睡眠を3時間減らしても疲労がとれる!? 「濃縮睡眠」を専門家が伝授

「寝ても疲れがとれない」「忙しくて十分な睡眠がとれない」「寝つきが悪い」「休日に昼過ぎまで寝てしまい後悔する」――睡眠にまつわる悩みを抱えている人も少なくないのでは。今回は、『誰でも簡単に疲れない体が手に入る 濃縮睡眠(R)メソッド』の著者で睡眠セラピストの松本美栄さんに、短時間の睡眠で疲れをとる眠り方を訊いた。

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■疲れをとる睡眠は時間ではなく質!

松本さんは2013年に、表参道に姿勢美矯正サロンをオープン。開業当初はひとりで業務をこなしていたため、睡眠不足になり体を壊してしまった。それがきっかけで、短時間で疲れをとるための睡眠法を研究し始め、短時間で疲れをとるメソッド「濃縮睡眠(R)」を開発した。そのメソッドを自身のサロンで提供し、これまでに延べ5000人以上の睡眠に関する悩みを解決してきたという。

自身を実験台にして開発したという「濃縮睡眠」。最初は睡眠時間を確保するところから始め、8時間の睡眠をとってみたのだが、なかなか疲れが取れなかったという。それどころか、仕事が溜まってしまい時間が圧迫されることでフラストレーションを感じてしまう結果に。

時間の問題ではないとするならば、睡眠の質を高めていかない。自分なりに質を高める実験を続けていった結果、短い時間で質の高い睡眠がとれる「濃縮睡眠」が完成した。

渡部:この「濃縮睡眠」は、実際にどれくらい寝れば疲れがとれるようになるんですか?
松本:もともとが7時間から8時間の睡眠の方だと、4、5時間の睡眠で疲れはとれるようになります。
渡部:なるほど。
 

『誰でも簡単に疲れない体が手に入る 濃縮睡眠(R)メソッド』

 

 


■「濃縮睡眠」のポイントは3つ!

「濃縮睡眠」の最大の特徴は、「深い眠りにつくまでの時間が短い」こと。「濃縮睡眠」では、誰でも簡単にできる方法で深い眠りにつくまでの時間を30分、または30分以内に短縮できるという。

松本:ポイントはたった3つ。まずひとつは、「脳の疲れをとる」ということ。脳疲労は眼精疲労とストレスによって起こるというふうに解釈しています。
渡部:それはどうしましょうか?
松本:まず蒸しタオルで後頭部を温めます。そこに眼のツボとか自律神経のポイントがあるので。その後に、頭蓋マッサージと眼精疲労マッサージ、眼の周りのマッサージをして、血流をよくしていきます。

ふたつ目のポイントは「血流の改善」。血流が悪い人は、主に背中が硬い人が多いという。そのため、肩甲骨周りをストレッチでほぐしていく。

3つ目のポイントは「睡眠環境を整える」。そのために、温度を管理する。温度が快適ではないと途中で目が覚めてしまったり、眠りが浅くなってしまいやすい。少し涼しめにするのがポイントだ。冬場は22から23度ぐらい、夏場は25から26度くらいが目安。

枕選びも大事だ。高さが合っているか、首の緊張を和らげてあげるために首が隙間なく埋まっているかをチェックしよう。バスタオルを軽く丸めて首の下に置くと、首の緊張を和らげることができるそうだ。

最後に松本さんは「睡眠を良くするのは、1日して成らず。継続が大事」とアドバイスした。さらに詳しい情報は、『誰でも簡単に疲れない体が手に入る 濃縮睡眠(R)メソッド』でチェックしてほしい。

『GOLD RUSH』のワンコーナー「CURIOUSCOPE」では、毎週ひとつのトピックをピックアップ。その道に精通したゲストを迎え、流行・現象の本質に迫る。放送は16時40分頃から。お楽しみに。

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【番組情報】
番組名:『GOLD RUSH』
放送日時:毎週金曜 16時30分-20時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/

 

 

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「観光客」だけでなく「地域住民」の満足度も目標値に オーバーツーリズム対策と課題

ジャーナリストの佐々木俊尚が10月4日、ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」に出演。オーバーツーリズム対策について解説した。

※画像はイメージです

オーバーツーリズム対策、宮島では訪問税がスタート

世界遺産・厳島神社で知られる宮島(広島県)を訪れる観光客らから、廿日市市が1人100円を徴収する「宮島訪問税」が10月から始まった。観光客が過剰に訪れ、環境や住民生活に悪影響を及ぼす「オーバーツーリズム」対策に役立てられる。

新行)「宮島訪問税」は市が制定した条例に基づく地方税で、島に渡るフェリーの乗船料に上乗せされます。市は年間で約3億円の税収を見込んでおり、公衆トイレや旅客ターミナルの維持管理、電柱の地中化などにあてられるそうです。

佐々木)ある程度対策しないと成り立たないぐらい、観光客がたくさん来てしまっている状況ですよね。海外からの観光客は、これまでだと2000万人台ぐらいでしょうか。コロナ禍から復活してきていますが、中国人はまだそれほど来ていないので、中国からの観光客が全面的に回復すると3000万人くらいになるかも知れません。

