日米同盟に「空白の3カ月」 『もしトラ』に日本は対応できるのか?

723日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、バイデン大統領の大統領選撤退表明日米同盟を巡る協力ついて意見を交わした。

『もしトラ政権』とコミュニケーションを取れる人が日本の政治の中枢にいて欲しい

アメリカのバイデン大統領が11月の大統領選からの撤退を表明したのを受け、日米同盟を巡る協力に隙が生まれる懸念が出てきた。後任が決まるまでの3カ月間も現職大統領として外交日程が続く。 

日本は大統領選挙で民主党のバイデン氏、共和党のトランプ氏のいずれかが勝利しても対応できるように準備してきた。 

2023年に外務次官候補だった山田重夫氏を駐米大使に起用している。トランプ前政権時代にNSS(国家安全保障局審議官として築いたパイプを評価した。首相自ら主導して人事を決めた。 

2024年4月には自民党・麻生太郎副総裁がトランプ氏本人とアメリカ・ニューヨークで面会をしている。岸田首相の防衛費の増額などを説明し、同盟国に負担を求めてきたトランプ氏に理解を求めた。 

民主・共和、両にらみで対策を進めていたものの、再選に意欲を示し続けていたバイデン大統領が民主党候補として正式指名される直前に撤退を表明したことが誤算だった。 

(寺島アナ)日本はトランプ氏とバイデン氏、どちらの勝利にも対応していた、ということですが。これは田中さん、どうご覧になりますか?」

(田中氏)それは正しいやり方だと思うんですけど、『もしトラ(もしもトランプ氏が再び大統領になったら)』と考えるとリスクの方が個人的には大きい気がします。仮にハリス副大統領が次の大統領になったら、バイデン政権の延長上ですから不確実性が低いと思うんですけど、トランプさんが戻ってきて今の公約をベースにしたら、たとえば経済政策だけ見ても日本の為替レートに対する圧力をかけてくる可能性もあるし。関税を引き上げると言ってますから、それに対する個別交渉が必要になってくると思いますアメリカがトランプ政権になったら、一方ではアメリカ国民のためにお金を扱うけど、他方で安全保障面を含めて予算カットみたいなことをやりますから、さらに防衛費増額を日本に求めてくる。さらに台湾有事の悪化に結び付くような話も出てきたら嫌だな、と思います

田中氏は『もしトラ』になったとき、日本の対応について考える。 

(田中氏)その時に日本側に『もしトラ政権』とコミュニケーションを取れる人が政治の中枢にいて欲しいですよね。それが麻生さんなのかというと“そうなのかな?”という気もしますし、安倍元首相のようなリーダーシップを取れる政治家がいて欲しいですよね。個人的な推しメンは高市早苗さんかな?って思います。彼女であれば交渉力もあるんじゃないか?”と思います野党のなかでも人材はいるかも?と思いますけど、いま経済政策が踏み絵になっているんです。利上げする人は、いま総理大臣になっちゃいけない人ですよね。河野太郎デジタル大臣、茂木敏充自民党幹事長はそろって利上げ発言をしたので絶対にいま総理大臣になっちゃいけないですよ

田中氏は、石破茂氏の現在の動きを注意深く見ている 

(田中氏)私の個人的見解ですよ?怪しい動きをしている石破茂さんは体質的に利上げ発言をしそうですけど、してないですよね?これは恐らく、菅義偉さんあたりと最近近づいているので“不用意な経済政策発言するな”と釘を刺されている気がします」

(寺島アナ)菅さんはその辺りは分かっているんですかね? 

(田中氏)分かっていると思います。今のタイミングで利上げは絶対にあり得ないですから。菅さんは株価が上がるのが大好きなんですよ。雇用も心配してると思いますけど、それ以上に株価が上がるのが大好きですから、利上げ発言なんかしたら株価が下がるから釘を刺している可能性はある

〈出典〉 

日米同盟に「空白の3カ月」 | 日本経済新聞 (https://www.nikkei.com/) 

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村尾信尚「トランプ氏とハリス氏で対立構図が生まれつつある」

バイデン大統領が次の大統領選から撤退したことにより、民主党の候補はハリス副大統領に決まる見込み。723「くにまる食堂(文化放送)」、関西学院大学教授の村尾信尚共和党・トランプ氏と民主党・ハリス氏になるであろう米大統領選について解説してもらった。

村尾「トランプさんは白人男性ですけれども、ハリスさんはアジア系で黒人系でもあります」 

邦丸「お父さんがジャマイカ、お母さんがインド系」 

村尾「人種的にも違うし、女性ということで明確な対立構図が生まれつつあると思います。私もキャスター時代にアメリカ大統領選挙を何回か取材したことがあるんですけれども、一つ印象に残ったのはアメリカ内部の人口構成がどんどん変わってきているということ。アメリカには白人、ヒスパニック系、黒人、アジア系と多くの方が住んでいらっしゃいますが、NHKのデータをみると2014年には白人の人口構成は100人のうち62人、ヒスパニック系の方々が17人、黒人が12人。それが2060年になると、白人が半分を切って43%と過半数割れしちゃうんですね。一方でヒスパニック系が28%までいくんです。黒人は13%くらいになる。つまり白人の皆さんは危機感を感じている。これまでマジョリティーは我々だったのに、これからどんどん少なくなっていく。その中でトップをどうするのか切実になっているんじゃないか、アメリカで色々な方にインタビューして、そういうことが端々から感じられました。トランプさんと、トランプさんとコンビを組む副大統領候補のバンスさんも白人の方。ハリスさんが副大統領候補に誰を選ぶかわかりませんが、人種間での対立とまでは言えないまでも、違いについて今回どういう判断をアメリカがするのか注目です」 

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