SDGsは「無理のない範囲で取り組む」でいいのだろうか? 藤原しおり×SHELLYが議論

藤原しおりが、環境問題や動物愛護に興味を持ったきっかけや、SDGsへの向き合い方を語った。

藤原が登場したのは、毎月第4日曜日にSHELLYがお届けする『J-WAVE SELECTION ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE』。ナビゲーターはSHELLYが務める。藤原がゲストに登場したのは6月26日(日)。

同番組は、SDGsに関する活動を後押しする情報発信・体験の場である、青山のITOCHU SDGs STUDIOから発信。オンエアだけでなく、デジタル音声コンテンツとして提供・配信するサービス「SPINEAR」でも配信。SpotifyやApple Podcastsでも楽しめる。エピソードは月曜日に、3回にわけて更新。



■ITOCHU SDGs STUDIO公式サイト
https://www.itochu.co.jp/ja/corporatebranding/sdgs/about.html

ドラマをきっかけに、自然や動物への意識が高まった

藤原は動物愛護や環境問題に興味を持ったのは、ドラマがきっかけ。子どもの頃の観た『向井荒太の動物日記 ~愛犬ロシナンテの災難~』(日本テレビ系列)だったという。同作はKinKi Kidsの堂本 剛が主演し話題を集めた。

藤原:小学校4年生くらいのときに、このドラマが放送されてたんですね。この頃、ちょうど学校で社会問題とか環境問題とかを授業で教えてもらっているくらいのときだったので、内容がすごく響いたというか。堂本 剛さん演じる向井荒太という青年が獣医師の学校に通っているので、いろんな動物との関わりが出てくるんです。直接的に環境問題とか絶滅危機の動物とか、そういう話は全然しないんですけど、「人間って動物たちに迷惑をかけてるのかもしれない」って、子どもながらにすごく感じちゃって。あと保健所の動物とか、そういうことにも関心があったときだったので、自然とか動物に迷惑をかけないようにできないかなと考えていました。

SHELLY:そのドラマを見て、実際にアクションを起こしたりしたんですか。

藤原:学校の図画工作で筆を洗うときに、(周囲の人が)水をジャーっと流していたら「出しっ放しはもったいないよ!」とか言って。

SHELLY:風紀委員ですね(笑)。

藤原:そう、勝手に風紀委員(笑)。「ここの電気は誰も使ってないから消すね」とか言ってたから、うっとうしい女子だったかもしれません(笑)。

SHELLY:めちゃくちゃ共感します。私もそっちだったから。

その頃、藤原は家族と車に乗って夜景を眺めたとき、こうこうと光るビルを見て「電気はたくさん使われ、コピーした紙はたくさん捨てられ……」と想像するうちに「私ひとりが頑張っても(問題を解決するのは)無理なのかもしれない」と思ってしまったと当時の歯がゆさを口にした。

そんな子ども時代の藤原の夢は総理大臣。「そう言ってる時期もあった」と笑う。

藤原:今はそんな気はさらさらないんだけど、そのときは「この地球を救うには総理大臣とかにならないと変えられないんじゃないか」って壮大な夢を持ってたんです。

SHELLY:私の小学4年生のときの夢は「アメリカ初の女性大統領」でした(笑)。

藤原:強い! 感覚的には一緒ですよね(笑)。じゃあ、今アメリカの大統領(仮)と日本の総理大臣(仮)がしゃべってるわけですね。

SHELLY:将来、ふたりとも夢を叶えられてたら日米の首脳会談ですね(笑)。
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関心のあるSDGsの分野は

SDGsは2030年までに達成する17の目標を掲げている。今、藤原がその中でも関心がある項目として、目標4の「質の高い教育をみんなに」や目標12の「つくる責任 つかう責任」を挙げた。

藤原:「質の高い教育をみんなに」について、私が環境とかに興味を持ったのは、「社会の授業とかでこういう問題があります」とか教えてもらったのがきっかけだったなって。そういうのもあるから、子どもたちという真っさらな状態のときに、答えまでは言わなくても何かのきっかけはちゃんとみんなが持てるようにした方がいいのかなとか。「つくる責任 つかう責任」の方は、環境問題とかSDGsとかって「白か黒か」とか「こうすべきだ」ではうまくいかないというか。

SHELLY:確かに。

藤原:すごくグラデーションがあって、「こういう意見があって、こういう意見もある」みたいな、ひとりが全部やろうとせずにできる人ができる範囲でちょっとずつやっていくとか。そういうほうが結果的には、急がば回れで、目標に到達できると思ってるから、「つくる責任 つかう責任」はみんなの意識が大事かなと思って、今はそこに着目してます。

「できる範囲でやる」でいいのか? 二人が議論

過去、藤原は動物愛護の観点からSDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」や目標15「陸の豊かさも守ろう」に興味があったが、そこから関心の幅が広がったという。

