コミュニケーションは曖昧にせず、間違いには「間違っている」と伝える

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、ジーエルアカデミア株式会社代表取締役の塚本亮が出演。コミュニケーションの取り方の難しさについて語った。

幻冬舎『自分イノベーション これから10年、生き残る人の条件』著:塚本亮(※画像はAmazonより)

黒木)今週のゲストはジーエルアカデミア株式会社代表取締役の塚本亮さんです。『自分イノベーション これから10年、生き残る人の条件』という本を幻冬舎から出版されましたが、変わる人と変われる人、また変われない人はどんな違いがあるのでしょうか?

塚本)まず変われる人というのは、行動する人だと思うのです。行動して、「これまでと違う結果が出たぞ」となったときに、初めて人はこれまでになかったアイデアが得られるのです。

黒木)この本には、「生活から本質を変える14箇条」ということが書かれてあって、面白いですね。

塚本)ありがとうございます。

黒木)「スマホに洗脳されるな」、「きょう誰と一緒にいるか選択しろ」、「すぐに裏を返して相手の記憶に自分を刻みこめ」など、たくさんあります。「書店に行って知恵の井戸を広げろ」、「察してもらえると思うな、言葉で伝えろ」など、まさにその通りですよね。

塚本)生き方が多様化して来て、これまでの「このように生きて行きましょう」と言われていたものが壊れています。SNSを見ていると、いろいろな価値観があって、いろいろなところに小さなコミュニティができています。暗黙の了解とか、以心伝心ということが伝わらなくなって来た。最近の日本語は曖昧な部分が多くなっています。

黒木)曖昧な言葉もありますよね。「大丈夫」が大丈夫なのか、大丈夫ではないのか。どちらなのかわからないですよね。

塚本)それでも、察してくれるのではないかと思っている人が多くいます。しかしそれでは通用しない時代なのです。「感じてよね」ではなく、言葉で伝えないと伝わらないのです。

黒木)本当ですよね。こういうことを実践し、行動に移して変わって行く自分を見つめる。あと、「レストランは口コミサイトを使わず五感で選べ」。これ、いいですね。

塚本)ありがとうございます。

黒木)塚本さんがイギリスに行ったとき、バーガーを頼んだのにチキンが出て来た。店員さんが間違えたのだけれど、チキンでも「まあいいか」と食べようと思っていたら、間違えた店員さんが塚本さんに怒ったのですよね。「お前、バーガーだろう。何で他の人のチキンを食べるのだ」と。

塚本)あれは衝撃でした。日本では店員が「申し訳ございませんでした」と謝るではないですか。そうではなく、間違っていたら「間違いだ」と伝えなければだめだということを、そこで学びました。「間違っていますよ」と口にすることで、お互いのコミュニケーションが取れる。変に気を遣うのではなく、伝えるということを学びました。

黒木)その話をパリの友達にしたら、友達も何人かの友人とランチをしていて、自分たちが頼んでいないものが出て来たらしいのです。でも喋っているからわからないし、これも誰かが頼んだのかなと思ってシェアしていたら、「あなたたちのではない」とすごく怒られたのですって。

塚本)やはり怒られたのですね。

黒木)でも日本ならば、「間違えたのはあなたではないか」ということになるではないですか。「どうもすみません、どうぞ召し上がってください」となりますよね。「間違いを伝える」ということは、すごいですよね。

塚本)私にとって衝撃的だったのですが、その体験によって自分の価値観が変わったので、「海外に出たらそうだよ」という時代の変化を伝えたいなと思っています。

ニッポン放送「あさナビ」

塚本亮/ジーエルアカデミア株式会社・代表取締役

■1984年京都生まれ。同志社大学卒業後、ケンブリッジ大学大学院修士課程修了。
■高校時代は偏差値30台で退学寸前の問題児だったが、一念発起して同志社大学経済学部に現役合格。
■同志社大学卒業後、ケンブリッジ大学大学院に進み、心理学を学ぶ。
■帰国後は、京都でグローバルリーダー育成を専門とした「ジーエルアカデミア」を設立。心理学に基づいた指導法が注目され、国内外から指導依頼が殺到。学生から社会人まで、延べ400人以上の日本人をケンブリッジ大学、ロンドン大学をはじめとする海外のトップ大学・大学院に合格させている。
■また、映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』のディレクター兼振付師であるトラヴィス・ペイン氏を始め、世界の一流エンターテイナーの通訳者を務めるほか、インバウンドビジネスのアドバイザリーとしても活躍するなど、幅広いビジネスを展開。
■著書に『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』(明日香出版社)など。2019年10月に幻冬舎から『自分イノベーション』を発売。

ENEOSプレゼンツ あさナビ(11月26日放送分より)
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 6:43-6:49

