「日本の知事って自分は“お殿様”だと思っている」その歴史的な構造を辛坊治郎が解説

キャスターの辛坊治郎氏が10月29日(木)、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。日本の「知事」が“殿様”意識を生む構造について解説した。

廃藩置県

辛坊)日本の知事って基本的にお殿様だと自分では思っているのですよ。これには歴史的な構造がありまして、明治維新というのがありましたね。日本というのは江戸時代には典型的な地方分権国家ですから、徳川幕府というのがありましたけれども、それぞれは藩という“国”……言ってしまえば独立国に近かったのですね。藩札という、藩でお金を出したりもしているくらい。それぞれ独立国で、独立国を徳川幕府が束ねるという典型的な地方分権国家で、小さな国の集合体だったわけです。それぞれ殿様がいたんですね。

明治維新について何が画期的かというと、それまで地方分権国家だった日本を強力な中央集権国家にした。地方分権のままで、政治勢力もそうだし、軍事力もばらばらだと、欧米列強が全世界を植民地化しているときに対抗できないと。そして明治政府は巨力な中央集権国家を作り、廃藩置県で、殿様みたいなことがあるといけないというので藩を全部辞めて、殿様の代わりに高級官僚を知事として全国に送り込んだ。だから当時、いまでも福井県なんかはそうだと思いますが、県庁が江戸時代のお城の敷地内にあるんですよ。まさに殿様が知事にとって変わった。これは住民に選挙権なんかありません。第二次世界大戦が終わるまで知事というのは、明治政府が高級官僚のキャリアパスですね、高級官僚でずっと出世していって、もうそろそろ定年退職で頂点を極めようかというところのキャリアパスの中で知事というのがひとつあって、知事に送り込むと。送り込まれた知事としては、自分は元殿様の変わりだという意識がありますよね。

連合国軍最高司令官総司令部が入った第一生命館(1950年頃撮影)

辛坊)そして第二次世界大戦が終わった後、民主化のためにということで地方の知事は選挙で選ばれるようになりました。なので、知事って元々選挙で選ばれていたわけではなく、戦後選挙で選ばれるようになったのだけど、では一般の人々がみんな立候補して知事になれるのかというと、現実には、いろんな政治的バックがないと知事にはなれない。この間調べたのですが、いま日本は47都道府県のうち、61パーセントが高級官僚出身者です。6割ですよ。だから47都道府県のうち6割だから、30弱ぐらい。東京都はいま違いますね。

飯田浩司アナウンサー)そうですね。大都市はけっこう違いますね。

辛坊)北海道はどうだろう。

飯田)北海道は元々東京都の職員だった方が。

若者が新型コロナウイルスの感染を広める可能性があるとした国の専門家会議の見解公表を受け、北海道の鈴木直道知事は3日、臨時記者会見を行い、道内の若者に向けて人が集まる風通しが悪い場所を避けるよう訴えた。 撮影日:2020年03月03日  撮影場所:北海道 札幌市 ©産経新聞社

辛坊)だから一応官僚の位置づけなのかな。そうなると、道府県という言い方をしましょうか。47都道府県のうちの、61パーセントの道府県の知事は中央官僚の出身者なのです。なので、天下りではなくて、一応選挙では選ばれていますが、意識としてはやはり殿様なのです。中央官僚が行くと何が問題かというと、いま中央官僚の待遇はすごく悪くなっています。ただ、行政改革がここまで行われる前の高級官僚って、例えば20年前の高級官僚ってどのようなキャリアパスかというと、東大法学部出て、大蔵省に入りました。そこでいちばん最後まで出世した人は事務次官までいきますが、事務次官までいけなかった人は、その直前くらいでみんな特殊法人に天下ります。

