中島岳志「世界は国際秩序を手放してしまったのか?」

アメリカによるイランへの攻撃に世界が翻弄されている。3月3日の「武田砂鉄ラジオマガジン(文化放送)」では、東京科学大学教授の中島岳志がこの問題について解説した。

中島「まず確認しなくてはいけないのは、これは明確な国際法違反であるということですね。今は国際法があってないような状態になっていて、法の秩序とかルールに基づく秩序みたいなものが崩壊してしまっている。 

本当に剝き出しのパワーゲームの時代に入ってしまっている。 

僕が生きている間にこういう状態になるとは思ってもいなかったです。 

日本もこれまで国際社会における法の秩序とか、あるいはルールに基づく国際秩序が重要だと言ってきたわけです。こういうものを価値観として共有している国々のネットワークが重要なんだという価値観外交をやってきたわけです。 

ですから中国や北朝鮮に対して、ちゃんと秩序を守りましょうよという言い分だったんですけど、アメリカのイラン攻撃に対して日本は支持しているわけですよね。そうすると完全なダブルスタンダードであって、これから中国とかロシアに対して日本は非難できませんよね。アメリカのやってることに追随しているじゃないかと言われてしまうと、日本としては言い返すことができない。 

日本だけではなくてオーストラリアの首相もアメリカとともに声明を出して、イランの体制転覆を支持したというニュースがありました。ヨーロッパの西側諸国も足並みを揃えているわけですよね。こうなると国際法に基づく国際秩序って一体何なんですか、世界はこれを手放してしまったんですかっていう状態なんです。 

一方でロシアのプーチン大統領は今回のアメリカの行動は人間の道徳や国際法を踏みにじったと批判していて、色んなものが捻じれてしまっている。結局、国際法とか国際秩序っていう言葉が自分たちの国益のために都合良く使うアイテムみたいなものに成り下がってしまっていると思います」

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