小鼓の音はなぜ心に響く? 人間国宝・大倉源次郎が語る、約680年続く能楽の魅力

(写真左からゲスト:大倉源次郎(人間国宝・小鼓方大倉流十六世宗家)、パーソナリティ:岩瀬惠子)

9月23日(水)放送のラジオ日本『岩瀬恵子のスマートニュース』では、能楽囃子方小鼓方として活躍する大倉源次郎さんをゲストに迎え、能楽の魅力や伝統文化を次世代へ伝える活動について話を聞いた。

大倉さんは2017年、重要無形文化財「能楽」の保持者に認定され、いわゆる「人間国宝」となった。大倉家は代々、小鼓方として能楽を支えてきた家系で、大倉さんは16代目。能楽の歴史がおよそ680年、小鼓方などの分業が成立してから約550年とされる中、長い伝統を受け継いでいる。

番組では、実際に小鼓をスタジオに持参。小鼓は桜の木で作られた胴に馬の皮を張った楽器で、皮を長い年月にわたって打ち込むことで、音が柔らかく、まろやかになっていくという。大倉さんは、できたばかりの皮と約150年打ち込んだ皮を持参し、その音の違いを披露。小鼓には「チ・タ・プ・ポ」という4種類の基本的な音があり、左手で皮の張りを変えながら音色を生み出す仕組みを紹介した。

さらに大倉さんは、能楽を「難しいもの」と感じる人に向けて、能は本来、自分の心と向き合う芸能でもあると説明。能楽から歌舞伎や文楽、日本舞踊などへとつながっていった日本文化の流れにも触れ、「日本の伝統文化の原点を今も続けている」と語った。

伝統文化を未来へつなぐため、全国の学校で小鼓の体験授業にも取り組んでいる。子どもたちが実際に楽器に触れることで、音楽を五線譜だけで捉えるのではなく、日本音楽ならではの「間」や、そこから生まれるリズムを体感してもらうことが狙いである。

2025年の大阪・関西万博では、伝統文化に携わる人々とともに、日本の文化のつながりを紹介する大規模な企画にも取り組んだ。その後も、出演者を一人ずつ紹介しながら万博での取り組みを語り継ぐ活動を続けている。

番組の最後には、大倉さんがスタジオで小鼓の音色を披露。音の大きさだけではなく、「空気感を変える」ことが小鼓の大切な役割だと話した。沖縄の洞窟で演奏した際には、音の響きによって、約3万年前の世界へタイムトリップしたような感覚になったという印象的なエピソードも披露した。

大倉さんは、能楽を楽しむ際には「自分の心の中で新しい自分と出会っていくような感覚」で見てほしいと呼びかけた。伝統芸能を知識として学ぶだけでなく、音や空気を実際に感じることで、能楽の新たな魅力が見えてくるのかもしれない。詳しくはradikoタイムフリーで!

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