「農業の足を引っ張ってるから改革しなきゃダメ!」農林中金が赤字見通し1兆円増資検討

5月20日(月) 寺島尚正アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『おはよう寺ちゃん』(文化放送・月曜日~金曜日 午前5時00分~9時00分)が放送。月曜コメンテーターで経済評論家の上念司氏と、農林中央金庫について意見を交わした。

余ったお金を運用して大損こいた

農林中央金庫が1兆円規模の増資を検討していることが分かった。全国各地の農協や漁協などを通じて集めたお金などを運用しているが、アメリカの金利上昇によって債券の価格が下落。2023年12月時点で1兆9110億円の含み損を抱えていた。農林中央金庫は、各地の農協などが出資してつくる協同組合の民間金融機関で、増資は農林水産業の各団体に要請するとみられる。各地の農家などから集まったお金を資金需要がある別の農林水産業の団体へ貸し出すのが農林中央金庫の主な役割だが、余ったお金は債券を中心に国内外の金融商品で運用している。2023年12月末の時点の市場運用資産残高は55.9兆円で国内屈指の機関投資家。増資で得たお金を使って含み損を処理し、財務基盤の立て直しを図る考えだ。

寺島アナ「上念さん、これはどうでしょう? 」

上念「農林中金といえばウォール街でも超有名です。みんな知ってる国際金融資本ですよ」

寺島「そうなんですか?」

上念「そこが、要は余ったお金を運用して大損こいたわけで、もういらないんじゃないかと思います。農家の人が銀行にお金を借りに行っても足蹴にされるので、お互いに助け合うという体で、この農協の金融機関があるんですけど、本当に必要なのかと。農機具だって今はメーカーから直接買えたり、それに銀行の融資がついたりとかするわけです。そうすると「要らないかも?」「いつまでやるの?」と思うわけです。というか日本の農業を強くするためには改革が必要だと私は思います。ここにメスを入れるというと色々な逆風があるかもしれませんけど、あえて言うと、ここを改革しないと日本の農業は本当に強くならない。実際に今、輸出をガンガンやってるような人は、あまりここに頼ってない人が多いんですよ。使ってないって人も多いです。お米を作ってる人も「農協に出すと他と混ざちゃうから、うちはいいのを作ってるので嫌だ」みたいな人もいて、そういう人は独自のルートで売っています。ということを考えると、改革が必要だと思います。無くせとはあえて言いません。本当にめっちゃ改革しないとダメだと思います」

損失処理が本格化する2025年3月期の最終利益は5000億円前後の赤字に転落するおそれもあり、資本の増強が必要と判断した。農林漁業者は足元で肥料資材などの高騰に苦しんでいて。増資の要請が大きな負担になる恐れもある。

上念「そらそうですよね。だから農業の足を引っ張っちゃってるじゃないですか。だからこれはもう改革しなきゃダメ。どれぐらいの改革かというとNTTがNTTドコモを分社化したぐらい。儲かってる農業部門と、そうじゃないところがあるので、グッドカンパニーとバッドカンパニーを分けて、バッドカンパニーは民営化ですよ。このぐらいの荒療治しないと農協グループ全体ダメだと思うんですよ。農業の足引っ張るだけの団体になっちゃいますよ」

タグ

コメの値上がりと“消えた21万トン“を石戸諭が解説

野村邦丸アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・月曜日~金曜日9〜13時)2月12日の放送は、ノンフィクションライターの石戸諭氏が出演し、米の値上がりと“消えた21万トン”のニュースについて、自身の意見を述べた。

野村邦丸(パーソナリティ)「米の問題です。政府備蓄米を早期に放出すれば、米の価格も安定するんじゃないかと言われてます。その備蓄米をどれだけ出すのかという話もある。一方、消えた21万トンの話もある。石戸さん、米の流れから教えてください」

石戸諭「農家が作った米をJAなどの集荷業者が集める。そこから卸売にいくという流れなんですけど、去年の8月、9月の店頭から米がなくなった米不足の時に新しい販路ができました。個人や中小の業者が、これまでの集荷業者よりも高く買いますよということで、農家から直接取引をするという流れができたんです。農家からすると、高く買ってもらえるからうれしい。実際のところ、米の適正価格がいくらなのかわからない?というのが僕の考えです。どのくらいの量を作るかは国が主導して決めてきた。マーケットが機能していると、みんなが欲しいと思う需要があり、供給量が安定しているときにだんだんと決まってくるわけです」

邦丸「市場のルールですよね」

石戸「ところが、去年は米が18万トン多く取れている。これ、本来なら価格が下がる動きになりますよね。でも、みんなが欲しいと言って、量もできている時に価格がとんでもなく上がっている。米不足の時、政府は新米が出回ったら価格は安定すると見ていたはずです。ところが実際、何が起きてるのかというと、米は取れているし、米は日本のどこかにあるけど出てこない」

邦丸「消えた21万トンですよね」

石戸「米を買い取った人たちは去年の動きを知っているから8月くらいまで手放さないでおけば、同じような状況が起きるかもしれないという考えが働くわけです。もっと高くなるからその時に売ろうと考えるのが自然です。そうなると、手放さないですよね。つまり、米が投機商品のようになってるということです」

邦丸「では、米が下がりにくい状況をどうしたらいいですか?」

石戸「これまで農水省のやり方がうまくいってなかったところが大きいと思うんです。お米はある所にはあるのに、市場に放出されない。いいタイミングで売りたいから売らない人がいる。この人たちに対してメッセージを発して、働きかけないといけない。“こうなったらお米を放出しますよ、持っていても意味ないですよ”と農水省がメッセージを発信しなければいけなかったけど、タイミングが遅くなっている」

Facebook

ページトップへ