新行)そうですね。

佐々木)外国からの観光客が世界一多いのはフランスで、ヨーロッパ大陸内だからというのもあるけれど、6000万人~7000万人くらいだと言われています。日本もその数字を狙っていますが、日本人の半数ぐらいの人口が来たらどうなるのか。

特定の観光地に偏りすぎている ~「何を魅力として打ち出すか」を考える

佐々木)ただ、数を見るとすごく偏っています。山だったら富士山しか行かないとか、京都や宮島、東京であれば銀座など、特定の場所に集中してしまう問題がある。まずはこれを分散させることですよね。

新行)分散させる。

佐々木)そのためには「何を魅力として打ち出すか」を、もう少し考えた方がいいのではないでしょうか。

観光名所に行っても人が多すぎて楽しめない

佐々木)昔、キューバのハバナへ旅行に行ったことがあります。ハバナにはヘミングウェイが通っていたバーがあるのです。カウンターで「渋い夕暮れを眺めながらモヒートを飲みたい」と思って行ってみたら、「100人いるか」と思うほど多くの観光客がいました。

新行)そうなのですね。

佐々木)大群衆になっていて、まったく楽しめませんでした。そんなところに行っても観光的な風情がないではないですか。

新行)ゆっくり楽しむという感じではなくなってきますよね。

佐々木)昔は観光地に行き、「観光地の名前が入った土産を買って帰る」というパターンが多かったと思いますが、現在はそういうものを求める人は減っていると思います。

観光客が少ない「自分だけが知っている店」に行きたい

佐々木)私の友人が「Airbnb(エアビーアンドビー)」という民泊の物件を持っているので、外国からの観光客がどんなことを言っているのか聞いたら、「観光客の来ないところを教えてくれ」と言われるそうです。

新行)なるほど。

佐々木)中国や台湾からの観光客も、何度も日本に来ていると、最初は富士山や銀座に行くけれど、「観光客が少ない自分だけが知っている店に行きたい」となってくる。渋谷の代々木上原は、あまり外国人に知られていない街だと思いますが、おしゃれな店が多いですよね。なぜか台湾人の観光客が、あの辺りの飲食店で食べているのです。

新行)そうなのですか?

佐々木)店の人たちにそれとなく「あの人たちは台湾から来ているようだけれど、なぜこんな店を見つけたの?」と聞いたら、「SNSの口コミで見つけた」と言っていたそうです。共有されている「密かな情報」があるらしいので、そういうものをうまく活用することが大事ではないかと思いますね。

「何もないけれど素晴らしい土地」が日本にはたくさんある ~富山県の素晴らしさをイギリスの記者が紹介

佐々木)『クーリエ・ジャポン』という海外メディアを紹介する日本のウェブサイトがあって、そこに英紙『デイリー・テレグラフ』の記事が紹介されていました。デイリー・テレグラフの記者が富山県に行くのですが、「富山はどんなところか?」と日本で周りの人に聞くと、「山があって海がある」しか答えないのです。

新行)そうですか。

佐々木)自分の周りでも、海外から来た観光客で富山に行った人は誰もいない。でも富山に行ってみたら、素晴らしくよかったそうです。北アルプスの雄姿が広がり、目の前には魚の旨い富山湾があって、素晴らしい水田が広がっている。昔からの板塀の日本家屋が並んでいて、「これぞ日本の極地」というような場所であり、「みんなここに行った方がいい」という記事を書いているわけです。

新行)なるほど。

佐々木)金沢や軽井沢は有名だけれど、同じ北陸新幹線でも富山にはあまり行きませんよね。日本人でさえ行く人は少ないのではないかと思います。でも、そういう「何もないけれど素晴らしい土地」が日本にはたくさんあるのです。

「住民なりきり旅行」のようなオーバーツーリズムにならない打ち出し方が必要

佐々木)私は最近、旅行に行くとホテルではなく民泊に泊まるのです。民泊だとキッチンがついているではないですか。料理するのが好きなので、地元の道の駅や農協の直売所、漁協などに行って魚や野菜を買い、地元住民になりきった気持ちで料理して食べるのです。

新行)いいですね。

佐々木)町を手ぶらで歩き、「この町にも長い間住んでいるな」と勝手に思い込むような、ロールプレイング的な「住民なりきり旅行」も楽しいです。そういうものはオーバーツーリズムにならない、別の打ち出し方ではないかと思います。

新行)観光名所だけを打ち出すのではなく。

「地元の人も満足できて観光客も満足できる」というところを最終的な目標地点にする

佐々木)観光が目指すべき目標値において、みんな「観光客の満足度」や「観光客の数」を言うではないですか。それだけではなく、ハワイが実施していますが、「地域住民の満足度」も目標値に入れようと動いています。

新行)住んでいる方々の環境なども考えなければいけないですよね。

佐々木)観光客の人も、地元住民から嫌われたくはないでしょう。でも、もはや京都の人は観光客を嫌っていると思います。バスも乗れないですし。それでは観光の目標値になっていない。「地元の人も満足できて、観光客も満足できる」というところを最終的な目標地点にすることが大事ではないでしょうか。

2024年から日帰り客への入域料を導入するベネチア

新行)読売新聞には、ベネチアの例が大きな記事で出ています。宿泊ベッドが人口を超えたそうです。

佐々木)すごいですね。

新行)ベネチアは来年(2024年)春から試験的に、日帰り客を対象に入域料を導入するそうです。

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