山梨目線で2022年のニュースを振り返る

渡辺麻耶が木曜日のDJを担当するFM FUJIの番組『Bumpy』(毎週月曜~木曜、13:00~18:50)内のコーナー「CLOSE UP TODAY」(毎週木曜、17:35~)。12月29日のオンエアにフリージャーナリストの松田宗弘さんが出演し、2022年の重大ニュースを振り返りました。

甲府市中心街のシンボル「岡島百貨店」の移転縮小と再開発計画

麻耶:岡島百貨店は創業180周年を迎える山梨県の唯一の百貨店と伺っていますが、移転縮小と再開発計画を改めて教えていただけますか。

松田:この計画が発表されたのは7月28日です。まず、岡島は甲府中心街の山梨中央銀行本店の東隣にありますが、移転先はそこから北西方向に100㍍ぐらいの商業施設「ココリ」の地下1階から地上2階の3フロアになります。規模は今の岡島の7分の1ぐらい。岡島は創業180周年を迎える来年3月に「ココリ」へ移転し、食品や化粧品、衣料品、リビング用品などの売り場で構成する新しい「岡島」として新装オープンします。

麻耶:今の岡島はどうなるのでしょうか。

松田:東京の不動産総合ディベロッパーの「タカラレーベン」という企業が、現店舗の跡地を取得、地上28階建ての高層マンション(360戸)と、何階建てかは不明ですが、隣に別棟のビルを1棟建て、商業施設が入居します。オリオン通りに面する1階に広場、屋上には緑の広場を設置、建物に車のまま乗り入れられる駐車場(約300台)を備えた「複合施設」だそうです。2028年7月に竣工予定で、関係者によると、商業施設は移転先ココリの岡島の店舗を補完するものになるそうです。

麻耶:岡島の移転はどのような理由からなのでしょうか。

松田:岡島に取材したところ、まず、建物の老朽化問題です。今の建物が昭和10年代のもので相当に古く、増床を何度かやって最後の増床が昭和63年でした。耐震化工事は一気にやると相当な金額になるので、少しずつやってきたといい、経営体力の面で耐震化工事への投資が厳しかったものと思われます。では、なぜ、完全な閉店でなく移転縮小にしたかというと、「岡島は甲府中心市街のシンボルなので、無くすわけにはいかないという使命から、ココリが空いていたので移転し、百貨店機能を残すことにした」という説明でした。ただ、県内経済に詳しい専門家は、「それでも、ランドマークだった岡島なので、県民の心理的な喪失感は大きい」と指摘しています。その通りでしょうね。

麻耶:全国的に百貨店閉店が時々ニュースになっていますが、百貨店という業態自体が時代に合わなくなっているのでしょうか。

松田:それはあると思います。興味深いレポートを一つ紹介します。約2年前に民間調査会社の東京商工リサーチ情報部の増田和史さんという方が書かれた記事です。「地場百貨店の再建を阻むひとつが老朽化問題。市街地の中心部にある地場百貨店は、一時は地域経済を代表する企業だった。が、地方都市の空洞化が進み、郊外に出店したショッピングモールなどに人が流れるのを止められなかった。さらに設備の老朽化も大きなハンディになり、古い設備の改修資金の捻出も厳しく、耐震工事の費用すらままならない。」岡島のことを言っているかのようですが、これは地方百貨店共通の問題です。私も産経新聞甲府支局時代に取材した際、関係者は口をそろえ、ショッピングモールが甲府中心街の衰退をもたらしたと指摘しました。要するに、お客さんを取られたと。甲府駅前からショッピングモール行きのバスが出ていますから。もちろん、甲府中心街がショッピングモールという「黒船」に負けないようにどんな集客努力をし、それを県と甲府市がどう支援したのかという過去の検証は必要ですが、この黒船が2019年の甲府駅前の山交百貨店の閉店と今回の岡島の移転につながったのは間違いありません。

