常総水害から5年、いま常総市が取り組む防災とは?

毎週月曜日から金曜日までの午後5時30分から放送している茨城放送ニュース。「ニュースなニューズ」は茨城放送ニュースで放送するコンテンツのひとつです。9月10日『ミツコdeリラックス』内の放送では、5年前に発生した常総水害について取り上げました。

市内の3分の1が水に浸かり、犠牲者が出た常総水害の発生から9月10日で5年となりました。この日、鬼怒川の堤防が決壊した川沿いの三坂町では地元の住民や関係者が献花式を行いました。

献花式は正午過ぎから、神達岳志市長ら、関係者や流域の住民およそ20人が集まって犠牲者へ花を手向けたあと黙祷を捧げました。5年前の関東東北豪雨では、市内の3分の1が水に浸かり犠牲者が出て、大きな被害が出ました。

神達市長「国、県、また近隣の自治体また住民の皆さんとともに、この復旧・復興、ハード的な整備も含めて進めてまいりました。この鬼怒川の堤防も、サイクリングロードに生まれ変わって、5年前の水害と同じような雨量であれば、大丈夫なような堤防が完成いたしました。5年前を超える風水害というものも起こり得ます。その現実にもしっかり向き合っていかなければならないと考えます。」

そして自主防災組織の組織率100%を目指すとともに、今後の課題を挙げました。

自主防災意識の高まり

5年前の関東東北豪雨では常総市を流れる鬼怒川の堤防が崩れ、常総市内の約3分の1が水に浸かりました。また、ヘリコプターで救助された住民は約1300人に上りました。常総市ではハード・ソフト両面で緊急対策が進み、堤防のかさ上げのほか、新たな基準でハザードマップも作成されました。特に防災行動計画=マイタイムラインは、鬼怒川流域周辺で多くの住民が作成しました。

神達市長「自助・共助、自分の意識市民の意識っていうのが、マイタイムラインをやることによって、1日前、2日前、3日前、また何時間前どういう状況になるのかっていうのが、子供たちを含めてイメージができるんですね。何を持って逃げればいいのか、何が今一番重要なのかっていうものも自分で認識することができるんです。そういったものを子供達中心に、また自主防災組織中心にどんどんどんどん広めていきたいと思ってます。」

常総市はまず、行政としてのタイムラインを作成しました。気象情報や河川の水位などに連動して、取るべき対応を練り直しました。さらに下館河川事務所は他の流域の市と町で構成する協議会で、マイタイムラインを2016年に考案しました。川から自宅の距離、家族構成などをもとに、いつどのように避難するかを住民単位で決めておく行動計画作りのことで、2017年からは住民向けのマイタイムライン作成講座を200回開催しました。さらに小中学校の防災訓練でも取り入れたほか、ほかの市民に作成を指南するリーダーも育成しました。

常総水害の発災後、常総市に問われたのは災害対策本部のあり方でした。災害対策本部がうまく機能せず、避難の呼びかけが後手に回りました。決壊後の水流は激しく、常総市の避難指示は堤防決壊後になってしまいました。常総市は台風19号の際、一つの部屋に市と関係機関の職員が集まって情報共有するなどして、教訓を生かした行動をすることができたとうことです。

神達市長「5年前の水害で一番課題だったのは対策本部のあり方でした。この対策本部はもう完全にリニューアルが出来ましたし、第三者を交えた消防機関との連携を取れるようにもなりました。また、様々な情報伝達手段というものの体制強化も含めて、対策のあり方も随分できてきたなという風に感じております。」

常総市では自主防災組織の結成率を上げて、住民の防災意識を高めようという取り組みが続いています。地域の住民同士が共に助け合って命を守ろうという共助の意識が高まっているということです。この現状について常総市防災士連絡協議会事務局長の須賀さんは、

