日本初、産学官でオーガニックワインを推進する団体が山梨県に

渡辺麻耶が木曜日のDJを担当するFM FUJIの番組『Bumpy』(毎週月曜~木曜、13:00~18:50)内のコーナー「CLOSE UP TODAY」(毎週木曜、17:35~)。7月21日のオンエアにフリージャーナリストの松田宗弘さんが出演し、オーガニックワイン(有機ワイン)について解説しました。

松田:今日は、ワイン生産量日本一の山梨県に、農薬や化学肥料の使用をできるだけ減らすオーガニックワイン(有機ワイン)の研究・普及を推進する産学官の団体が先月、設立されたお話です。このような団体は国内初だそうです。

麻耶:オーガニックワインはよく目にしますよね。改めてオーガニックワインというのはどういうものなのでしょうか

松田:容器、ボトルに「オーガニックワイン」「有機ワイン」の表示があるワインは、国税庁の「酒類における有機等の表示基準」に基づき、材料の95%以上(重量ベース)が農林水産省のJAS法に基づく「有機農産物」であると、そう謳えるのです。また、輸入ワインも原産地国の有機の基準を満たしていれば謳えます。重要なのは農水省の有機農産物の定義。3つあって――(1)化学合成された農薬、肥料は使用しない(例外として、枝枯れするベと病対策の「ボルドー液」などは環境負荷があるが使用可。あとで詳しくお話しします)、(2)遺伝子組み換え技術を利用しない、(3)農業生産に由来する環境負荷をできるだけ低減――です。オーガニック、有機ワインといっても、農薬は必要最小限では使われ、野菜のような完全無農薬はありません。また、国税庁によると、日本では国内でとれた有機ブドウを使って国内で造られたオーガニックワインはほとんどないとのことでした。

麻耶:だから、オーガニックワインの研究・普及推進団体の設立が国内初たったわけですね。

松田:はい。団体の名称は「山梨オーガニックワイン推進コンソーシアム」。設立を立案し会長に就いたのは公益社団法人「やまなし観光推進機構」の理事長で、山梨県立大特任教授の仲田道弘さんです。仲田さんに設立理由を伺うと、「明治初期に日本がヨーロッパから導入した醸造用ブドウは、病害虫でいったん全滅し、昭和に入り、ワイン醸造が甲府から全国へ広がった。そこで、雨が少ない地中海性気候で育つブドウが、高温多湿な日本でも収穫を可能とするため、農薬や雨よけを導入しました。その後、日本ワインは世界で高く評価される品質になったが、農薬を使うワイン造りのままでいいのかと疑問を感じ、団体を立ち上げました。オーガニックへの取り組みは、1980年代からフランスなどで始まり、今や世界的なテーマになっています」というお話でした。

日本はオーガニックワインを世界で一番輸入している

麻耶:国内外のオーガニックワインの生産と消費の市場はどうなのでしょうか。

松田:パリに本部があるワイン製造の政府間組織「OIV」によると、2019年のオーガニックブドウの世界の栽培面積は、全ブドウの面積の6%強。2005年以降は年平均13%で増え、ベスト3はスペイン、フランス、イタリア。仲田さんによると、この3カ国は、各国の全ブドウ栽培面積の約10%がオーガニックの栽培面積で、日本は0.5 %にも満たない。国産オーガニックワイン用ブドウのワイナリーは北海道、長野で10軒ないぐらいで、山梨はゼロ。生産面では日本は非常に遅れています。一方、オーガニックの消費市場の国別シェアは、英国の調査会社「IWSR」によると、ドイツ6%、フランス4%、米国は1%。日本は国内生産がほぼゼロですが、輸入ワイン全体の1割がオーガニックで、世界で一番、オーガニックを輸入している国だそうです。メルシャン、アサヒビール、サッポロビールなどが供給し、1000円前後で買えますから。

麻耶:山梨オーガニックワイン推進コンソーシアムの具体的な活動の内容を教えていただけますか。

松田:当面の目標はICT(情報通信技術)を活用した減農薬システムの確立です。長崎知事、山梨大の島田学長、山梨中央銀行の進藤会長が応援団として参加、オール山梨の産学官連携で推進します。ブドウの病気には、枝が枯れる「ベと病」、「灰色カビ病」、雨で広がる「晩腐れ病」などがあるため、ワイナリー・農家向けに「ICTによる病気の予兆警報システム」を開発します。無駄な農薬散布を適時少量に抑えるため、散布の最適なタイミングを温度・湿度条件から判断して知らせるもので、昨年、着手しました。山梨大学ワイン科学研究センターと東京のICT企業のCCWと勝沼醸造の3者が先行して取り組み、ベと病対策のボルドー液の場合、散布回数を5分の1の年3回ぐらいまで減らす目標です。警報精度の検証を始めており、来年中に開発を終え、ワイナリー・栽培農家30軒へ導入を目指します。金融機関の融資も準備し、参加者には年間60万円でシステムを導入、運用指導を受けてもらい、3年で農薬散布のノウハウを習得してもらう流れです。

麻耶:オーガニックワインの普及推進の課題を松田さんはどうお考えですか。

松田:仲田さんによると、最大の課題は畑に銅を蓄積させるボルドー液をなくせないこと。動植物への影響や地下水汚染などが問題なのですが、べと病対策でこれに代わるものがないので使用量を減らすしかない。欧州では2019年以降、1㌶当たりの年間散布量を6キロから4キロに減らしました。しかし、日本は使用制限がなく、欧州の倍以上を使っているようです。そこで、団体=コンソーシアムは散布回数を5分の1に減らそうとしているわけです。合理的な目標です。しかし、ほかにも課題はあります。団体としては、ICTシステムではまだ、晩腐れ病の感知ができておらず、ほかに、システム全体の精度を上げるため、多くの参加者を募り、様々な地域の気象状況と病原菌の発生状況との関係を明らかにする必要があるそうです。また、ワイナリー・栽培農家を対象に、国内外の取り組みの先進事例をセミナーなどで周知を図ります。実はこの点は非常に重要だと思います。生産者の意識が変わらないと、減農薬の取り組みは前に進まないからです。「知るところから始める」で意識を変えつつ、並行して対策を急ぐ――このことが重要だと思います。

Bumpy
放送局:FM FUJI
放送日時:毎週月曜~木曜 13時00分~18時50分
出演者:鈴木ダイ(月)、上野智子(火)、石井てる美(水)、渡辺麻耶(木)
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(監修:東京・池袋占い館セレーネ所属・石川白藍(いしかわ・はくらん)さん)





■牡羊座(おひつじ座)
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■監修者プロフィール:石川白藍(いしかわ・はくらん)
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