「新型コロナ、しばらくして収まって秋口からもう1度始まるのでは」~辛坊治郎氏、日本での感染収束について持論

キャスターの辛坊治郎氏が4月23日(木)、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!~激論Rock&Go!」に出演、新型コロナウイルス感染症の収束について、持論を展開した。

培養されたヒト細胞から放出されているSARS-CoV2ビリオン(黄色)のカラー化SEM写真。(NIAID – https://www.flickr.com/photos/niaid/49531042877)-Wikipedia「2019新型コロナウイルス」より

辛坊氏「日本での流行はしばらくして収まっていくだろう。ただし、秋口からもう1度始まる」

この日の同番組に寄せられたメールである「オリンピックの再延期はないと森組織委員会会長が発言していましたが、このままで来年開催できるのでしょうか?」という質問をもとに、辛坊氏は以下のように今後の新型コロナウイルス感染症の収束の見通しについて分析した。

辛坊)根拠を示すとたくさんあるのですが、恐らく新型コロナウイルスの日本での流行を言うと、これからしばらくして収まっていくだろうと思います。ただし、秋口からもう1度始まります。そこが恐ろしいところで、一旦収束へ向かったように見えてもウイルスはなくならないわけです。これから南半球、オーストラリア、ニュージーランド、中南米の感染拡大が広がっていくのは間違いないので、そうなったら世界的な収束はしないでしょう。来年のオリンピック(開催)は日本単独(の状況)では考えられないのですから。恐らく夏場に収束方向へ向かって、秋口、冬が始まるころにもう1度感染が始まって、冬にもうひと騒動あると予想しています。政治的に緊急事態宣言をどうするのかというのがものすごく難しくなると思います。私がこれを申し上げたのは、いろいろなデータを毎日見ていて、実は2週間くらい前に気が付いたことがあるのですよ。東京と大阪の感染者が横ばいになってきているときに、北海道だけ伸びてきているのです。北海道だけ伸びてきているのは何が理由か考えたときに、やはり気候の問題。それから、ロシアやブラジルが増えている。これから南半球は冬場へ突入していきますから、これから南半球は怖い感じがします。

辛坊治郎氏

辛坊氏「一定の温度、一定の湿度で感染を爆発的に拡大させるウイルスのような気がする」

辛坊)どうもこの間から世界各国のデータを詳細に見ていると一定の温度、一定の湿度で感染を爆発的に拡大させるウイルスのような気がするのです。最近ロシアで急拡大してきているのは、ロシアがそのゾーンに入ってきているのだと思うのです。恐らくいままでロシアは寒過ぎたのだと思います。寒過ぎるからウイルスも人間も動かないというのがあったと思うのですが、春先になってウイルスが活発に活動しやすい温度帯、湿度帯にロシアが入りつつあるのだと思います。そして、恐らくいま南ヨーロッパのイタリア、スペイン辺りはそのゾーンを抜けつつあるから徐々に感染者数が下がってきているということなのだろうなと。日本でいままで感染が爆発的にならなかった最大の理由は、日本ならではの生活習慣や清潔感、手洗いの習慣という要素もものすごく大きいと思いますが、台湾もそうですがこのウイルスに適した温度帯になっていなかったのではなかったかという気がするのです。というのも、南米で、あるいはアフリカで流行ったらえらいことになると言っていたではないですか。アフリカで感染爆発が起きているというニュースはないですよね。だから、ゼロではないですがアフリカの気候、風土にこのウイルスが適していないというだけで、日本でも夏場にインフルエンザになる人は常にいるわけでゼロにはならないけれど、感染爆発を起こすような湿度、温度の帯があるのだと思います。そこをもう少し科学的に判断できるようにならないと、いまみたいに一律自粛をどれだけ続けるのかと。ゴールデンウィーク明けで緊急事態宣言の効力は切れるけれど、あと1週間くらいでその先どうなるのかを判断しなければいけないのに、その辺りの科学的なデータが絶対必要なのだけれど、テレビを見ていると科学者と称する人がまったく科学的でない発言を繰り返しています。

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なぜ「8割減」なのか~政府が具体的に説明できない理由

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月24日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。小池都知事が発表した買い物対策等について解説した。