テレビ会議で全国知事会と新型コロナウイルスに関する意見交換をする西村康稔経済再生担当相(右下)=2020年5月5日、東京都千代田区 ©時事通信社

辛坊)特殊法人に天下ると、大体3千万から5千万という年収を手に入れて、なおかつ民間企業で、東大出身の高級官僚の人たちは何を考えるかというと、「自分は日本国のために自分の人生を公務員で安い給料で捧げてきたのだ。自分と同期ぐらいの人間で、一流企業に勤めて役員になったやつは年俸3千万から5千万で、2年ごとに役員退職金が同額で出て、それが当たり前なのだ」と。「ここまで国家に尽くした自分は、天下った先でもその民間企業に初めから入って役員になったような人と同じぐらいの待遇が当然だ」と思ったわけです。だから当時特殊法人って問題になっていろいろと改革が行われるまでは、高級官僚が天下って年収3千万から5千万とか取って、2、3年で退職するたびに5千万とか1億とかいう退職金を持って、それを2つ3つはしごしていくわけですよ。するとあっという間に何億円という収入になる。だから高級官僚で公務員をやっている間って、年収1千万から2千万いかないと思いますね。けれど、天下った瞬間に何千万や数年で億単位の金が約束されるというのが、慣例としてあったのです。

高級官僚から知事になった人の意識としては「いや、同じでしょ」と。「同じくらいの待遇をしてもらわないと、自分たちとしては高級官僚として頑張ってきて知事になってあげているのだから、民間企業で役員をやっている人と同じくらいの待遇はして欲しい」ということで……大阪なんかは、なんだかんだ言いながらも褒めてあげなければいけないと思いますが、大阪府・大阪市は退職金廃止したのですよ。ところが退職金を廃止している自治体なんかごく僅かで、日本国中の知事ってほとんどのところは1期で5千万くらい退職金がつきますね。

2019統一地方選 大阪市長に当選が確実になった松井一郎氏(左)と大阪府知事に当選が確実になった吉村洋文氏。笑顔で握手をかわした=2019年4月7日 ©産経新聞社

辛坊)最近少しシステムが変わって、自治体によればあとで何億とか一度にもらうと目立つので、1期辞めるごとに少しづつもらっている人もいるため、いま兵庫県知事が辞めたらいくら貰えるかは正確には言えませんが、ざっとしたトータルの額でいうと、兵庫県知事を5期やると、退職金は2億円くらいになるはずです。公務員で選挙で知事として選ばれたからといってほぼ同じくらいのトータルでの年俸を受け取っていて、2億の退職金をもらう人というのは、在任期間中のトータルの年収を合わせると2億ぐらいになるわけです。在任中にちゃんと勤務で給料はもらっているわけだけど、辞めるときに何千万とか億単位の金を持っていくことが正当なのかと。これはいまから20年くらい前に、一時期少し盛り上がったことがあったのですが、その後ほとんど改革が行われないまま……大阪みたいに0になったところもありますが……それ以外のところは話が収束したらみんな忘れたことにして、いまだにその状況が続いている。

飯田君、いいんですか、こんな日本で。

飯田)こんなに使わなくてもいいだろう、とは思いますね。

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Kan Sano×環ROYが飛び入り参加! henlyworkが東京の街の音をサンプリングした楽曲【音源あり】

11月23日(月・祝)、J-WAVEでは勤労感謝の日を「道や車、ドライバーに感謝をする1日」とし、「感車(かんしゃ)」と「ありが道(とう)」の気持ちを込めて、リアルな展開も織り交ぜながら届ける特別番組『J-WAVE HOLIDAY SPECIAL JAPAN SMART DRIVER presents THANKS TO LA STRADA』(ナビゲーター:小山薫堂・増井なぎさ)を、9時間にわたりオンエアした。

ここでは、この番組でアーティストのhenlywork、Kan Sano、環ROYが偶然出会ったことをきっかけ生まれた楽曲『SOUNDS OF LA STRADA』の制作の様子を紹介しよう。

