柴咲コウ「2日前に誘われて海外に行ったり、休むことも仕事の一環」

写真左からShaula、柴咲コウ ©InterFM897

表参道Aoの情報とともに、毎週ゲストをお迎えするInterFM897土曜午後のプログラム『表参道Ao 10th Anniversary Presents Oshare Life』(DJ: Shaula)。10月12日は、女優の柴咲コウさんをゲストにお送りしました。

猫とは言葉は交わしあえないけど、通じ合ってるなって

Shaula:はじめまして~!よろしくお願いします。

柴咲コウ(以下、柴咲):よろしくお願いします。

Shaula:今回は本をリリースしたということで。

柴咲:ライフスタイルブックっていうのを書いたのは初めてです。

Shaula:本のなかで「お金の使い方は様々だけど、一番家に使うタイプだ」って書かれてて、私もそうなんですよ。昔から住むところって大切だなと感じてて。人の家を見るのも大好きで。家を決める時って何が一番大切です?

柴咲:インスピレーションが大事だと思ってて。でもそこには光と循環する風とかが大切で、窓が開かなかったり高層ビルとかはイヤですね。

Shaula:木とかも結構家に置いてありますもんね。

柴咲:そうですね。テラスにも置いてますし。これからは家庭菜園もやりたいんですよね。

Shaula:何を育てたいんですか?

柴咲:小さいものから。プチトマトとか。あとゴーヤとか。

Shaula:ゴーヤのグリーンカーテンとかいいですよね。家庭菜園みたいなことって以前にもやってらっしゃったんですか?

柴咲:いいえ全く。でもゼロヒャクな人間なので、どうせなら畑でやってみようかなとか(笑)。耕したいってところからはじまっちゃいますね。

Shaula:面白い(笑)。となると土にこだわったりとか、そこからやりたい?

柴咲:やりたい!

Shaula:畑が欲しい?

柴咲:欲しい!

Shaula:そういう話になってきますよね。先ほどダイソンの掃除機を使ってるって話ありましたけど、片付け魔なんですか?

柴咲:そうなんですよ。

Shaula:羨ましいです。

柴咲:そうですかね?おせち作るのとかも好きで、年末に作ったり。そこで作るよりも詰めるのが好きだって気づいたんですよ。掃除も片付けしてこれをどこに戻そうかとか決めるのが好き。

Shaula:私みたいな片付けができない人に向けてアドバイスとかありますか?

柴咲:買うところから始まるんじゃないですか?買うときに最後まで責任が持てるかだと思います。動物飼う時も同じですけど、最後まで可愛がれるかってちょっと考えてみると管理できるかなと思います。

Shaula:物を大切に使うと大切に扱う。

柴咲:私、食器が好きなんですけど、どういう風に使ったらいいかどこにしまったらいいかとか、それが想像できないとちゃんと使ってあげられないというか。

Shaula:本ですごくグッときた部分が、お母様を亡くされて、そのタイミングで猫を飼い始めたというところで。どういう経験でした?猫を飼い始めた時は。

柴咲:今ほど知識はなくて、父と一緒に暮らしていたので、父の悲しみも見ていて、そこで捨てられてる猫を保護しませんかってお話をいただいたんですけど。自分が生まれ持った家族以外と暮らすってことが初めてだったし、生態もわからない中手探りでした。責任を持って飼っていくっていうのは挑戦的ではあったんだけど、それ以上に癒しをもらって。初めて飼った猫ちゃんはまだ生きてるんですよ。父の家で。

Shaula:ブックにも写真がありましたよね。だから長く一緒に生きていくっていういろんなストーリーが繰り広げられていくじゃないですか。それはすごく感慨深いですよね。

柴咲:人間ではないので言葉を交しあったりはできないけど、通じ合ってるなとかわかってくれてるんじゃないかって感じたりとか。セラピーを受けているような感じはありましたね。

Shaula:ほんとにおっしゃる通りで。私もたまに家にいるときに「うちの猫、喋れないのか」って思うことがあって。当たり前なんですけどあまりにも通じあってるような気がしていて自分でも驚いちゃったり。

柴咲:確かに!

Shaula:インスタグラムを見てて、猫の写真とかアップされてますけど、ハッシュタグでFIV(猫免疫不全ウイルス感染症)っていうのをつけていらっしゃっていて、そこをオープンにして意識を高めるっていうのはどうお考えですか?