藤原:最初は環境のこととか動物のこととか、自分なりにできることを発信したんですけど、やっぱり人に無理をさせてしまうのも違うし、私にはできないって思わせるのも違うし、ハードルが高くなってしまうのも違うと思って。それだとダイエットと一緒で、断食をすると確かに痩せるけど続かない。よくダイエットは自分ができることを継続することがいちばん痩せるって言うじゃないですか。それと似てるなって思って。無理なく楽しめる範囲でやることがいちばん達成できるんじゃないかなと思ってて。

SHELLY:それすごくわかるんだけど、私はそういう話になったときに「とはいえ、タイムリミットがあるじゃん」っていうのがあって。ダイエットと違って、例えばあなたが断食しないとこの人は死んじゃうよ、みたいなことになってるわけじゃないですか。環境問題も今みたいな消費を続けると、プラマイゼロじゃなくてマイナスがどんどん進んでる状況だから、もうちょっとその理解を早めないとスタートラインにも立てないんじゃないかっていう不安がある。できる範囲でやるのは、もちろんいちばん気持ちよくていいと思うけど、そもそも問題があるってことにみんなで気付かないことには変われないのかなとも思うんですよね。

藤原:それは難しい問題ですよね。学校の生徒に危機感を与えたほうがやる気を持ってやってくれる子もいれば、そうじゃない子もいるから。SHELLYさんの思う危機感をみんながちゃんと持ったほうがいいよって言ったことにリアクションしてくれる人もいれば、ハードルが高くて離れてしまう人もいる。私はそういう離れてしまう人を離さないようにしてるというか。

SHELLY:へえ!

藤原:世の中が今こうやってSDGsを頑張ろうって言う方向だからそっちは任せたわと。私は、SDGsばかり耳にすることに飽き始めて何もやらない人に「ちょっと待って。そんなにハードル高くないよ」って伝える係をやるわ、って気持ちでいます。

学校では今、SDGsについて何を教えている?

藤原は育児をするSHELLYに「今、学校ではSDGsについてどのように教えられているのか」と質問する。

SHELLY:地域だったり学校だったり先生によっても(教わることは)違うと思うんですけど、学校で環境問題は当たり前に教えられるようになったかなと思います。子どもたちも家で「プラスチックを使いすぎないようにしなきゃ」と話したり「裏紙が使えるからもう一回絵を書く」とか言うようになったり。学校で話をした結果、意識が高まっているのかなって思います。あと、SDGsで言うと目標5の「ジェンダー平等(を実現しよう)」はけっこう小さいときから教えられていて、「男の子はこう」「女の子はこう」みたいなのをなるべく刷り込まないようにしてる。色も「この色は女の子の色」「この色は男の子の色」とかもそうだし、今は同性婚を扱う絵本もあったりして、普通の本と一緒に並べたりもして読み聞かせているから、当たり前に結婚するのは男の子と女の子だけじゃないよって話をしたりとか、そういうことは気をつけてますね。

藤原:そういうのって自分が受けてきた教育で変わるというか、意識しないと「そういうことが誰かを傷つけることになっちゃうんだ」みたいな。私たちって今の子どもたちよりもワンテンポ遅いから。

SHELLY:みんなそうだと思いますよ。

藤原:だからそういうのって気をつけないとなって思うけど、一度間違ってそれを教えてもらわないとなかなか気付けないこともあるのかな。危ないけど。ゆっくり知っていくしかないのかな、とは思ってます。

SHELLYは藤原に問題意識の原動力を訊ねる。藤原は幼少期のエピソードを交えて答えた。

藤原:子どものときに捨て猫がかわいそうだと思って、必死に飼い主を探したのに「もう保健所に連絡したから」って言われて、猫がいなくなってしまっていたとか。「大人めっ!」って。大人ってものに対しての信頼が子どものときになくなったんでしょうね。「大人がつくる社会とか信じてはいけない」って。

SHELLY:けっこう早い段階ですね。

藤原:大人のほうがわがままで、子どものほうが一生懸命頑張っているのにって気持ちのまま大人になったから、やっかいな大人になりましたね(笑)。

SHELLY:今はそういうストレスを、どうやってぶつけているんですか。

藤原:やっぱり言いたいことはあるけど、子どもが大人に伝えるのと大人が大人に伝えるのは全然違うから、できるだけ耳を閉じられないような言い方をするように心掛けています。

2030年は、人と人の関わりが豊かな社会になってほしい

最後に、SDGsが目標達成を目指す2030年にちなみ、SHELLYは「2030年までにどんな社会になっていてほしいか?」と藤原に訊いた。

藤原:2030年って今から8年後と、遠い未来じゃないんですよね。もっと人間が人間と関われていたらいいなと思います。昭和というか。近所の人と話すとかあまり見ないし、コロナ禍を経て人との距離が前にも増ししてできるようになったから、2030年には人と人との距離を取る必要がない世界になっていて、もう少しコミュニケーションができることにあらためてありがたいと感じて、もっと人と人とが、いいようにコミュニケーションを取れてたらいいなって思います。

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オンエアをお届けした、青山のITOCHU SDGs STUDIO

SHELLYがナビゲートするプログラム『ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE』の放送は毎月第4日曜日の22時から。
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