茨城県在住の気象予報士藤井南美「異例尽くしの台風です。」『HAPPYパンチ!』

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毎週月曜日から金曜日に放送している『HAPPYパンチ!』。毎週月曜日の11時台は、茨城県在住の気象予報士藤井南美さんが気象情報を楽しく紹介してくれます。9月7日の放送では猛威を振るっている台風10号について解説しました。

異例の台風その1 発生前から気象庁が会見

藤井さん「今回の台風は異例づくしでした。というのも、まず台風になる前から注意が呼びかけられましたよね 。予想の結果、今後台風となって日本付近に接近上陸する際の勢力が、過去に例を見ない強さになりそうだと思われたからです。発生前から気象庁が会見を開き特別警報級の台風になるとして早めの避難など、最大級の警戒が呼びかけられました。当初予想されていた910hPa以下にはならなかったんですが、最も下がった時の中心気圧は920hPa。これは過去に大きな被害をもたらしたあの第2室戸台風とか伊勢湾台風級の強さだったんです。ただ九州に近づく頃には発達のピークが過ぎ、結果として史上最強の勢力で上陸という最悪の事態は免れました。それでも九州を中心とする各地に記録的な大雨暴風をもたらしました 。」

異例の台風その2 海水温が下がらなかった

藤井さん「異例その2。台風の進路にあたる海域が、異例に暖かかったんですね。この台風発生と前後するように発表されたのが日本の南の海域で今年8月の海面水温の値が観測史上過去最高を記録したということでした。」 

KATSUMIさん「天気予報なんか見てても、暑さを表す画面が(高温を示す)赤でいっぱいでしたもんね。海面の暑さがわかりました。」

藤井さん「関東の海域から沖縄の東の海上にかけて海水温が30度に達していたんですよね。台風は、海から立ち上る水蒸気をエネルギーとしてどんどん成長していきますので、海が暖かいほど発達しやすくなります。しかも8月以降立て続けに台風が発生しているんですが、実は今回のように日本の真南ともいえる場所で発生したのは、おそらく今年初めてです。それまでに台風が通過していれば台風によって海の水が多少かき混ぜられて、底の方の冷たい水も湧き上がってきたりするんですけれども、今回の台風10号は記録的に暖かいとされる海の上を進んできた初めての台風ということです。これまで蓄積されてきた熱を存分に補給しながらやってきたということになります。」

異例の台風その3 進路が異例

藤井さん「さらに進路も異例でした。地図を見ると朝鮮半島の上を台風の中心が通りました。今回の10号が朝鮮半島に上陸するとなると、8号、9号、10号と3つ連続で朝鮮半島に進んだということになります。」

KATSUMIさん「ストレートに朝鮮半島のほうに台風が行くっていうのはあまりききませんよね?」

藤井さん「めったにないことなんです。実を言うと、8月は2つの台風がやはり朝鮮半島に上陸をしていました。1年間に5つの台風が朝鮮半島に上陸するというのはおそらく史上初ではないかと思われます。」

KATSUMIさん「この原因って何なんでしょうね?」

藤井さん「台風って自力で進めないので、高気圧があるとブロックされて進めないんですね。つまり高気圧が平年より強く日本付近に張り出したので。この高気圧に行く手を阻まれてその縁を回るように進んだ結果、九州の西の海上を進んだのかなと思われます。」

今年7月には豪雨、8月には記録的な猛暑となりました。これらは太平洋高気圧の影響ということです。まだまだ厳しい残暑が続きます。引き続き水分・塩分補給をしっかりして乗り切りましょう。防災グッズの用意も忘れずに!

HAPPYパンチ!
放送局:LuckyFM茨城放送
放送日時:毎週月曜 9時00分~12時55分
出演者:KATSUMI、大島千穂、藤井南美
番組ホームページ

ハッシュタグは「#ハピパン」

※該当回の聴取期間は終了しました。

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