柴咲:病気のことって躊躇(ちゅうちょ)しちゃうしそういうリスクもあるんだなって思って、飼おうと考えていたけどやめる人もいると思うんですけど。それは病気の認識が広がっていなくて不安になるからだと思うんです。だからそれを知れば怖いことではないよとか、もちろん死んでしまうことはあるんだけどそれでも彼らの幸せを考えてあげられるかっていうところで。救える命もたくさんあると思うので、まずは知ってもらうのが大切かなと考えています。

Shaula:里親になろうという方とか、どの子にしようと思ってる人が、「猫エイズなのか、じゃあダメか」っていうのをなくさないといけないですよね。

柴咲:病気の名前のインパクトって強いから。でも調べていくと「そんなに強い菌じゃないんだ」とか「キャリア持ってる子同士なら一緒に飼えるんだ」とか選択肢は広がるなとか思っているし。私もオフィスにいる猫ちゃんが猫エイズなんですね。でも発症はしてなくて元気で。ストレスには気をつけていますけど。

Shaula:オフィス猫。動物を職場に連れてくるっていうのは海外では割と普通にされていることですけど、日本ではまだ感覚が身についてないじゃないですか。

柴咲:いろんなスタッフのアレルギーの問題とかもあるので理解や協力は必要なんですけど、お家で自分が飼っていてもセラピー効果は実感していますし、リラックスしていろんなアイデアを出せるのが大切な場面もあるので、そういうときに動物がいると和やかになると思います。

Shaula:そういうところ以外で動物と一緒に暮らすのはどこが魅力的ですか?

柴咲:そんなにベタベタするのが好きじゃないんですけど。猫は甘えん坊ちゃんとかでもそれなりの距離が必要で、自分の時間を大切にしている生き物だなって思って。そこが私にぴったりくるところです。

2日前に誘われて海外に行ったり、休むのも仕事の一環

Shaula:以前テレビで見たんですけど、朝起きて「今日は海外に行きたいな」って思ったらひらめきでそのまま動くって。

柴咲:そうですね。さすがに仕事の兼ね合いもあるけど、過去には2日前に友達に海外旅行に誘われて、そのまま行くとかはありました。

Shaula:これなかなかできないですよね。昔からそういうタイプでした?思いついたらさっと行動する?

柴咲:そうですね。車に乗りたいと思ったら行き先は決めずに車に乗ったりとかしますね。

Shaula:本の中でも行った場所で好きだった場所、今後行きたい場所とか、こういうのも参考になるなと思いました。

柴咲:温泉が大好きで。温泉も本に載せてます。

Shaula:温泉好きなんですか?

柴咲:もう週末どこ行こうかなって考えて、予約が取れればすぐいく。

Shaula:自分に休みが必要だなって思うタイミングってあります?疲れてるなって感じるとき。

柴咲:あります。ここ2、3年ぐらいずっと疲れてるなって思います。

Shaula:長くないですか(笑)?

柴咲:やりたいことがたくさんあるから。でも、それもメリハリできちんと休まないと新たなアイデアも生まれてこないかなと思っていて。なので本にも載せてるように、温泉行って休んだりするようにしていますね。だからある程度は、休むのも仕事の一環と思っています。

表参道Ao 10th Anniversary Presents Oshare Life
放送局:interfm
放送日時:毎週土曜 14時00分~14時30分
出演者:Shaula
番組ホームページ

メール:oshare@interfm.jp
ハッシュタグ:#オシャレ897

※該当回の聴取期間は終了しました。

みかんに魅せられた大学生、異郷の地で大挑戦「多くの人においしいみかんを食べてほしい!」

暦の上では春になっても、まだまだ「こたつ」が恋しい時期です。こたつに入ると食べたくなるのが、やっぱり「みかん」。

ただ、どんな方がみかんを作っているのか、あまり知らない方も多いと思います。今回は、果物好きが高じてみかん農家になった、北国出身の若い男性のお話です。

赤山大吾さん

それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。

昔、東京と沼津の間を結ぶ電車を「湘南電車」と呼んでいた時代がありました。車両のオレンジと緑のカラーは「湘南色」、俗にみかん色とも云われてきました。今はだいぶ本数も減りましたが、東京駅のホームに、「沼津」と行先が表示されると、何となく、潮の香りと柑橘系の爽やかな香りが漂ってくるような気分になります。