2020年4月22日、発言する安倍総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202004/22corona.html)

小池都知事がスーパーの買い物対策を発表

小池知事)都民の皆様方には毎日のお買い物を是非、3日に1回くらいに控えていただきたい、変えていただきたいということであります。

 

東京都の小池百合子知事は23日、新型コロナウイルス感染拡大によるスーパーや商店街の混雑対策を発表。密集、密閉、密接の「3密」の解消に向け、都民に対して「毎日の買い物を3日に1回程度に控えていただきたい」と要請している。

飯田)23日の段階では、イニシャルや頭文字で規制をするというようなことが言われていましたけれども。

宮家)いま、外出して最も緊張するところは、病院とスーパーですよね。都心はガラガラでも、近くのスーパーは混んでいる。確かに、私は3日に1回くらいしかスーパーには行っていません。

【新型コロナ】記者会見に臨む小池百合子都知事=2020年4月17日午後、東京都新宿区 ©産経新聞社

発言が二転三転~危機のときには状況も変わるので二転三転するもの

飯田)これに対して、たくさんメールもいただいています。西東京市の“マサシ”さん、35歳会社員の方。「そもそも『日常の買い物に行っていいですよ』とはっきりおっしゃったのは都知事ではないですか。状況に変化がなく、苛立ちや焦りを感じているとしか思えないです」と。

宮家)こういう危機のときには、状況が二転三転するので、発言も二転三転するものです。べつに弁護するつもりはないけれど、いずれにせよ、みんなフラストレーションが溜まっているから、誰かのせいにしたくなる気持ちはわかります。けれども、ある程度みんなで心を合わせないと、なかなかよい結果は出ませんから。7割ではダメで、8割減らさないといけないのですよね。つまり、スーパーに行くのは10日に2回です。3日に1回だと多いのではないかと、こういう話になってしまいます。

飯田)毎日行っていた人が3日に1回になると、6割くらいの削減にとどまることになりますね。

宮家)だけど、買い物時間を短くするなど、いろいろな方法があると思います。

【新型コロナ 吉祥寺雑感】午前中から混雑する吉祥寺サンロード商店街。マスク姿の人たちが目立った=2020年4月21日午前、東京都武蔵野市 ©産経新聞社

政府は「8割減」についての具体的な説明が必要~説明できない理由

飯田)海外から聴いている方もいらっしゃいます。 “サミージー”さん、47歳の男性の方。「接触8割減政策」について、サンフランシスコからいただきました。「8割減について、さまざまな自治体もいろいろ動いていますけれども、8割減はあくまで手段ですよね。それ自身が目的のように語られていると感じます。政府は8割減ができれば、どれだけ感染速度を抑えられるのか、8割減の状況をどれくらいの期間継続するのか、8割減でも感染速度が抑えられない場合にはどんな対策が考えられているのかなど、具体的な説明がもっと必要なのだと思います」といただきました。

宮家)確かにそうです。本当はもっと説明をしなければいけないのだろうけれど、そこには問題があって、政策決定や意思決定をする人たちの多くは政治家で、選挙で選ばれた人たちなのです。だけど、この人たちには医療の専門知識はない。だから専門家を呼ぶ。専門家を国家公務員にして責任を負わせればいいのですが、そうではなく、結局は有識者会議、専門家会議になる。そこから諮問が戻って来て、それに基づいて決断するという形です。だから、専門家会議の人たちにそのような細かい話をさせるのかと言ったら、それは彼らの責任外の部分にあります。このように日本はアメリカとは明らかに違うやり方をしているのです。それが悪いと言うわけではありませんが、サンフランシスコから見ると、そのように見えるのでしょう。

飯田)アメリカの場合は、CDC(疾病対策予防センター)も基本的には国家に属していて、責任も負っている。

宮家)そうです。そういう意味では、アメリカは一元的だけれど、日本は二元的な部分があります。

飯田)仕組みの違いということになりますね。

宮家)日本の戦後の意思決定の仕方は、アメリカのような形ではやらないということなのでしょう。

飯田)そこはきちんと政治家が責任を負うのだと。

宮家)そうです。

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