2 月のオトジャズ・ゲストは、誕生日を目前にしたTOKU!

(写真左から、TOKU、紗理)

リスナーからのこだわりのリクエストをもとに、往年のジャズを中心とした名曲・名演奏をお届けしている『オトナの JAZZ TIME』、通称 「オトジャズ」。
2 月第 1 週の放送は、かねてよりゲスト出演の話がありながら実現していなかった、ヴォーカリストでフリューゲルホーン奏者の TOKU が登場。ジャズとの出会いや、歌うことになったきっかけなど、TOKUの全貌に紗理が迫る!?

常にジャズ・シーンのトップを走り続けてきたTOKU

2000 年にソニー・ミュージックからデビュー以来、常にジャズ・シーンのトップを走り続けてきたTOKU。ヴォーカルとフリューゲルホーン、という日本で唯一のスタイルを貫いている。今回の放送では、その音楽の原点やバックボーンを語る 1 時間となった。
幕開けは、TOKU が尊敬するヴォーカリスト、フランク・シナトラをカヴァーしたアルバム『Dear Mr.SINATRA』から「Fly Me To The Moon」でスタート。ベーシストのロン・カーターとのデュオという録音。レコーディング・セッションの模様や、演奏後のハプニングなどエピソードを披露。スタジオの様子が目に浮かぶ。

TOKU の音楽背景

そもそも TOKU の音楽背景は、音楽好きな父が大きく影響しているという。中でも小 4 の時、父が家族全員を連れマイルス・デイビスの公演に出かけた体験が記憶に残っているそうだ。サッカー少年だったTOKU が音楽と直接接点を持つのは中学生になり吹奏楽部に入ったとき。すかさずコルネットを選択したのだが、「何故トランペットでは無かったの?」と問う紗理に、「隣の中学はトランペットだったが、肺活量の関係なのか、自分のところはコルネットだった。やりたいと思ったから。」だとか。歴史に If はないというが、トランぺッターTOKU が生まれていた可能性もあった?


吹奏楽からスタートした TOKU の音楽生活はその後、ロックやフォークなどをさすらったそうだ。そして小学校時代の体験が引きよせたのか、大学 1 年の時にバイト先でマイルス・デイビスのコンピレーション・アルバムを購入。コルネットを引っぱり出して“耳コピ”に没入したと言う。縁がありライブハウスのセッションに参加したとき、1曲しか知らない耳コピ曲を演奏したところ、「マイルスと全く同じに吹くんだね」と言われたのだとか。耳コピした曲がそもそも即興演奏であったことを教えられて驚愕。「こんな面白い音楽が世の中にあったんだ!」と感動して、そのときの思いが今の TOKU を創り上げているらしい。


その後の TOKU は浴びるようにジャズ音楽を聴きまくり、特に留学先の米・オレゴンでは、ジャズ・ピアノに長けたルームメイトのおかげで、彼のバンドに加わり毎週木曜日のライブに参加。自身の絶対音感を頼りに、ピアノの譜面からトランペット演奏のフレーズに置き換え楽曲を覚えていく、というような充実した音楽生活をおくったそうだ。
 

そんな TOKU が歌いだすことは、至極自然なことだったと言う。元々歌うことは好きでギターの弾き語りなどしていたが、チェット・ベイカーの存在を知り、歌声に触れたことが大きなきっかけだった。チェットのモダンなサウンドに惹かれ、彼の曲をレパートリーに加えていった。留学中に重宝したのは、近所のスーパーの店先で売られている$2.98 程のカセットテープで、とにかく聴きまくったと言う。

紗理のリクエストで、TOKU生演奏を披露!

番組のトリは TOKU のオリジナル楽曲「Love Is Calling You」。パリのミュージシャンと創り上げたアルバム『TOKU in Paris』(2020)から紹介する。
ここで紗理から突然のリクエストが。楽器を持参していた TOKU に「是非とも生演奏を」とお願いすると TOKU は快諾。「バースを思い出したらね」と言いつつ、フリューゲルホーンで奏でだしたのは、チェット・ベイカーもアルバムに収めたことのある、ミュージカル『Playboy in Paris』の挿入歌「My Ideal」。柔らかな音色がスタジオに満ちてくる。

 

ジャズから J-POP に至るまで、ジャンルを超えた活動をしてきた TOKU。デビュー以来 14 枚のアルバムをリリースしてきたが、その中から厳選した 32 曲を収めたアルバム『BESTOKU』を昨年リリースしたばかり。この 2 月 20 日には 50 歳を迎え、当日ビルボードライブ横浜でバースデイ・ライブを行うと言う。 TOKU が未来に向かって紡ぐ音楽にますます期待がかかる。唯一無二のスタイルを貫く彼 TOKU の一面を垣間見ることができる今週の「オトジャズ」も、どうぞお聞き逃しなく!

