日産、中間期の営業益85%減~増収増益のトヨタとの大きな差

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月13日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。日産自動車が中間期で営業益85%減と発表したニュースについて解説した。

【日産、カルロス・ゴーン容疑者逮捕】日産自動車グローバル本社=2018年11月22日 写真提供:産経新聞社

日産自動車が中間決算を発表~営業利益は85%の減益

日産自動車は12日、2019年9月までの中間決算を発表した。本業の儲けを示す営業利益は前年の同じ時期と比べて85%少ない316億円。最終利益は73.5%少ない653億円だった。日産自動車は2020年3月までの年間業績見通しも大幅に下方修正している。

飯田)カルロス・ゴーン被告が進めた拡大路線の修正に取り組んでいるとされています。これはどう見たらいいでしょうか?

高橋)業界全体がどうなっているかを見ると、ライバルのトヨタはすごく儲かっているのですよね。

飯田)最高益を更新したということでした。

高橋)ただ、他の会社もあまりよくないので、世界経済の影響は受けているでしょうね。全体的に悪いけれど、日産の組織がガタガタなので、ライバルのトヨタは漁夫の利で儲けてしまったという構図にも見えますけれどね。

飯田)トヨタの決算を見ていると、最高益が出て相当儲かっているのだけれど、その利益を設備投資や自動運転に投資しなければ回らないのだ、ということのようですね。

【池袋暴走事故実況見分】池袋暴走事故の実況見分に立ち会う飯塚幸三元院長=2019年06月13日午前、東京都豊島区  写真提供:産経新聞社

実用化に至らない自動運転

高橋)トヨタの自動運転は、世界のメーカーのなかでは遅れている方でしょうからね。これからは自動運転ですよ。私も待っているのですが、高速だけでもいいから自動運転を出して欲しいと思っているけれど、なかなか商業車は出ませんね。

飯田)アメリカで自動運転の実験をしていて、初の死亡事故があった話が出ましたが、日本はそれに輪をかけて規制が厳しいではないですか。

高橋)はっきり言うと、人間とどちらが危ないかという議論なのですよ。人間だって死亡事故がたくさんあるのだから。

飯田)それこそ、池袋暴走事故もそうですね。いまだに「元院長」と表記していますが、書類送検されたのだから被告でいいだろうと思います。

高橋)あれだって亡くなった2人以外にも、たくさん怪我をされているのでしょう。それと比べたら、自動運転は遥かに安全だと思います。要するに比較の問題なのです。自動運転で1人の死亡者が出た期間に、通常の人が運転した死亡事故は何人だったか、という話です。より安全な技術を選ぶべきだというのが、私の言いたいことなのですけれどね。私自身、高速で何時間も運転するのは疲れます。せいぜい2時間が限界ですし、早く高速の自動運転が出て欲しいです。中途半端な自動運転ではいけない、とメーカーの人は言っているけれど、中途半端でもいいから早く欲しいです。

飯田)乗っていて、何かあったらすぐに介入できる態勢にあれば、リスクはコントロールできるのではないかという指摘もありますよね。

高橋)少なくとも高速ではできますね。

飯田)基本的には、前について行く形になるわけですからね。

高橋)そうすると速度違反もしないし、技術的に可能なら出して欲しいのですが、躊躇していてもどかしいところがあります。自動運転をやると、田舎の方ではバスの運転手がいないと言いますが、そこが解消されますよ。過疎で交通が大変だと言うけれど、みんな自動運転でいいではないですか。人も少ないから事故も少ないので、簡単にできてしまうと思うのですが。

【日産、西川社長の不当報酬】自宅前で報道陣の囲み取材に応じる日産自動車の西川広人社長=2019年9月9日午前、東京都 写真提供:産経新聞社

組織的な問題が大きい日産

飯田)日産の話に戻ると、そういった投資が必要になって来るけれども、それが厳しいということでしょうか?

高橋)組織がガタガタになっているから難しいでしょう。みんなしのぎを削っていますから、トップがどうなっているかというのは大きいですよね。経営の問題になっているような気がしますね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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甲府市でもこの夏開始「部活動の地域移行」とは

渡辺麻耶が木曜日のDJを担当するFM FUJIの番組『Bumpy』(毎週月曜~木曜、13:00~18:50)内のコーナー「CLOSE UP TODAY」(毎週木曜、17:35~)。4月18日のオンエアでは、甲府市教育委員会学校教育課の指導主事、井上透さんに、甲府市でこの夏始まる部活動の地域移行についてインタビューしました。

麻耶:早速ですが「部活動の地域移行」とは、具体的に言うと、部活動がどのように変化していくことなんでしょうか?

井上:これまで「学校部活動」として行ってきた中学生のスポーツ活動・文化芸術活動を、これからは地域の方が指導する「地域クラブ活動」として行っていくというものです。

麻耶:なぜ「部活動の地域移行」を進めることになったのでしょうか?

井上:理由は、主に2つあります。1つは、少子化の影響です。少子化により部員数が減り、学校単独でチームが成り立たず、十分な活動ができなくなったり、休部・廃部になったりする状況が出てきました。現に、数年前から、野球やサッカー・バレーボールなどいくつかの種目において、複数の学校による「合同チーム」で大会参加している状況が増えてきています。

もう1つは、教育問題の複雑化・多様化の影響です。教育問題の複雑化・多様化に伴い、これまで行われてきた指導体制を継続することが、教員にとって大きな負担になっている状況があります。競技経験等もない先生が顧問を務める場合、その負担はさらに大きくなるものと考えられます。

こうした背景から部活動の存続が厳しくなってきたため、国がガイドラインを示し、全国的な動きとして「部活動の地域移行」を進めるに至った、ということです。

麻耶:大会などはどのような枠組みで出場することになるのですか?

井上:国で令和5年度から7年度までの3年間を「改革推進期間」と位置付けています。それに基づいて、甲府市としては令和6・7年度については、一部の種目でこの事業に取り組んでいくことになっているのですが、令和7年度まではこれまで通り、学校単位や合同チームで大会参加する予定でいます。

麻耶:今年度は一部の種目で実施するということですが、その内容を教えてください。

井上:8月から、バスケットボール・バレーボール・剣道の3種目で活動に取り組みます。市内の国公立中学校12校を、3校ずつ4つのブロックに分けて、ブロックごとに月2回程度合同での練習を行う予定です。

麻耶:来年度以降の予定について教えてください。

井上:今年度は3種目ですが、来年度はさらに2種目程度加えることを考えています。令和8年度には、現在休日に活動を行っていて、市内の学校に設置されている種目すべてで、地域移行を行う予定です。いずれは、月2回の活動をさらに増やして、休日の活動を「地域クラブ活動」として行うようにできないか検討しているところです。それを実現させるには、まだまだたくさんのハードルがあるのですが、これまで学校部活動が担ってきたスポーツ活動・文化芸術活動の振興・発展を、いよいよ地域や国全体で考えていかなければならない時期に来ていると考えています。私も元々中学校教員の一人ですが、長らくスポーツに携わってきた者として、中学生たちが末長く関われるスポーツ活動・文化芸術活動の機会の構築に注力していきたいと考えています。ぜひ地域の方々にも、ご理解・ご協力いただきたいと思います。

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