orono x 小田部仁「人生は多分、一瞬の『最高』を追いかけるだけ」

写真左から小田部仁、orono ©InterFM897

多国籍ポップカルチャー・ジャンキー集団、Superorganismの日本人ボーカルoronoが、毎週火曜日よるのInterFM897でDJを務める『Oh Wow, Very Cool!』。9月12日の放送は、ゲストにライターの小田部仁さんを迎えてお送りしました。

ビーチステージのサマソニ。バイヴスが超良かった

小田部仁(以下、小田部):夏はどうよ。サマソニだったでしょ?前日、大阪で。

orono:その前、韓国。

小田部:その前、韓国?

orono:うん。3日連続。

小田部:大阪行ったけどさ、みんなの疲れ具合が半端じゃなくてさ。Emily(シンセサイザー)とかもう目がほんとおかしくなってて、怖かったもんなんか。

orono:Harry(ギター)の目がピクピクしてた。3日連続。

小田部:寝不足とストレスだよね、完全に。どうだったのサマソニのライブは?俺どっちも見たけど。

orono:よかった。

小田部:東京の海が近くにあってさ、すごいいい感じだったじゃん。

orono:バイヴス超よかった。

小田部:しかも日暮れでさ、すごいいい感じになってきたところでお前の出番だったじゃん。しかもトラブルあったじゃん、最初の方に。だからさらに日が暮れて単純によかったよね。

orono:うん。よかった。Ruby(コーラス等)とビーチツアーやろうぜって話してた。

小田部:なにそれ。

orono:ビーチの横でしかやらないツアー。

小田部:楽しそう。湾岸沿いを下ってくツアーね。

ヨガは難しくない、呼吸すれば届く

小田部:CHAIも出てたけどどうだった?

orono:バックステージが良かった。

小田部:良かったじゃん。CHAIとは久しぶりに話したでしょ?

orono:話したけどさ。忙しいじゃん、結局フェスって。ちゃんと話せないじゃん。だから大した話じゃない。

小田部仁:いい出会いとかあった?

orono:CHAIの音響。

小田部:タカ?

orono:そうそう。彼はSuperorganismの日本のモニターやってくれる。あとは韓国も来てくれて、タカ最高。

小田部:わかるわかる。去年の11月にツアー回った時も、なんかさ音響のレオンと音響デート行ってたじゃん。音響機器について話すデートみたいな。コーヒー飲みながら。あの仲良くなり方すごいいいよね。

orono:うん。タカ聴いてるかな?ゲストに呼びたいんだって昨日思った。

小田部:いいじゃんいいじゃん。

orono:タカすごくいいよ。爽やか。

小田部:笑顔も可愛いしね。

orono:タカと小田部なにが違うかって話になった。母親と。母親もね、タカと会ったの。紹介して。で、母親があの人いい人ねって言って、それでなんかわかんないけど、小田部と比較することになって。

小田部:タカはさ、彼氏としても旦那として紹介しても恥ずかしくない男だよね。

orono:Yeah.

小田部:でも俺とかだったら警戒されるじゃんやっぱ。顔か、やっぱり。タカはセクシーバスターズだからね。可愛いし。ていうか基本的にお前の母さん、俺に対して否定的だよね。隠れていうじゃん、しかも。直接言って欲しい。

orono:いやそれはね、心配してるからなんだよ。小田部のことが好きだから言ってんだよ。

小田部:ほんと少ししか会ってないのに、見抜かれてんのなんだろうね。じゃあ心配してくれてるんだ。こんな奴を。俺、朝起きたら死にたいってずっと思ってたもん。

orono:さっき言ってたよね。

小田部:冷やし中華食いながらね。びっくりするんだよね、毎回朝起きるたびに「あ、俺死にたい」って。なんでだろう。

orono:でも病んでもないんでしょ。

小田部:そう。だから友達がいないとか仕事がないとかそういうことでも別になくて。理由無しで死にたいみたいな。人生に飽きてんじゃないかって。

orono:飽きてんだよ。だって暑いじゃん、まず。やる気なくなるじゃん。なんでこんな暑い中生きてんだって。

小田部:そう。それでヨガをしろって。

orono:してんの?