麻耶:地方百貨店の抱える構造的な問題だったわけですね。松田さんは新生・岡島にどのような期待をされますか。

松田:岡島によると、「ココリ」は地下1階がスーパーや和菓子・洋菓子、お酒、進物・ギフトの食品売り場。1階は化粧品、婦人・紳士雑貨、ブランドショップ、2階は婦人服、紳士服、子供服、リビング用品と催事場などです。中でも化粧品、コスメですね、地方百貨店にはないぐらい有名ブランドを揃えるそうです。わざわざ東京まで買いに行かなくても岡島で買えるようにしてニーズに応えようというわけです。また、各フロアでは、季節のイベントや、1~2週間の短期間、高級ブランドを提供するとか、あるいは地域とコラボレーションした展開―これは雨宮社長の思いでもある―ということでした。閉店は残念でなりませんが、縮小の形であっても、何とか岡島が残ったことに意義があると思います。新生・岡島は新たな歴史を刻んでほしいですね。

ロシアのウクライナ侵攻による物価高騰の影響

麻耶:2つ目の「ロシアのウクライナ侵攻による物価高騰の影響」ですが、日常生活への影響が大きいということで重大ニュースに選ばれたのでしょうか。

松田:そうです。改めて、この戦争の理不尽さについて申し上げると、プーチン大統領の誤った歴史認識や価値観に基づく、非合理な侵略戦争、あるいはロシアという国家ぐるみのテロ・犯罪で、それにより大勢の人が無駄に命を落としている現実が今も続いていることに憤りと悲しみを感じます。その上で、戦争による資源価格の高騰が、世界経済から日本経済、県内経済から県民の日常生活にまで影響を及ぼしていることを自覚させられました。

さて、物価高騰ですが、民間調査会社の帝国データバンクの6月の全国調査では回答1701社のうち、4月以降に値上げしたか、実施予定の企業は68.5%。業種別では「飲食料品製造・卸売り」、「建材・家具など卸売り」がいずれも90%水準。企業からは「急激な円安やロシア問題などで尋常ではないほど価格が上昇している」などの悲鳴が上がりました。

その後について、帝国データバンク甲府支店を電話取材すると、12月26日に「2023年の景気見通しに対する県内企業の意識調査」をとりまとめたところでした。回答企業数(複数回答)は103社で、来年の景気懸念材料を聞いたとところ、「原油・素材価格の上昇」が約80%、次いで「物価上昇(インフレ)」が43%でした。

甲府支店の岩渕支店長は今年1年を振り返り、「ウクライナ侵攻による物価・資源価格の上昇と円安の進行で経済が混乱し、賃上げの必要も言われる中、人手不足も加わり、中小企業にとって難局に直面した1年でした。しかし、資源価格の上昇が80%というのは突出し過ぎ」と指摘、一刻も早くこの無益でバカげた戦争をやめてもらいたいです。

麻耶:本当にそうですよね。

新型コロナウイルス感染症の拡大

松田:コロナ感染も3年目で、コロナ疲れなどと言われますが、これまでで最多の新規感染者を出した今年8月の「第7波」―全国では1日の数が26万人を超え、山梨県では1600人を超えましたが、現在の「第8波」も連日、1000人超えで、第7波に近づいています。

そんな中、共同通信が11月中旬に発表した全国都道府県別の人口10万人当たりの感染者数で山梨県は722人で全国第7位と、これには驚きました。山梨の1日の新規感染者数は少なく推移していた印象だったので、「えっ。そんな上の方?」という感じでした。

麻耶:意外ですよね。なぜ、上位に入ったのでしょうか。

松田:県の新型コロナウイルス対策班に聞いてみたら、「上位10道県はすべて寒冷地なので、換気をみなさんしない、ということだと思います」と聞き、「なるほど。それなら仕方がないかも」と腑に落ちたのですが、3密が感染拡大の要因であることを改めて感じました。要するにコロナは飛沫感染、マイクロ飛沫感染、空気感染ということです。

