撤退を余儀なくされた背景について橋本氏は「市場の見極めに疎かった。ものづくりはすごいが、インテグレーション能力=事業を可能にする能力が足りなかったのだろう」と述べ、原因のひとつとして「最初に作った『M90(旧MRJ90)』が、アメリカのパイロット組合が設ける重さ39トン、座席数76席という“スコープ・クローズ”(航空会社とパイロット組合の契約の一部で、リージョナル航空機の機体重量や座席数などの制限値を定めたもの)の条項を見誤った」と言及。「製造過程で、この問題が解消されたと勘違いしていたことが大きかった。新たにこの条項に適合した『M100』を設計しなおしたが、『M90』の製造にかかった5000~6000億円と同等のコストが再度かかるという負担が重く、頓挫した」と経緯を詳細に述べた。

石川がアメリカの型式証明取得をめぐって、当局に「いじわるされたのでは?」との見方を指摘すると、橋本氏は「それはうがちすぎだし、負け惜しみ。謙虚になるべき」ときっぱり。「ブラジルやカナダのメーカーは、アメリカのボーイング社と競合するような機体でも、ちゃんとアメリカの型式証明を取っている」と指摘した。

石川は、今後の国産旅客機開発の再挑戦について「日本は技術的に素晴らしいものがたくさんある。航空機以外にも、携帯電話やスマートフォンも本当は技術的にはすごいのに、技術におぼれてしまってコストをかけすぎてしまって、“こんな高いもの、高いレベルの機能はいらない”となってしまう。いいものが売れるのではなくて、売れるものがいいものだ」と持論を述べた。

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