阪神1軍打撃コーチ・今岡から見る4番打者に求めることとは
1月29日(日)、スポーツライター金子達仁がメインパーソナリティを務めるラジオ番組「The Deep」(ニッポン放送・毎週日曜20時~20時20分)が放送。阪神タイガース・1軍打撃コーチ・今岡真訪が出演。指導者として4番打者に求めることを語った。
一流アスリートたちをゲストに迎え、スポーツの面白さや、アスリートの心の奥底にある想いを届けていく番組、「The Deep」。2023年シーズンから阪神の1軍打撃コーチに就任した今岡だが、4番打者は、「技術だけじゃなくて精神的支柱だ」という考えを披露した。

今岡真訪
金子:4番というポジションに対する今岡さんの考え方は?
今岡:やはり技術だけじゃなくて精神的支柱ですね。
金子:やっぱり特別?
今岡:そうだと思いますね。
金子:動かしちゃいけない?
今岡:分かりやすいのは4番なんですけど……。
金子:掛布さん(元プロ野球選手・掛布雅之)が常に阪神の4番は特別だと仰っているじゃないですか。本当にその通りだな、と思うんですけれど、メジャーリーグとかを見ると、4番目のバッターとしか捉えていないところもいっぱい出てきている。果たして、23年の阪神はどっちへ向かうのかなと。
今岡:4番が一番の中心選手だとして喋るならば、30本、40本でも打って活躍するのが4番だと皆さんが思うのは当たり前だと思うんですけど。指導陣からすると、何を求めるかって、選手が選手を怒ってくれることですね。精神的支柱というのは、自分が打てなくても、誰かに対して怒れる選手。こんなチームは弱くならないですよね?我々が怒るんではなくて、「なんでこんな時にこういう事も出来ないん?」って選手が選手を怒るっていうね。
金子:それは強いわ。
今岡:皆さまの頭の中で、多分、あまりない見方だと思うんですけど、指導者っていうのはそういうところばかり見ているってことですね。
金子:今岡さん、そう言われると今の阪神に4番いないです……。
今岡:ホームランを打つやつではないんですよね。

金子達仁
4番には仕事が山ほどあるといい、今必要なのはリーダーで、その後に成績はついてくるのだと今岡は語った。
金子は今岡に対し、「自分の伝えたいことがものすごくはっきりしている方。」と感じたという。しかし、2006年に今岡にインタビューをしたときは、良くも悪くもつかみどころがない印象だったと言い、印象の変化に驚いた様子だった。
radikoのタイムフリーを聴く
民意で世界を変えるなら声を上げることも必要!?
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、今週から新体制がスタート。月曜は小説家の山内マリコ、ジャーナリストの青木理、西川あやのの3人での放送となった。3月27日の特集コーナーは「民意は世界を変えるのか?」というテーマでお届けした。令和3年に、「国民のおよそ70%が『意見が政策に反映されていない』と感じている」という内閣府の調査結果が出ている。
青木理「18歳以上は選挙権があるけど(それ以下の)子供はないから、その声をどう政策に反映させるか、というのはひとつのテーマでしょうけど。国民のおよそ70%が政策に声が反映されていないと感じているというのは興味深いデータだと思うんですよ。いろんな形で民意を政治に反映させることができるけど、代表的なのは、申し上げるまでもなく選挙じゃないですか」
西川「はい」
青木「いまの国政選挙って、いろんな理由があるけど、投票率がどんどん下がっている。衆議院選挙も参議院選挙も、今度の統一地方選挙なんかも低いと思うんです。国政選挙ですら50%ぐらいでしょう? ということはいま小選挙区制なので、50%の半分は25%。25とればもう完勝なわけです。逆に言えば25%の人の意向しか反映されていない。投票してダメだったというならともかく、50%の人は、投票もしていないんだから反映されるわけがない、という。ちょっと皮肉な言い方をすればそういうことになる。70%が『反映されていないと感じる』というのはいろいろ問題があるんだけど、まずきちんと意思表示をしよう、というところから本当は問われるべきなのかもしれない」
西川「ただ全員の気持ちがマニフェストにあるわけじゃないというか。となると選挙以外の民意を伝える手段というのも考えられると思います。山内さんは公式的な声明を発表されたことがあって。これも民意を伝える手段のひとつでは?」
山内「そうですね。昨年あった、映画業界での性暴力報道を受けて、私を含めた18人ぐらいの作家さんたち共同で、映画業界の性暴力・性加害の撲滅を求めます、というステートメントをWeb上で発表して。そうしても基本的には変わらないけど、何人かの作家さんが連名でこれを問題だと思っていますよ、と発表したことで初めて取材できるようになる。マスコミの仕組みというか、報道はこうなされるんだな、というのを逆手にとったというか、揺さぶれたかな、と」
青木「こういうこと何度か経験あって。2016年に、いまも問題になっているけど……当時の高市総務大臣が、放送法に基づいて電波停止の可能性があるんだと国会でおっしゃった。そのときに僕も声をかけられて、テレビやメディアで発言しているキャスター、コメンテーターで声明を出そう、会見をしよう、となって。僕や鳥越俊太郎さん、田原総一朗さん、大谷昭宏さん、亡くなった岸井(成格)さんとかと記者会見をしたんですね。そのときに一部のジャーナリストの人たちは『そういうのには参加しない』と。なんでかと聞くと『僕たちは仕事の場できちんとコメントするのが役割だから、メディアで声明を出す、会見をする、というのはしない』と。それもそれでひとつの考え方、正論です。作家だったら……」
山内「作品で!」
青木「作品の中で表現しなさい、僕みたいな立場ならジャーナリスト活動の中で表現しなさい。そうでないと邪道じゃないの? という人もいるんだけど、山内さんがおっしゃるように何人かの作家たち、あるいはジャーナリストたちが集まることで取材のきっかけにもなるし、世の中に問題が伝わる。という点でいうとこれもひとつの民意の表出の仕方、とは言えるかもしれませんね」
西川「情報の受け手としては、そういうのを先導してくれると乗っかりやすかったり、意見を言うきっかけになったりもするかなと思います」