思いもよらない展開から生まれた車を連想させる1曲

番組では、生活の中にあふれる音を収集して音楽を制作するアーティスト・henlyworkが、JAPAN SMART DRIVERのコンセプトカー、ほめるパトカー「ホメパト」に乗って東京の道をドライブしながら、そこにある声や音を採取して番組放送中に1曲の楽曲『SOUNDS OF LA STRADA』を制作した。

henlyworkは食材を食べる音や調理音からその場で音楽をつくりだすなど料理と音楽の融合を行う「EAT BEAT!」を主宰するなど、即興的なパフォーマンスを得意としつつ、音楽制作の過程にも独自のセンスを発揮する。

東京の街のさまざまな音を採取したhenlywork。スタジオに戻り曲作りに取りかかると、同番組でゲスト出演したKan Sanoとのセッションが実現。henlyworkは突然の共演を喜んだ。

・Kan Sano ゲスト出演の様子
http://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20201123152009(2020年11月30日28時59分まで)

増井:今日はどんなところで音を拾ってきたんですか?
henlywork:朝スタジオを出てから、三田にある法音寺さんで車のおはらいをしてもらって、そこから渋谷のスクランブル交差点のど真ん中で雑踏の音を録りました。そこから東京湾のお台場の方に行き、せっかくなので車を降りて海の音を拾ったりして戻ってきました。

さらに、楽曲制作中のhenlyworkに偶然の出会いが。別のスタジオで収録をしていたラッパーの環ROYも飛び入り参加することになり、henlywork、Kan Sano、そして環ROYと、この日でしか生まれないセッションが実現した。

増井:3人のセッションでさらに曲作りって難しくなかったですか?
henlywork:もう何がなんだか分かってないですね(笑)。でも。こうしてゲストで曲作りに入ってもらって感無量です。

完成した楽曲は…

早速、henlyworkは一日を通して完成した『SOUNDS OF LA STRADA』henlywork FEAT. Kan Sano / 環ROY を披露した。

『SOUNDS OF LA STRADA』henlywork FEAT. Kan Sano / 環ROY
http://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20201123171802(2020年11月30日28時59分まで)

henlyworkが採取した東京の街のざわめきや車のエンジン音やウインカー音、Kan Sanoのキラキラと輝くようなメロディー、そして環ROYの「どこまでも続く道を1、2 と走り出す姿」を連想させるようなラップが混ざり合い生まれた1曲。

聴き終わると、小山は「今作ったわけなんですよね」とその完成度の高さに驚いた。

henlywork:鳥肌が立ちました。みなさんありがとうございます!
小山:すごいクールなんですけど、ちょとコミカルな感じもありましたね。
henlywork:車のエンジン音とかドアを閉める音も混ぜ込みました。
小山:自分の車でもう一度聴きたいですね。

Kan Sanoと環ROYは突然のセッションを終えた感想を語った。

Kan Sano:ものすごい楽しかったです。ライブ感がすごかったですね。人とセッションするのも久々で、しかも生放送。貴重な機会を本当にありがとうございました。
増井:henlyworkさんが採取した東京の音はどうでした?
Kan Sano:僕も外に行ってフィールドレコーディングとかやったこととかあるんですけど、けっこう大変な作業なんです。henlyworkさんが今日一日それをやられてきたということで、最後にこういう曲になってよかったですね。環(ROY)さんの力も大きいですけど。
環ROY:「六本木の高い所にいるな」と思って、夜景を見ながら作りました(笑)。
増井:六本木ヒルズ33階のスタジオから、言葉を曲にのせてもらったわけですね。偶然の出会いとは思えないような3人のコラボレーションでしたね。
henlywork:ヤバいっすね(笑)。

思いもよらないかたちで生まれた楽曲『SOUNDS OF LA STRADA』。今回の展開に終始興奮を隠せない様子のhenlyworkだった。

環ROYはニューアルバム『Anyways』を、Kan Sanoはニューアルバム『Susanna』をリリース。ぜひチェックしてほしい。

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