三菱地所、DXの課題は“AIとの業務の線引き”

1月5日放送の「HENNGE presents BIZ-TECH Lounge」は、先週に引き続き、ゲストに三菱地所株式会社 DX推進部 ユニットリーダーの篠原靖直氏を迎えて、DXを進める中での課題や今後のビジョンについて詳しくお話いただいた。

文化放送アナウンサー・甲斐彩加(アシスタント)「DXを推進して行く中で感じる壁や課題は何ですか?」

三菱地所株式会社 DX推進部 ユニットリーダー・篠原靖直氏「AIとの業務の線引きです」

HENNGE株式会社代表取締役社長・小椋一宏氏(パーソナリティ)「詳しく教えてください」

篠原「AI との業務の線引きということの前に、そもそも弊社グループで DX を推進していく時に感じている課題があります。一つは不動産ディベロッパーという我々の業種は理系の学部を卒業した方があまりいません。理系の学部卒でも基本的には建築や開発が大半を占めています。メーカー系の会社だと、理系の学部を卒業されて、数学とか統計学的な素養のある方がいらっしゃる。その方々は、簡単にデータ分析の理解をされるんですけど、我々はそういった社員があんまりいないというのが大きな課題になっています。もう一つは、不動産事業の特性上の問題で、不動産取引は取引の価格が非常に高いんです。家の売買が一番分かりやすいと思うんですけども、数千万とか場合によっては億単位という、個人で買うものとしてはおそらく一番高い買い物になります。取引の単価が高い一方で、取引の件数自体が少ない。我々のビジネスはとにかくビッグデータ化しないんです。それを解消しようと、社員のデジタルリテラシーを高める人材育成のプログラムを開発して研修をやっています。 その辺りが、そもそも弊社固有の課題としてあります」

小椋「そういう中でのAIとの業務の線引きというのは、AIを導入していこうとしているけれども、そこに壁を感じているということですか?」

篠原「AI が進化することによってAIができることがどんどん増えていってますので、どこに人間のやるべき業務を残して、どこからをAIに委ねるか。システムを我々が開発するということでも、別にこのシステムはなくてもいいんじゃないかみたいなものも出てきますし、専門人材を積極的に採用を続けてきたのですが、どの領域は引き続き専門人材が必要で、この領域は別に生成AIが台頭してくればいらなくなるという、そこの見極めもしなきゃいけない。ここは非常に難しい判断だなと思っています」

甲斐「三菱地所株式会社の今後のビジョンは何ですか?」

篠原「人々の暮らしや体験を豊かにです。これは弊社が創業以来、ずっと変わっていない理念になってまして、街づくりを通じて人々の暮らしや体験を豊かにしていくために、我々は街を作っているというふうには自認をしています。これに加えて、コロナ禍でいろんな方々の価値観や行動様式が多様化しました。これまでは、画一的な行動をする皆さんが、例えば丸の内という街の中にいて、その方々に対してどういうサービスを提供していこうかということを考えていました。しかし、多様化があまりにも急激に進みすぎて、コントロールできなくなったと感じています。これをどう解いていくか?新しい手法を試行錯誤しているというのが、最近の私の個人的な関心事だったりします」

この記事を読む