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周防正行「サイレント映画について大変な勘違いをしていました」

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、映画監督の周防正行が出演。最新映画『カツベン!』の題材となったサイレント映画について語った。

ニッポン放送「あさナビ」

黒木)今週のゲストは映画監督の周防正行さんです。周防監督の5年ぶりとなる最新作映画『カツベン!』が全国公開中です。『カツベン!』は、映画の始まりの時代を駆け抜けたスーパースターである、活動弁士の話なのです。

周防)日本に初めて映画が入って来たときに、「Motion Picture」という言葉をそのまま訳して「活動写真」と呼んだのですね。そのときは、まだ映画に音がなかったのですよ。スクリーンの横に人が立って、写っているものの説明を始めたのです。最初は物語映画ではなかったから、何が写っているかとか、どうして動くとか、まさに“写真が動く”ということは始めてのことだったので、世界中で流行るわけです。当時、日本ではそのように説明する人が、最初の日の上映からいたのです。

黒木)つまりは紙芝居みたいに「こういう物語ですよ」と、ト書きも言えばセリフも言うという…。

周防)最初は単なる出来事が写っていました。駅に列車が到着するとか、工場から人が出て来るとか。それがやがて物語を持つようになって、弁士は物語をきちんと説明することを始めました。こういう文化が根付いたのは日本だけなのです。アメリカやヨーロッパでも説明する人が立った記録はありますが、職業としては説明していません。アメリカ、ヨーロッパは生演奏の音楽だけで魅せていたのです。

黒木)『カツベン!』はオリジナルの作品ですが、どうしてこれを映画にしようと思われたのですか?

周防)僕が浅はかにも、ずっと無視をして来たから。

黒木)え?

周防)大学生のときに、サイレント映画をたくさん観ていました。そのときはサイレント映画だから音がない状態で、活動弁士の説明も音楽もない、まさに無音の動く画を観るというのが、サイレント映画の見方だと思っていました。活動弁士がいることも、音楽があることも知っていたのですが、それを無視していたのです。サイレント映画なのだから、サイレントで観ないと監督の意図は伝わらないのだと、ずっと思って生きて来た。でもつい最近、僕の助監督をして下さっていた片島章三さんが「こんな本を書きました」と、この映画の元になる台本を読ませてくれたのですね。

黒木)いつも周防監督は、ご自分でシナリオをお書きになりますよね。

周防)自分のシナリオではないのは、今回が初めてです。

黒木)そのシナリオを読まれてどうだったのですか?

周防)「僕はなんて勘違いをしていたのだろう」と思いました。当時、明治の終わりから大正昭和の始まりにかけて、無声映画をサイレントで観ていた人はいなかったのです。当然、映画監督は自分の作ったものが上映されるときに、生演奏があり、誰かの説明が入るとわかって撮っていたのですね。要するに、監督がサイレントで観てもらうことを前提に撮っていなかった。それを僕はサイレントで観ていたのですよ。「これはいけない」と。それも僕は映画監督なのに、なぜ日本映画史の重要なことを無視して来たのだと思って、大反省です。音がない状態で物語をつくり上げるというのは、映像を作る人間としての最高のテクニックだ、技術だと思っていたのです。それこそが映画の基本と言うか、映画の本質だろうと。

黒木)それが180度変わったわけですね。

周防)変わりました。

黒木)活動弁士という方々がいて、初めてサイレント映画は成り立つのだと。

撮影・下村一喜

周防正行(すお・まさゆき)/映画監督

■東京・目黒区出身。1956年生まれ。
■立教大学在学中に、高橋伴明監督の助監督を務めるようになり、以降、若松孝二監督や井筒和幸監督の作品に助監督として携わる。
■1984年に小津安二郎へのオマージュを含んだピンク映画で監督デビュー。
■1989年に『ファンシイダンス』で商業映画初メガホン。
■1992年の『シコふんじゃった。』で、日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ、最優秀監督賞、最優秀脚本賞を受賞。
■1996年には大ヒット作『Shall We ダンス?』公開。日本アカデミー賞で作品賞・監督賞・脚本賞など13部門を総なめ。
■2006年には痴漢の冤罪裁判を描いた『それでもボクはやってない』、2011年にはバレエ作品を映画として収めた『ダンシング・チャップリン』、2012年には終末医療を題材にしたヒューマンドラマ『終の信託』、2014年には花街で成長する舞妓の姿を描いた『舞妓はレディ』を監督。
■最新作は、2019年12月13日公開の『カツベン!』。大正時代に全盛だった無声映画を個性豊かな語りで彩った「活動弁士」が主人公。活動弁士を志す青年・俊太郎を成田凌が演じ、ヒロインを黒島結菜が演じる。

ENEOSプレゼンツ あさナビ(12月9日放送分より)
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 6:43-6:49

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