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InterFM897のEnglishプログラム、『THE GUY PERRYMAN SHOW』、10月7日は、ゲストに東京国際映画祭プログラミングディレクターの矢田部吉彦さんをお迎えしてお送りしました。聞き手は、Guy Perrymanと渡辺麻耶です。

約1,800本のエントリーから厳選された14本の作品が賞を競う

渡辺麻耶（以下、渡辺）：矢田部さんには第32回東京国際映画祭の見どころをたっぷりお伺いしたいのですが。よろしくお願いいたします。

矢田部吉彦（以下、矢田部）：よろしくお願いいたします！

渡辺： 先月末ラインナップ発表会が行われて、今年の作品が出そろいました。改めて今年の特徴はいかがですか？

矢田部：やはり新しい作品を世界中から集めているということではあるんですけど、今年は新たにアニメーションの部門を作ったり、昔のSFXの作品をリマスターしたものを見せていったりとか、野外上映も充実したりとか。ありとあらゆる世界中の作品が揃ってるというのが特徴だと思います。約1800本くらいが検討の対象になりまして、そのうち映画祭で発表されるのが200本前後。私が担当しているのはそのうちの半分です。

渡辺：すごい数ですよね。

Guy Perryman（以下、Guy）：選ぶのも大変だよね。どういう基準で作品を選んでいるのかっていのうは去年も聞いたけど、その時は「心を動かす・心に響く何かがある作品だ」って話していたよね。

矢田部：それもあるんですけど、やっぱり今年は映画監督がチャレンジングな表現をしていて、かつエンターテインメントであること。考えさせられるところもあるんだけど、やっぱりエンターテインさせてくれる作品が一番残るかなということを考えながら選んでいましたね。なるべく多くの国から集めたいと思ってるんですけど、ヨーロッパ、中東、東アジア、アメリカ大陸といった感じで世界中から集めています。

渡辺：やっぱり国によってのカラーっていうのも面白みの一つなんでしょうか？

矢田部：不思議なことにその年によって当たり年というのが違って、去年はイスラエルの作品がとっても面白かったんです。今年はなぜかイラン映画に面白いのがたくさんあって。不思議ですね、なぜか面白い作品が集中する傾向にあります。

渡辺：今年はイラン、注目ですね。

矢田部：イランもそうですけど韓国とか香港とか、今ニュースになっている国を、映画を見てより深く知るというのはとてもいいと思いますし、そういう国々の作品を今年もたくさん扱っています。また、女性監督も目立ってきたような感じがします。とても対照的な2本の作品があるんですが、その1本がノルウェーの「ディスコ」という作品。ディスコダンスで優勝する19歳の女の子が主人公で、とても激しいダンスなんですが、スランプに陥るんです。彼女の家が極端なキリスト教信仰に傾倒していて、娘がスランプに陥るとより深い信仰を押し付けてくる。カルト的になってくるんですが、彼女がそれをどうサバイブするかという内容で。ただ見た目はとても美しい映画ですが、描かれている内容は恐ろしいという、これは本当に面白い作品でした。もう1本、デンマークの「アンクル 私の叔父さん」というのも女性が主人公なんですが先ほどの作品とは全く対照的で、こちらは農家の姪が、ちょっと身体の不自由な叔父さんとともに住んでいて、姪はとても叔父さんを大事にしているんですが獣医になる夢があって。獣医の夢を追求したいんですが一方で叔父さんの面倒も診なければいけない、そのジレンマに悩み彼女がある選択をするんですけど、胸が締め付けられるようなとてもいい話で。この2つは女性が主人公で対照的な作品ですがとっても面白いです。

Guy：今週は、コンペティション部門にフォーカスしてるけど、今年の審査委員長は？作品だけじゃなくて審査員選びも大事な仕事だよね。

矢田部：今年は女優のチャン・ツィイーさんを審査委員長にお迎えします。じつは1年中、いろんな人と会う時に、この人に審査委員をお願いしようかなとか常にそんなことを考えたり意識していますね（笑）。

※該当回の聴取期間は終了しました。