初代「G-SHOCK」の開発秘話…トイレで実験したことも!

J-WAVEで放送中の番組『INNOVATION WORLD』(ナビゲーター:川田十夢)のワンコーナー「DNP GLOBAL OPEN INNOVATION」。11月15日(金)のオンエアでは、カシオ計算機株式会社の伊部菊雄さんが登場。伊部さんが開発した初代「G-SHOCK」の開発秘話を訊いた。



■G-SHOCKは一行の提案書から始まった
 

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今年、G-SHOCKの初代モデル「DW-5000C」が、国立科学博物館の2019年度未来技術遺産に登録された。伊部さんはその喜びを語った。

伊部:最初にこのお話をもらったときは「えっ」と、ビックリしました。そこからしばらくして冷静になり、G-SHOCKは今までたくさんのエンジニアやデザイナー、本社スタッフ、営業スタッフの力が入っている商品なので、じんわりうれしくなり、とても感謝しています。

G-SHOCKは、伊部さんの一行の提案書から始まった。そこには「落としても壊れない丈夫な時計」とだけ書かれている。

 

 

 

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伊部:今日、持参した新技術・新商品提案書は当時のままではないのですが、こういう状態で会社に提出しました。この一行だけで開発に“GO”が出たことが、チャレンジ精神を大事にしてくれるカシオの企業風土だったのだろうと思いますので、非常に感謝しています。

伊部さんは「当時の腕時計は精密機器だったので、落とすと壊れることが常識だと思っていた」と話し、大事にしていた腕時計を実際に落として壊してしまった実体験はショックよりも「常識だと思っていたことを実体験ができたことに感動した」と振り返る。

伊部:その感動を文章にしたら、ストレートのこの一文が出てきました。それによって、こういった提案書になりました。



■提案書は通ったものの…開発は難航

時代に逆行する商品になると思っていた伊部さんは、目立たないところで実験をしたいと考え、会社の3階にあるトイレの窓から基礎実験を行った。伊部さんの予想よりも、厳しい現実が待っていた。

伊部:当初は、「メタルケースに緩衝体となるものが何ヶ所か付いていれば落としても壊れない時計ができるだろう」と、開発を非常に軽く考えていました。しかし(実験をするなか)ソフトボールくらいの大きさではないと、このテーマが実現しないことがわかり、進める企画の非常識さを痛感しました。もし、先に基礎実験を行っていたら、この提案書は絶対に提出していなかったですね。このソフトボール大のものを腕時計サイズにすることは現実的ではないと思っていたはずなので。ただ、作りたいという気持ちが先行したので、提案書が先に出たのだと思います。


■G-SHOCKはたくさんの知恵が詰まっている

苦労した末に構造が決まり、ウレタン素材でガードをする腕時計の開発を進めていった。

伊部:当時、国内外の文献を調べ尽くしました。そのなかに、ウレタンは医療機器に使われているもので、成型が非常に難しく単純な形しかできないと書かれていました。私はその内容に蓋をして、安心・安全を最優先にウレタンを使用することを決めました。

ところが、開発の協力メーカーからたくさんの不良品が送られ、同封された手紙に「材料を変えてくれ。それができなければ単純形状にしてほしい」と書いてあったという。

伊部:(その言葉を受けながらも)、私ができることはモチベーションを上げる言葉を言い続けることだったので、協力メーカーのもとへ数ヶ月間訪れました。その結果、海外の文献に書いてあったことを覆して、私の考えを実現してくれました。だから、この製品にはものすごくたくさんの知恵が詰まっています。

川田は「まわりからのプレッシャーなどもあるなか、それに耐えながらも伊部さんがこの開発を実現したことは非常に大きなことだ」と称賛。


伊部:自分の実体験から開発スタートしたものですが、当時は道路工事をしている人は壊れるからと腕時計をしていなかったんです。だから丈夫な時計はこういう人たちに使ってもらいたい、こういう人たちに役に立ちたいという思いが強かったですね。だから絶対に実現したかった。それともうひとつ、このたった一行の提案書で開発の“GO”が出たという責任の重みですね。それが自分の原動力になっていました。

伊部さんの夢は、宇宙空間の過酷な環境に耐えられるG-SHOCKを開発することだと明かした。

『INNOVATION WORLD』のワンコーナー「DNP GLOBAL OPEN INNOVATION」は、各分野のエキスパートを招き業界トレンドをお届けする。放送は毎週金曜の21時15分頃から。お楽しみに!

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【番組情報】
番組名:『INNOVATION WORLD』
放送日時:毎週金曜日 20時-22時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/innovationworld/

 

 

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あの「ふるさと祭り東京」が装いも新たに横浜赤レンガ倉庫で開催 !【ふるさと祭りIN 横浜赤レンガ】 6月1日(土)・2日(日)


文化放送は、日本各地から伝統のお祭りや噂の美味が勢ぞろいする祭典「ふるさと祭りIN横浜赤レンガ」を横浜赤レンガ倉庫 イベント広場で開催することを決定した。開催は6月1日(土)~2日(日)の2日間。

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また、近隣の臨港パーク・港湾地区では「横浜開港祭」も開催しており、多数の来場者が見込まれる。

お祭りステージ
「東京高円寺阿波おどり」、「沖縄エイサー」、「よさこい祭り」、「桐生八木節まつり」、「牛深ハイヤ祭り」など各地の人気の祭りが大集結。

グルメキッチンカー
日本各地のメニューのグルメキッチンカーが約30台設置され、様々なジャンルの食が楽しめる。

縁日屋台
昔懐かしい射的や輪投げ、スーパーボールすくいなど、縁日の雰囲気が感じられるエリア。

「ふるさと祭りIN横浜赤レンガ」公式サイト(https://furusatomatsuri-yokohama.com/

【「ふるさと祭りIN横浜赤レンガ」 開催概要】   
■開催期間 :  2024年6月1日(土)・2日(日)
         1日(土)10:00~20:00
         2日(日)10:00~21:00
■会 場  :  横浜赤レンガ倉庫 イベント広場 (入場は無料)
■主  催 :  ふるさと祭り IN 横浜赤レンガ実行委員会
        (文化放送/文化放送開発センター)
■後  援 :  横浜市/横浜観光コンベンション・ビューロー(予定)
■協  力 :  東京ドーム
■企画運営 :  文化放送開発センター
■実施内容 :  お祭りステージ/グルメキッチンカー/縁日屋台/協賛ブース
■公式サイト:  https://furusatomatsuri-yokohama.com/

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