米中総領事館の閉鎖合戦〜その背景にあるプロレス的攻防

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月31日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。米中総領事館の閉鎖合戦の背景について持論を展開した。

2019年G20大阪サミットでの米中首脳会談(米中貿易戦争-Wikipediaより)

米中総領事館の閉鎖合戦の背景に迫る

先週から米中関係が大きく動いており、7月21日、アメリカがヒューストンにある中国総領事館の閉鎖を命じたのに対し、24日には中国が成都にあるアメリカ総領事館の閉鎖で報復に出た。その背景には何があるのか——宮家邦彦に訊く。

飯田)アメリカの閣僚の演説があって、総領事館の閉鎖もありました。いろいろ動いていると思うのですが。

中国政府、成都の米総領事館に閉鎖命令=2020年7月26日 ©時事通信

「ただでは済まないぞ」というアメリカのメッセージ

宮家)「アメリカは本気なのですか?」とよく聞かれるのですけれども、これは「ただでは済まないぞ」というアメリカのメッセージなのだろうと思います。中国は以前から情報を抜くというスパイ行為を、もう20~30年やっていますから、急に「けしからん」となった話ではないのです。もしかすると、コロナウイルスのワクチンにまで手を出して来たから、トランプさんがキレてしまったのかも知れないという気はします。でも、簡単に言うと、ただの中国のスパイでしょう。それであれば、スパイが誰なのかはわかるはずです。それが中国の外交官なら、その外交官を国外追放すればいいのです。それが普通です。

飯田)それが普通。

宮家)ええ。しかし、国交断絶というほどではないから、領事館を閉めるということになったのでしょうけれども、領事館の閉鎖だって前例がないわけではありません。2017年にもティラーソン国務長官のときに、ロシアの総領事館を閉めたことがあります。前例がないわけではないのだけれど、やはり総合的に考えると「中国さん、もういい加減にしなさいよ」というメッセージなのだと思います。

飯田)それに対して今度、中国は成都にあるアメリカ総領事館を閉鎖して来ました。

2015年に撮影された旧在ヒューストン中華人民共和国総領事館(在ヒューストン中華人民共和国総領事館-Wikipediaより)

アメリカがヒューストンを、中国が成都の総領事館を閉じた理由

宮家)アメリカ総領事館は香港にも上海にもあって、重要な役割を果たしています。今回の動きを見ていて面白いのは、米中が落としどころを持って、歌舞伎をやっているという声もあることです。米中双方とも決定的にアメリカと、もしくは中国と対決はしたくないという気持ちがあるのでしょう。中国にとっては、ヒューストンよりサンフランシスコの方がはるかに重要だと思います。

飯田)サンフランシスコの中国総領事館。

宮家)ハイテク情報のことを考えたら、シリコンバレーの近くにあるサンフランシスコ総領事館の方が、おそらく酷いスパイ行為をしていると思うのです。しかし、あえてヒューストンにしたということは、「これはまだお仕置きだよ」ということ、つまりアメリカも徹底的にやるというところまでは行っていないわけです。

飯田)このくらいで勘弁しておこうという。

中国の習近平国家主席(左)とトランプ米大統領=2020年5月14日 ©時事通信

その後、報復合戦にはなっていない

宮家)中国側もそれをわかっているのでしょう。普通だったら日本語で言う「倍返し」、やられたらやり返せとなってもおかしくない。しかし、そういうことはしない。中国は賢いから、アメリカがヒューストンを閉めたということは、必ずしも大事(おおごと)にはしたくないのだなと。そう思うと、それでは香港や上海を閉めるという話ではなく、重慶か成都のアメリカの総領事館となるのです。

飯田)内陸の2つのどちらかになると。

宮家)どちらもそんなに大きくないでしょうし。それならば、成都で行こうと。成都であればアメリカ側に対して倍返しではないですが、中国国内的には「それ相応の対応はしました」という説明にはなる。一方、アメリカに対しては「私たちはこれを大げさにして喧嘩を続けるつもりはありません」というメッセージになったのだろうと思います。ですからこの後、双方とも黙っているでしょう。

飯田)そうですね。その後は報復合戦になっていませんね。

宮家)これを、ある人は「できレース」と言うのかも知れません。実態は「できレース」以上の険悪な状況ではあるけれども、それなりの抑制が効いているという意味では、予想通りだと思います。