その静岡県沼津市・西浦地区は、駿河湾の最も奥まった所にあって、海越しの富士山を望むことが出来る、風光明媚なみかんの産地として知られています。看板品種は、寿という字に太郎と書いて、「寿太郎」。この「寿太郎」を、今シーズン初めて作り上げて、出荷した男性がいます。

赤山大吾さんは、2000年生まれの24歳。赤山さんは、北海道・札幌のご出身で、小さい頃から果物が大好きでした。土地柄、みかんはあまり出回らないため、りんごを2個、まるかじりするのが日課。残すのは、わずかに芯の部分だけでした。

赤山さんは新潟の大学に進学しましたが、コロナ禍のために授業はリモートが中心。学ぶ内容も想像していたものと違って、あまり納得がいきませんでした。悶々とした日々を送る中で、赤山さんはたまたま近所のスーパーで「沼津・西浦みかん 寿太郎」と、ラベルが貼られた袋を手に取ります。

『寿太郎? 沼津ってドコ?』

赤山さんは、そう不思議に思いながら、家に帰って、さっそく皮をむいて、みかんの小さな袋を一つ、口のなかに入れると、いままでにない食感に感激しました。

『甘い! でも、甘いだけじゃない、甘みと酸味のバランスが絶妙だ!』

赤山さんは、「寿太郎」を食べて、食べて、食べまくりました。そのおいしさに満たされるうちに、自分でもみかんを作りたい気持ちが芽生えます。

沼津市西浦地区のみかん山(画像提供:JAふじ伊豆)

赤山さんは、居ても立ってもいられずに、寿太郎を出荷している沼津のJAに、直接電話をかけました。

「あの……、みかん作りに興味があるんです。教えてもらうことは出来ますか?」

2022年2月、赤山さんは大学を休学して、沼津にみかん作りの研修にやって来ました。地元の農家の皆さんも、北海道出身の赤山さんの挑戦に驚いたといいます。

その初顔合わせ、農家の皆さんは赤山さんの手を見るなり、思わず目を見張りました。

『おお、彼は本物だ! これだけみかんが好きなら、きっとやってくれる!』

そう、赤山さんの手は、みかんをいっぱい食べた、あの黄色い手になっていたんです。赤山さんは、西浦地区でもとくにおいしいみかんを作ると定評のある、御年80歳の大ベテランの農家の方に付いて、みかん作りを学び始めました。

「いいか、農家というものは、人に言われてじゃなくて、自分から動かないとやれないぞ」

「みかんは手間をかければかけるほど、ちゃんと応えてくれる。手間を惜しむな」

赤山さんは、師匠がかけてくれる言葉を一つ一つ噛みしめながら、その背中を追いかけていきます。厳しい言葉の後には、夕飯のおかずをおすそ分けしてくれたり、地元の皆さんの人柄の温かさも、故郷を離れた赤山さんには大きな励みになりました。

赤山大吾さん

籍を置いていた大学にも退学届を出して、退路を断った赤山さんは、2年間の修業を経て、2024年1月、晴れて独立を果たします。高齢でみかん作りが難しくなった方のみかん山・およそ1.5ヘクタールを借り受けて、自分の力が試される時がやって来ました。

いざ作り始めてみると、農家はみかんを作っていればいいわけではなく、事務手続きや生産計画作り、害虫や猛暑対策、アルバイトの雇用などを、全部1人でこなします。

それでも去年は概ね天候に恵まれ、周りの皆さんのサポートにも支えられながら、およそ1万キロの「寿太郎」が無事に実って、収穫することが出来ました。その出来栄えに、赤山さんも手ごたえは十分! 早速、地元の方に食べてもらうと、「おいしい!」と、味に太鼓判を押してくれました。

自分で収穫したみかんが出荷されていく様子を見て、赤山さんは胸が高鳴りました。

『自分で作ったみかんが誰かの手に渡っていく。ようやく自分で稼ぐことが出来たんだ!』

でも、赤山さんに収穫の喜びに浸っている暇はありません。まだ、みかんの管理に甘い点があったこと。そして、この冬は、越冬しているカメムシが多いため、今年は天敵への抜かりない対策が求められそうなことなど、しっかり気を引き締めています。

「もっとおいしいと言ってもらいたい! 多くの人においしいみかんを食べてほしい!」

その思いを胸に、赤山さんは2年目のみかん山に登ります。

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