「平均相場の半額」で“脳ドック”が受けられる!? スマートスキャンが提供する「スマート脳ドック」とは?

笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。11月19日(土)の放送は、スマートスキャン株式会社 代表取締役の濱野斗百礼(はまの・ともあき)さんをゲストに迎え、お届けしました。


(左から)濱野斗百礼さん、笹川友里


1969年生まれの濱野さんは、株式会社デジタルガレージにおいて営業を中心に担当しつつ、ポータルメディア「Infoseek」の立ち上げに参画。2000年12月の楽天株式会社によるインフォシークの買収後、楽天グループ全体のインターネット広告事業の立ち上げを統括。楽天株式会社にて執行役員、グループ会社のリンクシェア・ジャパン株式会社にて代表取締役社長をつとめた後、2017年にスマートスキャン株式会社を設立しました。

◆脳ドックのイメージを一新したい

スマートスキャンの事業内容について、「高度医療機器を使った画像診断、MRI(磁気共鳴画像)やCT(コンピュータ断層撮影)などを簡単に撮れる仕組みをみなさんに提供している」と濱野さん。

脳ドックというと、何となく敷居が高く感じる人が多いため、「いわゆる三重苦(予約が簡単に取れない、値段が高い、時間がかかる)のイメージをなくして、もっと多くの人に手軽に受けられるようにしたかった」と濱野さん。そこで同社では、医療プラットフォームサービス「スマート脳ドック」の提供を開始します。

濱野さんによると、スマートスキャンと提携しているクリニックでスマート脳ドックを受ける際、MRIに入っている時間は10~15分程度。そこで、“脳ドックは時間がかかる”というイメージを払拭するべく、濱野さんは“MRI以外の時間をいかに効率化できるか”を考え、Web予約の際に問診票を入力してもらうことで、クリニックでは受付時に名前を確認し、MRIで撮るだけ。また、Webで決済しておけば、受付で支払い待ちをすることなく帰ることがでるモデルを構築。

さらに、濱野さんいわく、日本での脳ドックの平均相場は4万4,000円(出典元:日本人間ドック健診協会)ぐらいだそうですが、スマート脳ドックの価格は19,250円(税込)と財布にもやさしく、しかも検査結果は2人の専門医(放射線診断専門医・脳外科医)によるWチェックがおこなわれるなど、検査を受ける側にとっては、まさに至れり尽くせりな好サービスです。

また、受診した方に、撮影した脳の画像をパソコンやスマートフォンからスマート脳ドックのマイページで見られるように公開。これにより、脳ドックを受けた人が、自分の脳の画像をSNSで投稿して拡散したり、それが口コミで広まったりしたことで、スマート脳ドックの認知拡大のきっかけにもなったと言います。

◆スマートスキャンを起業したきっかけ

そもそも、濱野さんがなぜこのような会社を起業したのかというと、高速バスの事故がきっかけでした。運転手が運転中に何らかの理由で気を失ってしまい、多くの人が亡くなられたショッキングな出来事を見たあるMRIの先生から、「運転従事者の方々の健康診断は、首から下しかおこなっていないから危ない。本来であれば、頭(脳)も診なければならない」と聞き、濱野さんは脳ドックの必要性を実感したと言います。

しかし、脳ドックの平均相場は高く、コスト面からしても「(運転従事者を抱える)企業が、従業員の方々に(脳ドックを)受けさせるのは大変なので、どうにか安くしないと受けてもらえない」と感じていたところ、たまたまやり取りをした先生のクリニックが所有するMRI機器の原価償却が終わったタイミングだったため、「1万円で20枠だけもらい、楽天会員に向けてテストマーケティングをしたところから始まった」と振り返ります。

すると、2日間で約500人もの会員から「受けたい」との反応があったこと、さらには、これから超高齢社会へと進むなかで「頭(脳)が原因で倒れてしまって介護するとなると、ものすごく大変なんです。そう考えると、運転従事者だけでなく、多くの人に(脳ドックを)受けてほしい、広めたいという思いもあってスタートした」と濱野さん。

テストマーケティングでの反響に手応えを感じた濱野さんは、最初にもらった20枠以降も、約400人もの人たちに安価で脳ドックを実施し、すごく喜ばれたそう。そこで、もっとクリニックのすそ野を広げようと、大きな病院に「(MRIが)空いている時間帯に安くやってもらえませんか?」と営業して回りますが、軒並み断られてしまい、「『脳ドックのニーズがあるからやってほしい』と、素人が言ったところで、動いてくれるような感じではまったくなかった」と当初の苦労を語ります。

しかし、「スマート脳ドック」のように、検査を受けやすい価格帯であれば、「例えば40歳のときに1度(MRIを)撮ることができて、マイページを作成してデータ管理をすれば、80歳ぐらいまで付き合える。その40年間に別の検査などを受けたりして、いろいろなビジネスチャンスが生まれてくる。当時、こんなに良いビジネスモデルはないと思った」と話します。

◆若い世代が脳ドックを受けることで広がる可能性

これまで、脳ドックは50代以降に検査をする人が多かったため、「30~40代の健康な脳の画像がそれほどなかった」と濱野さん。そのなかで、「スマート脳ドック」をローンチして価格を安くしたことで、若い年齢層の検査も増え、「今は40代を真ん中に30代、40代で50%ぐらいのデータを持っているし、20代の方も多く受けている」と変化を語ります。

それが何を意味するかというと、「若い年齢層の脳画像のデータが蓄積されていくことによって、今までは見えなかった脳の変化、どのようにして(脳の)疾患になるのかなど、将来のリスクが予想できるようなソフトウェアやAI(人工知能)ができてくるのではないか。そして、それらをみなさんにお返ししていくことで、みんなが病気にならない世界を作っていければいいなと思っている」と力を込めました。

次回12月3日(土)の放送も、引き続き濱野さんをゲストに迎えてお届けします。現在のビジネスシーンで必要とされる人材やスキル、今後のデジタル、テクノロジーの進化によって私たちの暮らし、働き方はどう変わっていくのかなど、貴重な話が聴けるかも!? どうぞお楽しみに!

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聴取期限 2022年12月4日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/
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