小田部:してる。すごいいい気分になる。死にたいと思って、すぐヨガをする。

orono:でしょ。すぐ良くなるでしょ。ヨガすごくない?呼吸なんだよ。ちゃんと呼吸したら大丈夫なんだよ。

小田部:そう。それでね、この間ベトナムに行ってきたのよ。旅行も兼ねて。ベトナムに行ってきてマッサージを受けたの。そしたら異常な息がフワーッて出てきて、マッサージの人に笑われたの。堪え切れなくて、やっぱ溜めてんだなって。吸うこともそうだけど、吐くこともできないみたいな。人間って、吸ったり吐いたりしないと気分落ち着かないじゃん。それすごい大事だなって思った。

orono:ヨガって変わるよ。変わった?

小田部:人生はまだ変わってない。まだ一週間くらいだもん。でも、朝起きてちょっとヨガするみたいな。太陽礼拝のポーズみたいな。お前はどうやってやってんの?

orono:行くんだよ。

小田部:ヨガトレーニングに行くの?なんかそういうのがあるの?

orono:一回千円とかでいけるやつあるよ。なんかヨガインストラクターがいて。簡単なんだもん全部。難しくないよ、ヨガって本当に呼吸すれば届くんだよ。

小田部:そんな強く言われても。

orono:体硬いとか行ってやらない人とかいるけどさ。17歳の時にやり始めたの。毎週。

小田部:意外と早いんだ。でも俺とヨガとか一生やんねぇとか思ってたけど。そんなモデルみたいなこと。

orono:いや、モデルにならないといけないんだよ。

小田部:なに言ってんだお前。

orono:水いっぱい飲んでさ、お湯入れてさ。野菜たくさん食べてさ、それでいいんだよ。

小田部:それで終わり?

orono:写真でも撮ったらいいじゃん、音楽聴いてさ。

小田部:そういうの嫌いじゃん。インスタとか。

orono:インスタに載せなくていいんだよ。自分のためにモデルになる。自分だけの写真集作ったらいいんだよ。作れるじゃんフォトブックみたいな。

小田部:自分のためだけに?モデルではないだろ。だって広告がいるじゃん、モデルって。

orono:いやだから、モデルのなんていうかこう。

小田部:メンタリティ?

orono:そう!それを持とうっていう話。

人生は多分、一瞬の「最高」を追いかけるだけ

orono:でもお前、幸せになりたい?

小田部:わからない。幸せってなんだ。

orono:いや私は、幸せになりたいよ。

小田部:お前手綱を離すんじゃないよ。幸せになりたいって質問はどういう意味なの?

orono:わかんないんだ。

小田部:わかんないんだよ。だって仕事とかも羨ましがられるような仕事やらせてもらってるし、でもそれが幸せかって言われると謎じゃん。お前といるときは幸せだけど。

orono:考えすぎだよ。

小田部:それは言われた。なんなんだよ。お前に考えすぎって言われたら終わりだろ。

orono:でも幸せって感じるときわかるでしょ。

小田部:でもさ、考えない?幸せを感じてる時にこれをdeserveしていいのかって気持ち。

orono:そんなんどうでもいいんだよ。感じた時に、ああこれ最高みたいに思わないの?

