アメリカ発祥「X/Y/Z世代」って? あなたの世代の特徴は?

J-WAVEで放送中の番組『GOLD RUSH』(ナビゲーター:渡部 建)のワンコーナー「CURIOUSCOPE」。2月8日(金)のオンエアでは、“世代区分”について、早稲田大学助教&ライターのトミヤマユキコさんにお話を訊きました。


■アメリカ発祥「X/Y/Z世代」それぞれの特徴は?

日本では、「団塊の世代」「氷河期世代」「ゆとり世代」などの“世代区分”がありますが、海外では別の区分があります。トミヤマさんが紹介するのは、アメリカ発祥の「X/Y/Z世代」というもの。

トミヤマ:X世代は1960〜1970年代生まれの人といわれています。アメリカでは、ベトナム戦争、キューバ危機、ヒッピー運動など、盛り上がりと衰退みたいなものを10代で経験している人です。大人になると冷戦末期やソ連崩壊なども目にしています。
渡部:激動ですね。
トミヤマ:当時はテレビが爆発的に普及したので、直接経験していなくてもイメージとして頭に刷り込まれています。政治などと強く結びついていますが、失望も味わっている世代という感じですかね。

諸説ありますが、日本では「しらけ世代」「新人類」が相当すると言われています。高度経済成長や学生運動が盛り上がり、終焉を迎えるという、大きなうねりや失墜していく様を目の当たりにした、という点で共通しています。また、大きなうねりへの失望を知っているので、小さなものに関心が向きやすいとも言われているとトミヤマさん。また、オタクカルチャーが生まれたのもこのころと言われています。

トミヤマ:Y世代は、1980年代〜1995年頃生まれの人と言われています。デジタル環境がめまぐるしく変化しています。私はこの世代なんですけど、女子高生時代はポケベル、大学時代はPHSですね。初期の携帯を経て、卒業する頃にはスマホが入ってきました。アナログ感が残る機械の手触りも知っていますが、新しいテクノロジーにもどんどん触れている世代です。アップデートに忙しい時代だったかなと思います。

経済ではバブルとその崩壊を知っており、時代の波をうまく乗りこなす必要があったと振り返ります。安室奈美恵さんに憧れる「アムラー」が増えたのちに、タイプが違う「エビちゃん(蛯原友里さん)」や「もえちゃん(押切もえさん)」が流行したのも、この時代です。

トミヤマ:Z世代は1995年頃〜2000年代生まれの人を指します。
渡部:「新世代」ですね。
トミヤマ:生まれたときからある程度、デジタル環境が整っています。「デジタルネイティブ」と言われる世代です。SNSも余裕で使いこなしますし、基本的に常時接続という状況で生活しています。

特に日本では「不景気がデフォルトなので消費行動は堅実」とトミヤマさん。最大の特徴は、コミュニケーションが複雑なことだと言います。SNSで複数のアカウントを持っているのも珍しくなく、「いくつかの人格を使い分けて出入りするコミュニティを分けている」とも。これは、自分をアップデートさせていく必要があったY世代との大きな違いです。


■“世代分け”から見えるもの

大学でZ世代の学生たちと触れ合うことが多いトミヤマさんに、その印象を訊くと、「SNSなどを使うのは上手なんですけど、機械に強いかというとそうでもない」と答えます。スマホなどのガジェットに慣れており、パソコンで書類を作るといった作業は苦手だとか。

渡部:改めてこの世代分けから、どういうことが見えてきますか?
トミヤマ:いずれの世代も文明や科学の進歩と、自己のあり方の間に相関関係があると思います。自己とかアイデンティティと言うと、生まれたときからの固有のものという感じがしますが、こうやって世代で分けてみると、実はその時代のテクノロジーに、自己のあり方が左右されている部分が、けっこうあるんじゃないかなと思います。

最後に、X/Y世代がZ世代とうまく付き合うコツをトミヤマさんに訊くと、「上下で考えるのではなく、好きなものを間に挟んで対等になれる時間を少しずつ作っていくことが、相互理解のためには重要」と話してくれました。世代ごとに違いはあるものの、相手を理解しようとする姿勢を大切にしたいですね。

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【番組情報】
番組名:『GOLD RUSH』
放送日時:毎週金曜 16時30分−20時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/

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Suchmos「僕らは理性とか本能の間で生きていく世代」 新作『THE ANYMAL』に込めた意味とは

