演出家・宮本亞門「一流にはなりたくないという思いが強い」その深意とは?

放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。1月22日(日)の放送は、演出家の宮本亞門(みやもと・あもん)さんをゲストに迎えて、お届けしました。


(左から)小山薫堂、宮本亞門さん、宇賀なつみ



宮本さんは、1958年生まれ、東京都出身の65歳。2004年に東洋人初の演出家としてオンブロードウェイにて「太平洋序曲」を上演。同作は、トニー賞4部門にノミネートされました。演出家として、ミュージカル、ストレートプレイ、オペラ、歌舞伎など、ジャンルを問わず幅広く作品を手掛けています。

小山から演出家に最も必要なスキルを聞かれると、「何があっても折れないこと」と宮本さん。というのも、「すべてが予定通りに進まないので、そこで折れないことかな。それでも熱く夢が持てるのかどうかの勝負みたいになっちゃいますね」と答えます。

続いて、宇賀からの「演出って、どういうことをまずやっていくんですか?」との質問には、「これから2時間くらいゆっくり話をしたいですね(笑)」と笑いを誘い、「まぁ、全部やっちゃうんですよ。衣装、デザイン、セット、いろいろな方たちと話をする。最初のコンセプトからそうだし、役者の演技の指示であり、照明であり、全部を一緒にクリエイションしていく。僕だけでつくるわけではないので、とにかくコラボレーションとクリエイションばっかりですね」と説明します。

自分が思っていたものができあがってこなかったときのダメ出しは、「しつこいですよ、僕は。これでもかっていうぐらい」と宮本さん。「照明ひとつもそうだし、衣装ひとつもそうだし、演技ひとつもそうだし。『ここが違うから、もう1回やりましょう。なぜ大切かというと……』って、もう粘着質(笑)」と語ります。

それを聞いた小山が「それで喧嘩になることはあるんですか?」と尋ねると、宮本さんは「今、演出家は怒っちゃうと仕事がなくなるので、どうやって相手を納得させるか、説得させるかということですね」とキッパリ。宮本さんによると、アメリカでは「おい、○○~!」などと言ってしまうと、瞬く間に噂が広まってしまうほど狭い業界だと言います。

宮本さんが演出家を志した当時といえば、文学座や俳優座、劇団四季などに入って演出助手から始めるのが王道コースだったものの、「僕はそれがやりたくなかったので、誰にも従うことなく、まず自分は出演者になった」と振り返ります。

稽古の際には最後まで残り、演出家の指示をずっと見ていたという宮本さん。「その演出家が指示をした後に、俳優がどう変わるか、変わらないのか。ある演出家は『何をやっているんだ! 集中しろ!』とか言って、役者は『はい、わかりました』って言っているんですけど、裏では『あの演出家、何に集中していいのかわかんないよな』とか言われていて。

指示する側とされる側、いろいろな関係性があるじゃないですか。それをずっと見ているのが好きでしたね。“どうやったら人に伝えられるんだろう”とそればっかり考えていました」と駆け出し当時を回顧。


宮本亞門さん



小山から「職業として、『これは一人前になったな』と手応えを感じたのはおいくつぐらいのときでしたか?」と聞かれ、「一流になったとまだ思っていないというか、一流にはなりたくないという思いが強い」と宮本さん。

その深意について、「一流になったと思った時点で、もうつまんない人間になっている気がするんです。完璧な舞台があるわけではないし、人もみんな違うし、意見も違うし。そのなかで“もっとこうしたら面白いのかな?”ということが心地良くて。ちょっと傲慢になって、過去の自分の成功体験だけを人に押し付けるようになっちゃったら、僕が好きなタイプじゃない演出家になっちゃうんで、嫌なんですよね」と語りました。



西岡德馬さんが葛飾北斎を演じる、宮本さん演出による「舞台『画狂人北斎』-2023-」のプレビュー公演が、2月2日(木)より墨田区・曳舟文化センターにて上演。その後、北海道・札幌、京都、広島、石川・金沢、大阪、鹿児島、福岡、秋田、長野・小布施と各地を巡り、3月22日(水)~26日(日)の5日間、紀伊國屋ホールにて東京凱旋公演を開催予定です。

次回1月29日(日)の放送も、どうぞお楽しみに!

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聴取期限 2023年1月30日(月) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/
日本郵便 SUNDAY'S POST
放送局:TOKYO FM
放送日時:毎週日曜 15時00分~15時50分

※該当回の聴取期間は終了しました。

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伊達さゆり、部屋のルームフレグランスの香りに悩む~3月15日『伊達さゆりの 伊達にラジオやってません!!!』

文化放送超!A&G+にて、毎週水曜日21時30分から放送中の声優・伊達さゆりの番組『伊達さゆりの 伊達にラジオやってません!!!』。

3月15日の放送では、伊達が、お気に入りの部屋の香りについて語る場面があった。

リスナーからのメールをきっかけに、先日引っ越しをしたことを明かした伊達。まだ新居での生活に慣れておらず、お気に入りの家具を探している途中なのだという。そんな中、伊達は、部屋作りについてこだわっていることを語った。

「家に帰ってきたときに、部屋の中がいい匂いだと、超テンション上がるんですよ。小学校から仲のいい友達がいるんですけど、その子の家がめちゃくちゃいい匂いなんですよ!毎回『なんでこんなにいい匂いなの?』ってきいてたんです。しかも、その子自身も家のいい匂いを身にまとって登校してくるんですよ!柔軟剤について聞いても『普通のだよ』って言うんですけど、いい匂いの子は皆そう言うんです!(笑)」

「今のところは、フローラル系の、ふわっと軽やかなに匂いにしたいなとは思ってます。ベチバー(番組にたびたび登場する、虫除けの効果のある香料)は虫が家に出てこなくなるのは良いと思うんですけど、『伊達ちゃんのおうち、ベチバーの匂いするね!』って言われると思うんですよ(笑)」

ルームフレグランスを何にするか迷っているという伊達。勧められたベチバーについては「ベチバーは、夏に虫が出そうなところに置ければ良いんじゃないですかね(笑)やめておこうかな!」と、別の案を考えていた。

『伊達さゆりの伊達にラジオやってません!!!』3月15日放送分はPodcastとYouTube文化放送A&Gチャンネルにてアーカイブ配信中。

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