能登半島地震“被災地の声”「海女さんにも仕事を与えてほしい」石川県・輪島市在住のベテラン海女が切実な思いを語る

手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。3月23日(土)の放送では、令和6年能登半島地震の被災地の声をお届けしました。


※写真はイメージです



今回お話を伺ったのは、40年近く海に潜り、漁をしてきた輪島市に住むベテラン海女の早瀬千春(はやせ・ちはる)さんです。輪島市には約130人の海女さんがいますが、現在は、能登半島地震の影響で海底が隆起しており、港から漁船を出せなくなっています。2月10日(土)に手島アナウンサーが取材に伺ったときに、早瀬さんは「海が隆起してしまったことで、輪島の漁業を生業にしている者は、いつ海で仕事ができるようになるのか(目処が立たない)」と不安を口にしていました。

その後、2月下旬に再び早瀬さんにお話を伺うと、7月から国の事業で海中の漁具撤去や海中調査を輪島の海女さんが請け負うそうです。しかし、「『(その仕事に)上限を設ける場合があります』とも書かれていて、それが4回なのか、10回なのか……自分としては、漁ができないのであれば継続してほしい」と切に願います。

また、この事業を始めるにあたって、「海女さんも漁具が必要なんです。ウェットスーツや水中メガネ、足ひれなどもいるんですけど(震災によって)全部失ってしまった方もいるかもしれません。また、地元で海女さん専用のウェットスーツを作っていまして、その資金繰りをどうしようかと頭を悩ませています」と悩みを明かします。

本来なら、この時期はワカメ漁が始まり、7月からアワビとサザエの素潜り漁が解禁されます。早瀬さんは“少しでも早く漁を再開させたい”という思いのなかで、最後にこのように話していました。

「2次避難などでほとんどの海女さんが散り散りになっているのが現状なんです。そのためには、海女さんにも仕事を与えてほしい。皆さん海が大好きなので『また潜りたい』としか言わないんですよ。“海女の仕事ができる”という前向きな意欲を持たせてほしいです」

----------------------------------------------------
2024年3月23日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年3月31日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

----------------------------------------------------

<番組概要>
番組名:防災 FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/
この記事を読む