経済を回すために何をするべきか ~首都圏で飲食店の時短営業が解除

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月25日放送)に中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也が出演。飲食店の時短営業が首都圏で解除されるというニュースについて解説した。

【新型コロナ 渋谷】東京・渋谷のスクランブル交差点を歩く人たち=2021年10月24日午後、東京都渋谷区 ©産経新聞社

飲食店の時短営業、首都圏4都県で10月25日から解除

新型コロナウイルス対策として飲食店に要請していた時短営業などが10月25日から解除されることを受け、首都圏1都3県の知事は22日、基本的な感染防止対策を徹底するよう都県民に求める共同メッセージを発出した。

飯田)飲食店の方々からすると、ようやくという感じですよね。

野村)本当ですよね。待ちに待ったという感じではないでしょうか。ただ、どのぐらい仕入れていいものか、お客さんの足が戻って来るかどうかということは、相当気になっているようです。

飯田)準備などもありますし、解除になったからと言って「さあ、いまからどうぞ」と言うわけにはいきませんよね。

会社でのルールをどのように解除するか

野村)我々もそうですが、夜にご飯を食べに行くことを控えて来ました。それがどのように解除できるのか、つまり、心のバリアをどのように解除するのかという問題があります。また、企業などでは「4人以上では一緒に食べに行くな」とか、極端な場合には、「同僚とは飲食に行くな」としているところもあります。このルールをどのように解除するのか。そこを決めないと、飲食店は救えないと思います。

飯田)「他社の人間とは行くな」というところもあるようです。

どのようにルールを変えて行くか

野村)それは感染者がピークだったときに、みんなで決めたことではないですか。日本は一旦決めたルールを止めるのが苦手な国なので、その辺りのところをきちんとみんなで話し合い、ルールを変えて行く必要があると思います。いま東京の感染者は19人(24日時点)ですよ。

飯田)そうですね。

野村)東京には1400万人がいるのです。計算したのですが、0.00000136%です。

飯田)割合でいうと。

野村)0がとても多いですよね。

飯田)本当ですね。どれだけミクロなのだという。

ここで経済をV字回復させなければ「倒産を先送りにした」だけになる ~経済を回すために何をするべきか

野村)これを維持することは大事です。そして維持する方策を考えながらも、そろそろ経済をしっかり回さないと大変なことになると思います。いま倒産が多いのではないかと思っている人もいるでしょうが、倒産の数は極端に少ないのです。

飯田)極端に少ないのですか。

野村)ここ50年のなかで、下から2番目くらいの状況です。倒産自体は抑えられている。それは、政府の経済対策が効いているということなのです。給付金や支援金を出したということもあるのですが、多くは、「ゼロゼロ融資」と言っていますけれど、無利子・無担保の融資を受けて、それでつないでいるわけです。しかし、下手をすると「倒産の先送りでしかない」という可能性があるのです。それをきちんと認識しないと、「いまはそれほど潰れていないから大丈夫だろう」と思ってはいけないのです。いまは病気に罹っている状態なので、みんなで立て直さなければいけない。

飯田)いまは延命措置をしている状態だけれど、病気は治っていないということですね。

野村)そうなのです。これが政策としてうまく効くためには、ここでV字回復をする。まさにV字回復するための時間を稼いだということになるのです。それをしないと、「倒産を先送りした」というだけのことになってしまう。これではいけません。だから、「経済を回すために何をするのか」ということが最大のポイントだと思います。

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原油価格高止まりか ~OPECプラスが原油増産計画維持を決定

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月3日放送)に外交評論家・内閣官房参与の宮家邦彦が出演。原油の増産計画を維持するとしたOPECプラスの発表について解説した。

OPECのロゴと石油ポンプの模型=2020年4月(ロイター=共同) ©共同通信社

OPECプラス、原油の増産計画の維持を決定

石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国でつくる「OPECプラス」は12月2日、現在の原油増産計画を2022年1月も維持すると発表した。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大による世界経済の減速懸念から、原油価格は下落傾向にあるが、当面は影響を見極める必要があると判断した模様。

飯田)「増産のペースを維持」と出ていますが。

宮家)それ以上ペースを上げる気はないと。

飯田)上げる気はない。

宮家)ようやく石油価格が上がって来たところで、オミクロン株の影響でまた収縮してしまったら困るため、このままで行くということです。私なりに理解している大きな流れを申し上げると、トランプ政権の時代には「温暖化? そんなものは関係ない」と、シェールオイルを増産したのです。そうすると供給が増えますから値段が下がる。それで産油国が困ってしまったわけでしょう。

飯田)そうですよね。

宮家)ところがバイデンさんになったら、「あれ? いやいや、逆だろ」と。「温暖化が大変だ。厳しくやらなければいけない」となって、シェール生産は制限される。そうなると今度は供給が下がります。コロナがやや収束し、また経済を頑張らなければということで、需要が上向きになったので、「バーン」と価格が上がって来たわけですよ。

アメリカが最も困っているのは原油価格ではなくインフレ

宮家)オミクロン株がどうなるかは別として、いまアメリカが最も困っているのは、石油価格だけではなくインフレです。サプライチェーンの問題もあるし、労働力不足で賃金も上がっています。これを何とかしないと、バイデンさんは次の中間選挙が危ないわけですよ。

飯田)中間選挙が。

宮家)それで必死なのだけれども、いま申し上げた通り、OPECに何かを頼んでも言うことを聞いてくれないわけです。価格が下がったときに助けてくれなかったではないかと言われるでしょう。

飯田)そうですよね。

宮家)これは怒りますよね。

飯田)マイナスの値段になりましたからね。

原油価格は高止まりか ~オミクロン株もあり、様子見の状況

宮家)そこでバイデンさんは原油の備蓄を放出することにした。しかし、放出すると言っても、数日分の原油を放出したところで、マーケットに大きな効果はありません。ただ、産油国へのメッセージにはなる。

飯田)なるほど。

宮家)OPECプラスは現状維持ということではありますが、消費国側からすれば、思ったように増産が進まないと。つまり当面、原油価格は高止まりになる可能性があるのだと思います。

飯田)足元のWTI原油、アメリカのニューヨーク市場では、1バレルあたり67ドル42セント。北海ブレントが70ドル43セントです。

宮家)少し下がりましたね。

飯田)80ドルを超えたところからは少し下がりましたが、これ以上は下がらないという感じですか?

宮家)この辺りで止まることを考えているのだと思います。様子見ですよ。

飯田)様子見。

宮家)結局、オミクロン株がどの程度拡大するかによって、戦略を練り直すことはあるかも知れません。

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