須賀さん「町内だけじゃなくて、市内全域に(この意識を)広めようと日々努力をしてるわけですね。私は常総市防災士連絡協議会の事務局長もになっていまして、その関係で住民の皆さんに啓発活動、及び自主防災組織を作りたいけどどういう風に運営したかわからないな、と悩みを抱えているところに頻繁に出かけています。ただ、コロナウイルス感染症の影響でその活動が立ち消えになってしまっている状況でして。頑張って自主防災組織を作ろうと思ってるところでこの状況になってしまったので、非常に残念です。早くコロナが治ればまた進展があると思います。地域皆さんの自治区長さんたちの意識はかなり高くなってきてると思っています。」

共助の他に、一人一人が自分を守る“自助”も大切です。常総市商工会青年部長の相山さんは、

相山さん「マイタイムラインを難しく考えている人って多いと思うんです。子供たちもそうですが、高齢者の方々も。私は体で覚えてもらいたいと思っているんです。それで、この防災グッズがあるわけなんですが、実は全て100円ショップで用意したものなんです。災害を経験したことのある地域の人はある程度の防災意識を持っているんだと思います。その経験をしたことの無い人は『うちの地域が災害にあうわけないだろう』と考えている人も少なからずいると思うんですね。そういう意識を変えて、防災について考えてほしいと思っています。」

自らの体験をもとに、100円ショップで買い求めた防災に役立つ様々な用品で非常用持ち出し袋の中身を充実させれば、子供が面白がって親を巻き込み、家族で防災意識が高まると訴えて、商工会は県内各地で講演などを続けているそうです。

同じ災害はやってこない

防災にやりすぎはありません。以前と全く同じ災害というのはやってこないからです。

須賀さん「常総市はどこに行っても避難所の1階がが駄目になってしまうんです。つまり乗っていた車が全部水没してしまうという、命だけは助かるというような避難所では、市民の方が逃げる場所にはならないんじゃないかと思うんです。そうなると高台の避難所に人が集まるわけですが、『ここはもういっぱいですから別の場所に行ってください』状況が発生してしまいます。そういったものを解決していかなくちゃいけないなと思っています。」

2015年の常総水害では、多くの避難所が水没して今現在も豪雨の時に本当にその避難所が使えるのかどうか見直す必要があると指摘されています。常総市は新型コロナの感染が広がるリスクを想定して、市内の避難以外にも様々な避難先に地域の人たちが分散して避難することを呼びかけています。近隣の市町村にあらかじめ避難所設定し、分散避難をするということも考えていく必要がありそうです。

ミツコdeリラックス
放送局:LuckyFM茨城放送
放送日時:毎週木曜 15時00分~18時30分
出演者:林美津子
番組ホームページ

※該当回の聴取期間は終了しました。

政策活動費透明化を明言しない首相の態度に武田砂鉄氏「我々はなめられている」

4月23日(火)の大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)では、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた政治改革の論点のひとつである「調査研究広報滞在費」を巡り、その在り方について岸田首相が自民党に各党と議論するよう指示したという毎日新聞の記事を取り上げた。

番組では、使途を公開する必要がない「調査研究広報滞在費」の飲食費へ流用が問題視されていることを受け、日本維新の会などの野党が抜本的改革を宣言しているのに対し、岸田首相は「支出可能経費の確定と支出の公開の在り方について議論の再開」を指示したという毎日新聞の記事を紹介した。また同記事では、岸田首相は「政策活動費」の透明化についても具体的な方向性は示さなかったと書かれている。

フリーライターの武田砂鉄氏は、自民党以外の党が制作活動費について改革すると言っているのにも関わらず、今回(裏金事件で)一番問題となっている自民党が改善案を示さず、内容をオープンにできないと早速言い始めているので、我々(国民)はなめられているのだと話した。

番組パートナーの小島慶子は政治の世界で多用される独特の言い回しに触れ、「設ける方向で検討」等のぼかされた言い回しから、政治家は(改革を)やる気がないということが窺い知れると発言し、武田砂鉄氏も「政治で使われる言葉使い、それを報道する新聞の言葉使いもそうだが、(独特の)言い回しに慣れすぎてはいけない」と語った。

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