アメリカがベネズエラを攻撃し、マドゥロ大統領とその妻を拘束した。1月6日の「武田砂鉄ラジオマガジン(文化放送)」では、東京科学大学教授の中島岳志がこの問題について語った。
中島「アメリカの言い分はモンロー主義という考え方ですね。
昨年の12月に トランプ大統領が国家安全保障戦略というものを打ち出して、改めてモンロー主義を唱えたわけです。モンロー主義は200年くらい前、モンローという第5代目のアメリカ大統領が『北米から中南米は自分たちのテリトリーである。自分たちはヨーロッパに手を出さない代わりにヨーロッパもこっちには手を出すな』と言ったんです。
つまりアメリカは中南米は自分たちの“裏庭”だということを宣言したんです。
このモンロー主義をトランプ大統領が現代に取り入れていくんだと公然と発言したわけです。アメリカは中南米の利権は自分たちのもの、キューバやグリーンランドもそうだし、カナダは51番目の州である。こういうことを言い出していて、アメリカの権益はここでしっかり確立しますが、これはバーター(交換)ですよと言っている。
しかし、これはロシアや中国に対して非常に誤ったメッセージになる可能性があります。
ロシアや中国は『そうですか“裏庭”を持っていいんですね』『だったらウクライナはロシアですよね』『台湾は中国ですよね』みたいな話に波及していきかねない。
そしてアメリカはそれに対して口出しできなくなる。国際秩序の大きな転換点になる可能性がある。日本としても対応を間違えると大変なことになっていくと思われます。
高市総理はこの件についてどういう風に発言しているのかというと『日本政府としてはこれまでも一刻も早くベネズエラにおける民主主義が回復されることの重要性を訴えてきました』とXに投稿しています。これはマドゥロ大統領が悪いという風にも聞こえますよね。ベネズエラが民主主義の原理を遂行していないから当然のことが起きたんだ。
これからはアメリカ主導で民主主義がちゃんとしたものになっていくのは素晴らしいと解釈できるような文章になっているんです」