小田部:思うよ。

orono:それだよ。この感情を追いかけるだけだよ。人生は多分。

小田部:それはすっごい昔に大学生の時にも言われたの。俺のライターの師匠がいて、すっごい良いライブを見て感動したんだけど。なにも言ってないのに隣のライターの人が、お前はこれを200%楽しんでないと、この瞬間をエンジョイしないと本質がわかんねぇぞって。以降それが人生のテーマになってる。でも考えてしまうのはあるよ。

orono:だから幸せを欲していないんじゃない?考えすぎてる。そういう性格だから。

小田部:そういう人はいてもいいと思う?どうなの?

orono:いてもいいと思うよ。不可欠じゃん、そういう人間って。いやでもね、友達だからお前に幸せになって欲しいんだよ。わかる?だから考えるのやめていいと思う。

小田部:そうだよね。考えすぎなのかな。

orono:でも、お前考えすぎだよって言われるの、すごいムカつくよね。 

小田部:わかる。いや考えるだろって思わない?だって考えなくなりたいがために辛いんじゃん。そうなりたいから辛いのに、考えるなよって言われても。

orono:全然、helpfulじゃないよね。

小田部:生きてるの辛いなら死ねって言われてるのと同じような気がするっていうか。

orono:でもそれはさ、それ言われてたまにスッキリしない?

小田部:たまにスッキリする。いいんだって思う。でも考えなくていいんだって思うんだけど、家帰ってお茶飲むとウーンみたいな。同じことの繰り返しなんだよね。でもそういうのももういい、疲れたって思うようになった。もう29だし。年齢関係ないけど、ちっちゃい頃からずっとそうだから。物心ついた時からこれはなんなんだ、みたいに色々考えすぎて、その一瞬を味わってるとは思うんだけど。余計にその経験が密になってる気がする。例えば今話してることとか、oronoと友達でいるってこととか考えすぎた分だけ自分の中で重みが出てくるというかそういう感じもある。表裏一体なんだけど、ほんとどうでもいいねって思うときもめっちゃある。

orono:今後の目標は?

小田部:それは考えることに時間がいるわ、そのことに。どうなんだろうね。お前はどうだったの?この夏、実際。人生最高の夏だと思ったって言ってたでしょ。なんで人生最高の夏だと思ったの?今年の夏はいい感じだったんですか?言えよ、人生最高の夏だったってよ。

orono:いや自信持てない。なんでかっていうと、2013年を超える夏はもう来ないって決めたの、13歳の時に。だってわかってたの。闇が来るのを感じたの、2013年の夏、楽しすぎて。

小田部:2013年の夏はどんな夏だったの。

orono:フジロック。音楽に溢れた年だった。

小田部:そんな楽しそうに見えなかったけどね、あの時の君は。楽しかったんだ。

orono:楽しかった。

小田部:じゃあその時にはエピックな年だって思ってたんだ。だから今年はそれに匹敵するくらい楽しい夏だったんだ。

orono:うん。

小田部:何してたのこの夏は。

orono:7月は半分アリゾナにいた。友だちのところ。そのあとロンドンにいた。

小田部:ロンドンにもその友達が一緒に来たんでしょ?じゃあその友達とずっといて、もうすぐツアーも終わるってところだったから楽だったのかな、気持ち的にも。

orono:そう。そんなにライブもなかったしね。だって3本だよ。

小田部:ようやく終わるね。

orono:やっとだよ。

小田部:なんだったんだろうね、こんな世界中回り続けてさ。

orono:じゃあ、わかった。この夏8月のライブで一番楽しかった国当ててみて。

小田部:ロンドン。

orono:ブッブー。エストニア。

小田部:なんで?

orono:わかんない。めっちゃ楽しかった。エストニアはんぱないよ。ヘッドライナーでもなかったのに満員で、森の中のフェスで、家族連れが多くて犬がいっぱいいるの。ヘッドライナーじゃないのにヘッドライナーみたいなバイヴスを受けた。ずっと叫んだもん、エストニア人。なんなんだろうエストニアって。

小田部:バルト三国の1つで、なんか綺麗(きれい)な人多くない?あそこって音楽的にどうなんだろうね。あんまり聞いたことない。きっと有名な人いっぱいいるんだろうけどわかんない。そんな倍率すごかったんだ。

orono:エストニアやばいよ。

Oh Wow, Very Cool!
放送局:interfm
放送日時:毎週木曜 23時00分~23時30分
出演者:orono (Superorganism)
番組ホームページ