飯田)シグナルの交換としては、一応お互い正しく受け取っている状態だと。

中国の外交政策を統括する楊潔チ共産党政治局員(左)とポンペオ米国務長官(アメリカ・ワシントン)=2018年11月9日 ©時事通信

ポンペオ国務長官の演説で使われた「コミュニスト・チャイナ」~大統領選を考えての言い方

宮家)ただ、この間カリフォルニアでポンペオ国務長官が行った演説を見ると、やはり米中関係の対立が次のラウンドに入ったという感じはします。簡単に言うと、言葉の使い方が少しずつ変わっている。昔は「中国がけしからん」と言っていたのが、2019年10月30日の演説では「中国共産党はけしからん」となり、今回の演説では、中国共産党はけしからんと言うだけではなくて、「共産中国、コミュニスト・チャイナ」という言葉を使うようになりました。これも意図的に使っていると思います。半分は「中国けしからん」でいいのだけれども、もう1つはアメリカ大統領選挙を考えてのことです。トランプさんの選挙のレトリックはどうなっているかというと、簡単に言えば、「民主党はけしからん、そしてリベラル、社会主義者、共産主義者、バイデン氏も皆けしからん」と。こういう形で選挙戦を戦おうとしているので、「共産中国、コミュニスト・チャイナ」というのは、そのレトリックにぴったり合うのです。大統領選挙の側面も否定できない、そうなると、アメリカの対中批判は当分続きそうだということです。

飯田)その演説のなかで、「自由主義の各国で同盟を組んで対峙して行くのだ」という呼びかけもありましたよね。

宮家)しかし、もうすでに同盟はあるではないですか。あれはレトリックとしての意味が大きいと思います。ただ、「中国対世界」という構図に持って行くのは、間違いではないと思います。

飯田)それをもって新冷戦だと言う人もいますが、これはどうですか?

宮家)もうすでに冷戦になっていると思います。

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「この顔、なんか、おったような気もする」ナイナイ幻の同期芸人・まろやか中村とは

3月28日(木)深夜に放送されたお笑いコンビ・ナインティナインの岡村隆史と矢部浩之がパーソナリティを務めるラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送・毎週木曜25時~)にて、2人が同期の芸人について語る一幕があった。

ナインティナイン・矢部浩之、岡村隆史

『家、ついて行ってイイですか?』(テレに東京系)にナインティナインの同期・NSC9期生出身の芸人・まろやか中村が出演したというニュースを取り上げたナイナイの2人。現在はイベント会社の社長も務めるこのピン芸人について2人は……

岡村:俺らは途中で養成所に行かなくなってもうてるから

矢部:まろやか中村……

岡村:正直分からへんわ

ナインティナイン・矢部浩之

矢部:中村は本名かな? あのおっきい子は? 若い。ホント説明しにくいねんけど、我々途中でクビになってるから。アハハ、分からへん(笑)今調べてもらって、まろやか中村出してもらったんですけど。うわ~分からん! 9期生におったのは間違いないんや

岡村:ちょっと見せて。やっぱり同じ年やから、こんだけ老けてもうたら分からんわ

矢部:めんたいマヨネーズ時代は? ちょっと若いってことやろ? 知ってんのかな、へびいちごとかに聞いたら。でも卒業はしたんでしょうね。

岡村:卒業公演は俺ら出させてもらわれへんかったから。辞めてるし、もう2丁目劇場に出てたから。本多先生に聞いたら分かるのかな。でもこうやって数か月しかいてなかった養成所で「すごかったよ」って言ってくれるのは嬉しい

ナインティナイン・岡村隆史

岡村:あっ……。

矢部:あぁ!? この顔なんか、おったような気もする

岡村:今、インスタ見てたら、おったねんけど

矢部:もしかしたら俺らもクビになってるから、在学中に一度も喋ってない人かもしれんわ

岡村:いや~分からない。分からないけど、ホンマに数か月しかいてなかったからね。でも実は、俺らよりも、もっと特待生の子がいてね。覚えてる? 女の子2人で、素人モノマネみたいな大会に出て、すごい活躍してた子。だから授業料とかも払ってない

矢部:辞めた?

岡村:すぐ辞めた! 俺らよりも全然先に来なくなって。その子らは1回もネタ見せせんと、周りはテレビで見たことあるって言うてた子やった。でもまろやか中村さんは分からんわ(笑)

矢部:でもすごいな! たまたま『家、ついて行ってイイですか?』にインタビューされて

岡村:「圧倒されました」とか言ってくれてたんや。嬉しいな、それは

ナインティナイン・矢部浩之、岡村隆史

当時は250人ほどが在籍していたというNSC9期生。それぞれがそれぞれの形で活躍しているニュースに胸を躍らせたナイナイの2人なのであった。

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