米の価格高騰はいつまで続く? 備蓄米の実態とは?

ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、3月17日の放送にジャーナリストの二木啓孝が出演。備蓄米放出でも米の価格が下がらないのはなぜか。その理由に迫った。
鈴木純子(文化放送アナウンサー)「江藤農林水産大臣は14日、政府の備蓄米の放出に向けた初回入札15万トンのうち14万トン余りが落札されたと発表しました。米価格高騰の中、流通の停滞解消に向けた初の試みでしたが、全部の落札とはなりませんでした。さらに今月中に7万トンの追加入札を行う、とのことです」
二木啓孝「価格が下がるかどうかに皆さん、関心あると思いますけど。長野さん、1日に何回お米を食べます?」
長野智子「1回です。夜、なるべく炭水化物を食べないようにしているので」
鈴木「私は3回食べているんですよ」
二木「子供がいるとどうしてもね。だいたい1回か2回。日本人はどれぐらいお米を食べているか、という話ですが。1960年は1人あたり年間に米俵2俵分。米俵って60キロだけど120キロ食べていたの。いまは年間50キロ。1俵も食べていない」
長野「減っていますね。まあ食べるものの種類が増えていますから」
二木「それでもお米というのは食べ物の基準にしていますよね。どれぐらい上がったのか。スタジオに来る前、近所のスーパー覗いたんです。お米の値段を見ると5キロで3980~4300円ぐらい。全然下がっていません。去年夏に南海トラフ地震の臨時情報が出て、お米を確保しよう、と皆がワーッと買いに行って、なくなっちゃった、ということです」
長野「はい」
二木「それまで農水省、農水大臣は何を言っていたかというと、本来なら市場に出回っているはずなのに出ていない。誰かが流通させないからだと。どこかの業者が投機目的で売り惜しんでいるだけ、と言い続けた。でもずっと続いているじゃないか、ということで備蓄米を放出した。江藤農水大臣は3月以降、スーパーの米が入れ替わったら消費者の手元に順次、安いものが届きますよ、と言っている。さあ安くなるかどうか、というところ」
長野「はい」
二木「備蓄米って最近よく聞く言葉です。1993年に平成の米騒動といって本当にお米がなくなって。そのときから、いざというときのために備蓄しよう、と。目標は1年100万トン、いまは90万トンですが。それが全国300ヶ所に積み上げてあるわけ。いざというとき、どれぐらい出ているか。1回目が東日本大震災のとき、4万トン」
長野「え?」
二木「2回目が2016年の熊本地震のとき、90トン。100万トンあるのにほとんど出していない。5年経つと、もう劣化していますから、といって家畜のエサ用に販売している。100万トンのために政府は年間、478億円を維持費として出しています。今回は特例で、災害ではないときに、ということで21万トン、結果22万トン出すんですけど、それで安くなるのかな、と」
長野「備蓄米を出します、というニュースを伝えた当初、政府が備蓄米を放出するという情報だけで、投機で買い上げている人が放出するから安くなる、みたいなことを言っていましたよね。全然効果がない」
二木「私、大学が農学部なんですよ。この問題はずっと気になって取材していて。じつは投機狙いで備蓄しているところはほとんどない。なぜないか、ということなんです」