J-WAVEで放送中の番組『RADIO SWITCH』。この番組は【Listen to the Magazine, Reading the Radio 雑誌を聴く、ラジオを読む。】をコンセプトに、カルチャーマガジン『SWITCH』、旅の雑誌『Coyote』、新しい文芸誌『MONKEY』の3つの雑誌とゆるやかに連動しながらお送りしています。

2月9日(土)のオンエアでは、『SWITCH』2月号で特集されたSuchmosからボーカルのYONCEさんと、ベースのHSUさんをお迎えし、『SWITCH』編集部の板子淳一郎さんが行ったインタビューの模様をお届けしました。


■2018年は「ちょっとすごい1年だった」

昨年、大みそかの『NHK紅白歌合戦』に出演したSuchmos。YONCEさんは、「喜んでくれる人がいるなら、こっちこそ喜んでやるよ」と感じていたと振り返ります。そして、「これができるバンドなんだなっていうのは改めて誇らしい」とHSUさん。

板子:あの場にいてもSuchmosのスタンスというか、自分たちらしさっていうのは曲げずにやっているのは伝わってきたし。それは嬉しいです。
HSU:迷ったけどね。でも、今は出てよかったって思うよね。
YONCE:本当だと思うそれは。
HSU:W杯のこともあったし、本当にすごい成長できた1年だったなって思いますね。結局、あれが1年の締めくくりというか最終日だったんで。すごかったね! ちょっとすごい1年だったね(笑)。
YONCE:いろんな選択をしたわけじゃないですか。
HSU:ホントだよね! おつかれ(笑)!

そして、Suchmosの2019年は、元日からスタート。新曲『WATER』が、J-WAVEの開局30周年ソングとして解禁されました。この曲は、HSUさんがサビを作り、YONCEさんが歌詞を書き上げて完成しました。

HSU:今までクレジットでYONCEとHSUというのが何曲かあると思うんですけど、それとはちょっと違って。なんというか、ざっくりしたイメージを持ってふたりで考えるというか。 YONCE:なんて言うんだろうね。テーマを隼太(HSU)がくれたっていう感じなのかな。 HSU:サビのフックはできていて、テーマをYONCEの言葉で書いてほしくて。

『WATER』は「今までより、ふたりで書いたというイメージがすごくある」とHSUさん。自分がイメージしたものがYONCEさんに伝わり、言葉としてカタチになったことが嬉しいとも。

YONCE:制作に臨んでいる中で、絶対に懐古主義ではないっていうのは、みんなの中にあって。そう響かせないことは、単純に音だけじゃなくて、やっぱり歌とか言葉もそうだと思うし。そういうところを隼太の表現したいことから汲み取ることができたかなと思う。


■「僕らは理性とか本能の間で生きていく世代」

Suchmosのニューアルバム『THE ANYMAL』が、3月27日(水)にリリースされます。現在の制作進行状況について、「やっと見えてきた」とHSUさん。これにYONCEさんは、「要するにまだできてない(笑)」と続けます。

ちなみに『THE ANYMAL』というタイトルは、アルバムが発表される数日前に決まったそう。「アニマル」を英語表記にすると、通常は「ANIMAL」になりますが、タイトルでは「I」が「Y」になっています。これにはどんな意味が込められているのでしょうか。

YONCE:僕らは理性とか本能の間で生きていく世代だと思っていて。かつての僕らがリスペクトしているいろんな時代の音楽っていうのは、そういう葛藤とは無縁だった時代のものだとも思うし。今はそういうものが複雑化して、あれこれ考えなきゃいけなかったりもするけど、それとは良い感じにケリをつけなきゃいけないことだってある。自分たちを含めた、いま現代社会を生きてる人たちは、その中でもがき苦しんでいる生き物、新しい生き物なんじゃないかなと。

様々なことに葛藤する現代人を表した造語が『THE ANYMAL』だと教えてくれました。深い部分はまだ言えないようですが、収録されている曲の歌詞からインスパイアされた部分もあるとのことで、リリースを楽しみに待ちましょう!

そして、同じく3月からはアリーナツアーがスタートします。「アルバムができた時点でどういうライブがしたいか見えてくる気がしている」とHSUさん。アルバムはもちろんですが、ライブにも期待が高まります。

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【番組情報】
番組名:『RADIO SWITCH』
放送日時:土曜 23時00分ー24時00時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/radioswitch/about.html

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