麻耶:そうですよね。最近、オミクロン株の新しい派生型が確認されたそうですが、まだ、まだ、気が抜けませんよね。

松田:山梨県でも、新しい派生型「BQ・1」が先日、初めて確認されました。従来のBA・5に続く新種です。それで、ちょうどクリスマスの25日、私はオミクロン対応型のワクチンを打ったのですが、その際、医師に「BQ・1にも効くのですか」と聞いたのですが、「我々も分からないのですよ」という答えでした。

麻耶:新種の株だから仕方ないと思いますが、ワクチンを打っておいた方が安心ということですよね。

松田:そうです。一昨日、ワクチン接種率を県の対策班に聞いたところ、最新の数字で全国平均が37%、山梨は38%で若干上回っているとのことでした。接種率が伸びないのは30代以下の若い世代が打たないのが要因だそうです。

12月1日の前回放送の繰り返しになりますが、県の調査では、「山梨県の70歳以上の人で、4回接種を終えている人は、3回接種の人に比べて重症化リスクが半分程度、2回接種までの人と比べると9分の1に抑えられている」という結果が出ています。科学的データです。多くの人がこの数字を知れば、ワクチンへの信頼性が高まり、接種率が上がり、重症化リスクや他人にうつすリスクが減ります。ワクチン接種で副反応が強く出た人は除き、そうではなかった人は、科学的データに基づきワクチンを「正しく怖がる」べきです。

Bumpy
放送局:FM FUJI
放送日時:毎週月曜~木曜 13時00分~18時50分
出演者:鈴木ダイ(月)、上野智子(火)、石井てる美(水)、渡辺麻耶(木)
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菅井友香、振付家TAKAHIROと当時の思い出を語る!

サントリー生ビールpresents『菅井友香の#今日も推しとがんばりき』のゲストにダンサー・振付家のTAKAHIROが登場し、菅井と出会った時の印象からグループ最後の楽曲「その日まで」についてまで菅井との思い出を語った。

-TAKAHIRO「菅井さんは不器用なんです」-

菅井とTAKAHIROの出会いは2016年。欅坂46のデビュー曲「サイレントマジョリティー」の振り付けの時だったという。TAKAHIROは当時の菅井について、「菅井さんはいっぱい練習する子でした。いっぱい練習しましたね。『不協和音』の立ち方だけでとか、手の引っ張り方だけで、一時間ぐらいずっとやっていた」と当時のことを振り返った。

また、リスナーからの質問で菅井のグループ時代の最後の楽曲「その日まで」の振り付けにどんな意味を込めたのかについて問われたTAKAHIROは、「あの楽曲は全部が逆再生されるように作ってあったんですが、でも、過去のことだけではなく今の菅井さんが表現できることを大切に、前に進んでいけるように。菅井さんはいっぱい背負ってきましたので。だからそのリュックを一回置いて、ただただ走って風を感じられるように。そういう思いを込めて、振り付けをさせていただきました」と語った。

そんな「その日まで」はミュージックビデオの撮影中に釣りをしている人を待つために一時撮影が中断されることもあったという裏話も語ってくれた。

さらに、リスナーから菅井のパフォーマンスに関する裏話を聞かれたTAKAHIROは、「菅井さんは不器用なんです」と断言。しかし、その不器用さ故の長所があると語った。「不器用だけど、努力するという力を持っていた。感覚でみんながやれるところを努力で全部補おうとする。だから本当にその瞬間を任せたときに、ある程度までは要領のいい人が勝つんだけれども、そこから先の努力でもっと深めることができるから、ステージに立った時に誰よりも輝く瞬間がある」

菅井は、その様にやり遂げられたのはTAKAHIROの存在が大きかったと語り、「少年のような大人でずっと誰より近くにいてくださった」と当時TAKAHIROに感じていたことについて振り返った。

その他、「キミガイナイ」の振り付けについての話やTAKAHIROが櫻坂46の振り付けを考えるうえで一番大切にしていることなど、様々な話が語られた。そちらについては是非タイムフリーで

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