いとうせいこう「マンモス展」を通して世に問いかける『ハッピー・プラス』

いとうせいこうさん(右)と、番組パーソナリティ 慶元まさ美

ラジオ大阪(OBC)が平日朝に放送しているワイド番組『〝新しいおとな〟の朝に!ハッピー・プラス』。9日はゲストに作家でクリエイターのいとうせいこうさんを迎え、月末から大阪で開催される「マンモス展」について伺いました。

「マンモス展」展示構成監修を引き受けた理由

パーソナリティの慶元まさ美が「マンモスって、興味があると言うか、未知の世界じゃないですか」と言うと、いとうさんは「動物園行っても見れませんもんね」と頷きました。「例えば恐竜だと骨格標本や(イメージ)映像で見せる。今回のマンモス展の場合は、永久凍土から地球温暖化によって出てきた、まさに(マンモス等)そのものがいるので、これは普通の展覧会では全然見たことないようなもんだと思ってるんです。だってそのまんまだから」と今回の展示の貴重さを力説しました。

「もともとせいこうさんはマンモスに興味があったんですか?」と慶元から聞かれると、「いや、僕はそんなに詳しくないです」といとうさんは首を横に振ります。そんないとうさんがマンモス展の展示構成監修を引き受けた理由を語りました。

いとうさん「やってみてくれないかって知り合いから頼まれて、考えてみたんですね。例えば『普通にマンモスを持ってきました。古生物の世界(の展示)です』ってことになったら、それは専門家の科学者の方がやればいいじゃないですか。ところがこのマンモス展の場合は、何万年も前の世界と、こっから先の未来の問題がある。で、この真ん中の、今我々の現在っていうのは、気候変動が起こって、温かくなっちゃってるからこのマンモスが出てきた(という時代)。これらをつなげて語るのは、僕みたいな人間の方が『過去から未来ってこういうことなんじゃないですか』、『生命ってどういうことですか』っていうことを含めて(語ることができると思う)。これ、他の人だとできないかもと思って、じゃあ僕やりますっていう形(になりました)」

慶元「ということは、(マンモス展の)会場の中は、過去から現在を通って、未来に進んでいくような感じになっているんですね」

いとうさん「(展示の)最後の方は、DNAから生命が復活するとはどういうことかという技術の問題を分かりやすくパネルで漫画にしているから、『あれ?さっき(最初の方では)3万年前のこと考えてたけど、今もう未来のこと考えてるわ』って(思わせるんです)」

いとうさんはさらに「あと驚くのは、すごいちっちゃい子ども達が、パネルを一生懸命お父さんお母さんと一緒に読んでるんですよ。子どもって、むしろ大人より柔軟にわかるんだなぁと思って」と、感慨深げに話しました。また、以前に行われたトークショーでの質問コーナーを「次々に子どもが手を上げて的確な質問をしてるんです。学者も驚いちゃって身を乗り出して説明し始めて。それはそれは感動的なシーンだった」と回想しました。

マンモス展を通して問いかけたいこと

「子どもさんと行くもよし、大人同士で行くもよし、一人でどっぷり浸るもよし…」と言いながらも、「私は一人で行こうと思います」と言い切る慶元。いとうさんが「マンモスの世界の人たちから『マンモス展をやったら、おばあさんが拝んでいた』って話をよく聞くんです。なんかそういう(拝んでしまうような)気持ちになっちゃうみたい。『出てきていただいてありがとうございます』って」と話すと、慶元は笑いながらも、「思わず手を合わせてしまうんでしょうね、『ありがたい…』って」と自らもマンモスの写真に向かって手を合わせました。いとうさんも一緒に手を合わせながら「今、(マンモスたちから)何かを感じて、考えて生活を変えていきましょうっていう時なのではないでしょうか」と話しました。

マンモスに向かって手を合わせる2人

いとうさんは今回のマンモス展を「人それぞれ違う答えのある展覧会」と言います。「(展示の)最後に『みなさん、本当にこのまま、地球このままでいいですか、どういう未来を選びますか』っていう問いかけがある」と明かしました。

番組リスナーに向けて「一回(見ただけ)で(その答えを出すことは)たぶん無理だと言うか、消化しきれないし、日によって答えが違っても仕方がない。だから何度も何度も見てもらって、人とも話してもらって。自分たちも、そろそろ生活とか生き方だけじゃなくて、経済のシステムや何やら含めて今考えなきゃいけない時。そんな時に『マンモス、出てきてくれてありがとう』っていう気持ちが僕にはあります。(皆さんにも)そういう気持ちで見ていただけたらと思います。」とメッセージを送りました。

『マンモス展 その「生命」は蘇るのか』は、31日(金)から9月22日(火・祝)まで大阪南港ATCギャラリーで、午前10時から午後5時まで、会期中無休で開催される予定です。

詳しくは公式HPをご覧ください。

 

