“くしゃみ”“目のかゆみ”が重大事故に…「花粉症」を持つドライバーが運転するときに気を付けるべきことは?

TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。2月7日(金)の放送テーマは「花粉症と安全運転」。自動車ライターの近藤暁史さんに花粉症による運転の影響と対処法について伺いました。


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スギの花粉が飛び始めるのは毎年だいたい2月頃からですが、今年は例年よりも早く観測されています。そして、花粉症の症状が車の運転に影響を与えて事故につながることもあります。今回は“花粉症と安全運転”について考えましょう。

◆“くしゃみ”で大事故を引き起こす可能性が…

花粉症の症状は、目のかゆみや鼻詰まりなどに加えて、くしゃみを連続ですることがあります。一般的に、くしゃみをするときにかかる時間は0.5秒ほどと言われており、車が時速60kmで走行しているときは、1秒間に約16m前進するので、そこでくしゃみをした場合、約8m走行していることになります。「くしゃみをすると、目をつむったり、手や足に変な力が入ってしまうこともあります。8m進んでいる状態でそういったことが起きるのは危険ということを頭に入れておいてください」と近藤さん。

実際に、花粉症によるくしゃみで死亡事故につながった実例もあります。2016年4月に愛媛県で起こったケースだと、ドライバーがくしゃみを連続したことでハンドル操作を誤って対向車線にはみ出てしまい、軽自動車と正面衝突。結果、軽自動車を運転した方が亡くなり、同乗者2名も重軽傷を負う事故となりました。くしゃみや目をこする時間は一瞬だと感じていても、取り返しのつかない事故が発生する可能性があります。


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◆薬の副作用には要注意

道路交通法の第66条には「過労、病気、薬物の影響、その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で運転してはならない」と記載されています。花粉症は病気の1つです。安全な運転ができない可能性があるのなら、ハンドルを握ってはいけません。

一方で、薬の服用にも注意が必要です。一部の薬は、飲むと眠くなったり、頭がぼーっとして集中が欠ける場合もあります。特に花粉症の薬は、抗ヒスタミン薬という眠くなる成分が入っており、服用後は眠気を感じやすくなります。

近藤さんは「どうしても用事があって車を運転しないといけない場合は、お医者さんに相談して、副作用が少なくあまり眠くならない薬を処方してもらうことで安全運転につながります」と助言します。

ほかの配慮としては“事前にマスクをする”“くしゃみが出ることを想定し、いつもよりスピードを出さずに車間距離を取ること”などが考えられます。同乗者がいるのであれば、運転を変わってもらうように相談してください。なるべく事故の危険を遠ざける行動を取るように心がけましょう。


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◆花粉を除去するカーエアコンを選ぼう

車内でくしゃみや目のかゆみなどに襲われないためには、花粉を持ち込まないことが大切です。身に着ける衣服の素材は、綿などの自然繊維だと花粉がつきやすいので、ナイロン製のパーカーなど、払ったときに花粉が落ちやすいものを選びましょう。

走行中に車内に花粉があると感じた場合は、外気を取り入れるために車内の空気を循環させてください。外に車内の空気が流れ出るのと一緒に、花粉も出すことができます。

最近のカーエアコンはエアコンフィルターがついているので、高機能の製品なら花粉の除去が可能です。さらに、除菌機能がプラスされている製品では、スイッチを入れておくと、エアコンのなかに取り込んだ花粉を破壊してくれます。花粉症に毎年苦しむ人は、高機能のエアコンが付いたの車を選ぶのも1つのポイントです。

花粉が多い季節は、花粉症の方にとって憂鬱な時期です。“なりたくてなっているわけじゃない”という気持ちはわかりますが、花粉症が影響して事故を起こしてしまったら悲劇です。そのためにも、事前のケアと運転中の注意を怠らず、安全にやり過ごしましょう。

<番組概要>
番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全
放送日時:毎週金曜 7:20~7:27
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/koutsu/
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「南海トラフ巨大地震」が起きる確率“30年以内に80%”…今後発表されるかもしれない「南海トラフ地震臨時情報」を解説

手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。今回の放送では、「南海トラフ地震臨時情報」について取り上げました。


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1月13日(月・祝)の夜に起きた日向灘を震源とする地震で、南海トラフ地震の評価検討会が開かれ、南海トラフ地震が発生する可能性が、平常時と比べて相対的に高まったと考えられる現象ではなかったと判断されました。一方、南海トラフ巨大地震が起きる確率は「今後30年以内に80%」と言われており、気象庁は、いざ大規模地震が発生したときのために、普段から地震への備えを進めるように呼びかけています。

「南海トラフ地震臨時情報」は、普段と比べて巨大地震が発生する可能性が相対的に高まったとされた場合に、気象庁が「巨大地震警戒」「巨大地震注意」といったキーワードを付けて発表するものです。過去には、昨年8月に発生した地震で「巨大地震注意」が発表されています。

南海トラフ沿いでマグニチュード6.8以上の地震が発生したり、“ひずみ計”と呼ばれる観測機器で普段と違う地殻変動が観測された場合、南海トラフ地震との関連性について調査を始めたことを示す“調査中”というキーワードつきの情報が発表されます。

その後、専門家でつくる評価検討会で、関連があるかどうかの会議がおこなわれ、その結果として「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」のいずれかが示されます。

【巨大地震警戒】

想定震源域で、マグニチュード8以上の地震が起きている可能性が高いことを示します。取るべき行動は、津波からの避難が間に合わない地域、具体的には“地震発生から30分以内に津波で30センチ以上浸水する地域” の住民は全員避難です。

【巨大地震注意】

プレートの境目で、マグニチュード7以上8未満の地震が起きる。または、想定震源域の周りでマグニチュード7以上の地震が起きるなど、その後の巨大地震に注意が必要とされたときに出される情報です。取るべき行動として、発表後1週間は、普段の生活を続けながら避難経路の確認や家具の固定など、改めて地震への備えを確認するようにしましょう。

【調査終了】

巨大地震警戒、巨大地震注意のいずれにも当てはまらないと評価された場合は、「調査終了」が発表されます。

1月13日(月・祝)の日向灘を震源とする地震では、専門家の検討会の後に「調査終了」という結果が示されました。ただし、このキーワードが出たからと言って大地震の可能性が低くなったわけではありません。

南海トラフ地震臨時情報は、あくまでも“普段と比べて、相対的に発生の可能性が高まった”という不確実性のある情報です。臨時情報が発表されないまま、いきなり巨大地震が発生する可能性もありますし、臨時情報が発表されても“地震が起きない”ということも考えられるほか、情報に基づく防災対応期間が終わった後、巨大地震に襲われることもありえます。

改めて、家具の転倒防止対策や備蓄品の補充・点検、避難場所の確認など、家族や地域でできる備えをしておきしましょう。

<番組概要>
番組名:防災 FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/

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