メール:orono@interfm.jp
ハッシュタグ: #orono897

※該当回の聴取期間は終了しました。

松任谷由実、大坂なおみ選手の試合を観て...新曲『深海の街』誕生エピソードを語る

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。注目の新譜・いま注目すべき名盤・話題の来日アーティストなど、様々な旬のトピックを週替わりで4日間かけて掘り下げていくコーナー「FEATURE TOPICS」。この週は、ユーミンこと松任谷由実を特集。

特集初日となる9月16日(月・祝)のオンエアでは、9月18日(水)にリリースする新曲『深海の街』について、松任谷からのコメントをお届けした。

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■大坂なおみ選手の試合を観ていて...

『深海の街』は、ニュース番組『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京系)のエンディングテーマ曲として書き下ろした。

松任谷:『ワールドビジネスサテライト』は他のニュース番組と違って、殺人事件やスキャンダルを扱ったりはしないんですね。経済中心のホワイトカラーな番組で、しっくりきて、よく観てたんです。「私だったらエンディングテーマにこういう曲を作るな」ってなんとなく思っていたら、以心伝心でお話をいただきまして、やってみようとかねてから思っていた感じを音にしました。

『深海の街』を作る際に影響を受けたのは、ベルリンを訪れたときの経験だった。テクノ系のクラブに行き、しばらくテクノミュージックの中に身を置いたあと、松任谷はアテンドしてくれたDJの車に乗った。

松任谷:車に乗ったらチルアウト系のエレクトロというか、メロディアスな曲たちがすごく入り込んできたんですね。「ああ、こういうのをやりたい」と思って。新しい音質ではあるんだけれど、やっている感じは、私自身も80年代初頭にかなり入り込んで作っていた、AOR・フュージョンの雰囲気だったんですね。それをぜひ今の感じで音にしてみようと思って、『深海の街』を作りました。

松任谷は歌詞について「首都高などの都会的な夜景の海を自由に泳いでいるような、脳内リゾートのイメージ」と語る。

松任谷:歌詞を作るとき、すごく悩みまくっていた時間にですね、たまたま大坂なおみさんの全仏かな? その試合をテレビで観てまして「渾身のストローク」っていうのが心に刺さりました。「泳ぐ」という「ストローク」とテニスの「ストローク」。「ストローク」っていう言葉はいいなと思って。動作と動作の間に目に見えない曲線が描かれるような、サウンドも歌詞もそんな感じになっています。

番組では新曲『深海の街』を流した。


■ユーミンの全423曲が新たに生まれ変わる!

松任谷は、荒井由実時代の楽曲も含む、これまでに発表した全423曲のハイレゾ音源の配信を、9月18日(水)よりスタートする。

松任谷:物理的なことはわからないけれど、エンジニアのGOH HOTODAさんがすごいエネルギーを使って、半年以上かけてかかりっきりで、香り立つような奥行きの深いサウンドにして生まれ変わらせてくれました。曲をリリースしたとき、作ったときの感覚っていうのが、私自身でも蘇るようです。映像的って言われますけど、本当に聴いてくださる方に映像が届くこと請け合いです。ハイレゾで私のナンバーを聴いてもらったら、新しい世界が423個、ワーっと広がると思います。

番組では「ユーミン423曲ガチャ」という企画を試みた。423曲の曲名が入ったボックスの中から、あっこゴリラがランダムに1曲をセレクト。

あっこゴリラが引いた、1997年12月5日リリースの29thオリジナルアルバム『スユアの波』から『人生ほど素敵なショーはない』を番組で流した。

特集2日目となる9月17日(火)のオンエアでは、あっこゴリラがどのナンバーを引き当てるのだろうか。ぜひ続けてチェックしてほしい。

『SONAR MUSIC』のワンコーナー「FEATURE TOPICS」では、様々な旬の音楽トピックを週替わりで4日間かけて掘り下げていく。放送は月曜~木曜23時頃から。お楽しみに。

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【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

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