「〝新しいおとな〟の朝に!ハッピー・プラス」は毎週月~金曜日の午前7時50分~11時に放送中。月・火曜日は南かおり、水・木曜日は慶元まさ美、金曜日は若宮テイ子が番組パーソナリティーを務める音楽と情報満載の番組です。

この放送は、16日までラジコのタイムフリーで聴くことができます。

”新しいおとな”の朝に!ハッピー・プラス
放送局:OBCラジオ大阪
放送日時:毎週月曜~金曜 7時50分~11時00分
出演者:(月・火)南かおり、(水・木)慶元まさ美、(金)若宮テイ子
番組ホームページ
公式X

※該当回の聴取期間は終了しました。

氷川きよし、松田聖子『赤いスイートピー』が“自身の原点”!?「5歳のときに聴いて感動して、そこから歌が好きになったんです」

アーティストの坂本美雨がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「坂本美雨のディア・フレンズ」(毎週月曜~木曜11:00~11:30)。

6月9日(月)、10日(火)の放送ゲストは、歌手の氷川きよし/KIINA.さん️。
6月10日の放送では、現在全国ツアー「KIYOSHI HIKAWA+KIINA. Concert Tour 2025 ~KIINA’S LAND~」を開催中の氷川さんが、5月に配信リリースした松田聖子さんの名曲「赤いスイートピー」のカバー曲に込めた特別な思いなどについて語ってくれました。


坂本美雨、氷川きよし/KIINA.さん️



坂本: 5月28日に名曲のカバーをリリースされました。これもまたびっくりで、松田聖子さんの「赤いスイートピー」。なぜですか?

氷川:実は5歳のときに聴いて感動して。心のなかの泉が湧き出るような感覚で、「歌だー!」って、キラキラキラキラーッとなって。そこから歌が好きになったんです。そのとき初めて、母と親戚のおばちゃんと3人で、松田聖子さんのコンサートにも行ったんですけど、生で芸能人を見るのがちょっと怖かったんですよ。

坂本:怖い……?

氷川:当時、ブラウン管のなかにいる人は人間じゃなくて、アニメの世界の(の中にいるような)人だと思ってたから。いまでも衝撃的で覚えているんですけど、聖子さんが動いて踊っていて、「赤いスイートピー」を聴いたときに、もうキュンときて、泣いちゃったんです。

坂本:そんな大切な曲を、このタイミングでカバーしようって思われたのはなぜなんですか?

氷川:一旦リセットしたときに、“KIINA.”としての感覚と生きてきた証は、やっぱり原点の「赤いスイートピー」なのかなって。迷ったら原点に戻ったほうがいいと思ったとき、本当の人間としての原点はこの「赤いスイートピー」で、そこから花が咲いていろんな歌と出会って、演歌とも出会ってデビューして、いろんな方に応援してもらった。

だから、またここに戻らせてもらいたいなって思ったので。そして、亀田誠治さんという素晴らしいプロデューサーの方にお会いできて。亀田さんはすごい方なのに気さくだし、音楽のこともわかりやすく指導してくださるから安心してレコーディングができて、本当に5歳の頃の自分に戻ったような声で歌わせてもらいました。

坂本:この歌唱を聴いて、そぎ落とされたというか、ある意味淡々と聴こえるぐらい何の癖もなく歌ってらっしゃるなっていうのも「なぜなんだろう」と思ってたんですけど、お話を聞いてすごく腑に落ちました。

氷川:そうでしょう。(子どもの頃は)もっと声が高かったんですけどね、喉仏が出てきて低くなっちゃった。でも、それもやっぱり活かして、受け入れての自分だから、その状態での「赤いスイートピー」。

5歳のときに、親戚のおばちゃんに連れられて壱岐対馬に旅行に行ったんですよ。そのバスの移動中に、「マイクで歌ってごらん」って言われて、「歌いきらん、歌いきらん(歌えない、歌えない)」って言いながらも歌ったんですよ。そうしたら「えらいうまかねぇ!」「そげん歌うまかとね!」って言われて、そこからちょっと「自分、歌手になれるかも?」っていう勘違いが始まった。

坂本:いや、なれた!

氷川:そう、結果なれたんですけど、やっぱり肯定してもらえたことが自分のバネになってるから、親戚のおばちゃんのおかげです。

坂本:そうか。だから、もっとテクニック満載で歌うこともできたはずだけど、本当にシンプルに素朴に歌っていらっしゃる。感動しちゃった。本当に1曲1曲、必要な方とで会って、という感じですね。

氷川:みんなに支えられて、ありがたいですよね。



氷川きよし/KIINA.さん️



氷川さんのツアー「KIYOSHI HIKAWA+KIINA. Concert Tour 2025 ~KIINA’S LAND~」は11月まで全国12都市で27公演開催予定です。詳細は公式Webサイトまで。

<番組概要>
番組名:坂本美雨のディア・フレンズ
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時:毎週月~木曜11:00~11:30
パーソナリティ:坂本美雨
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/dear/
番組公式X:@dearfriends80

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