オトナのJAZZ TIME
放送局:ラジオ日本
放送日時:毎週土曜 23時00分~24時00分
出演者:パーソナリティ:紗理、ゲスト:TOKU

※該当回の聴取期間は終了しました。

民意で世界を変えるなら声を上げることも必要!?

「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、今週から新体制がスタート。月曜は小説家の山内マリコ、ジャーナリストの青木理、西川あやのの3人での放送となった。3月27日の特集コーナーは「民意は世界を変えるのか?」というテーマでお届けした。令和3年に、「国民のおよそ70%が『意見が政策に反映されていない』と感じている」という内閣府の調査結果が出ている。

青木理「18歳以上は選挙権があるけど(それ以下の)子供はないから、その声をどう政策に反映させるか、というのはひとつのテーマでしょうけど。国民のおよそ70%が政策に声が反映されていないと感じているというのは興味深いデータだと思うんですよ。いろんな形で民意を政治に反映させることができるけど、代表的なのは、申し上げるまでもなく選挙じゃないですか」

西川「はい」

青木「いまの国政選挙って、いろんな理由があるけど、投票率がどんどん下がっている。衆議院選挙も参議院選挙も、今度の統一地方選挙なんかも低いと思うんです。国政選挙ですら50%ぐらいでしょう? ということはいま小選挙区制なので、50%の半分は25%。25とればもう完勝なわけです。逆に言えば25%の人の意向しか反映されていない。投票してダメだったというならともかく、50%の人は、投票もしていないんだから反映されるわけがない、という。ちょっと皮肉な言い方をすればそういうことになる。70%が『反映されていないと感じる』というのはいろいろ問題があるんだけど、まずきちんと意思表示をしよう、というところから本当は問われるべきなのかもしれない」

西川「ただ全員の気持ちがマニフェストにあるわけじゃないというか。となると選挙以外の民意を伝える手段というのも考えられると思います。山内さんは公式的な声明を発表されたことがあって。これも民意を伝える手段のひとつでは?」

山内「そうですね。昨年あった、映画業界での性暴力報道を受けて、私を含めた18人ぐらいの作家さんたち共同で、映画業界の性暴力・性加害の撲滅を求めます、というステートメントをWeb上で発表して。そうしても基本的には変わらないけど、何人かの作家さんが連名でこれを問題だと思っていますよ、と発表したことで初めて取材できるようになる。マスコミの仕組みというか、報道はこうなされるんだな、というのを逆手にとったというか、揺さぶれたかな、と」

青木「こういうこと何度か経験あって。2016年に、いまも問題になっているけど……当時の高市総務大臣が、放送法に基づいて電波停止の可能性があるんだと国会でおっしゃった。そのときに僕も声をかけられて、テレビやメディアで発言しているキャスター、コメンテーターで声明を出そう、会見をしよう、となって。僕や鳥越俊太郎さん、田原総一朗さん、大谷昭宏さん、亡くなった岸井(成格)さんとかと記者会見をしたんですね。そのときに一部のジャーナリストの人たちは『そういうのには参加しない』と。なんでかと聞くと『僕たちは仕事の場できちんとコメントするのが役割だから、メディアで声明を出す、会見をする、というのはしない』と。それもそれでひとつの考え方、正論です。作家だったら……」

山内「作品で!」

青木「作品の中で表現しなさい、僕みたいな立場ならジャーナリスト活動の中で表現しなさい。そうでないと邪道じゃないの? という人もいるんだけど、山内さんがおっしゃるように何人かの作家たち、あるいはジャーナリストたちが集まることで取材のきっかけにもなるし、世の中に問題が伝わる。という点でいうとこれもひとつの民意の表出の仕方、とは言えるかもしれませんね」

西川「情報の受け手としては、そういうのを先導してくれると乗っかりやすかったり、意見を言うきっかけになったりもするかなと思います」

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