自民党「給付付き税額控除」を議論 「貧困の罠」を防ぐ制度へ

3月10日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、「給付付き税額控除の制度設計」について意見を交わした。

“貧困の罠”からの脱出を考えていく制度設計

自民党は「給付付き税額控除」の制度設計について議論を始めた。中低所得者の家計支援に加え、災害などの緊急時に速やかに現金を支給できる利点を訴える方針だ。超党派の「社会保障国民会議」と並行して党内の意見集約を進める。 

「給付付き税額控除」は、所得税額から一定額を差し引く税額控除と給付を組み合わせる仕組み。所得が少なく納税額が控除額より少ない場合は、差額を給付する。 

「まず“給付付き税額控除”の効果ですが、これは田中さん、どうご覧になりますか?」(寺島アナ) 

「例えば、今の日本の生活保護制度っていうのは、働いてしまうと税金を取られたり生活保護を切られたりして貧しくなる“貧困の罠”という深刻な制度欠陥があるんです。この“給付付き税額控除”だと働いていけばある一定のところまでは所得が増えると給付も増える。そういった形で“貧困の罠”を抜け出しやすい制度設計になるのが本来の趣旨なんです」(田中氏) 

「はい」(寺島アナ) 

「食料品の消費税減税と組み合わせるのが、いま政府がやろうとしている方針で、その趣旨もやはり中所得から低所得者層の食料品の負担をなるべく軽くしようとする、再分配政策としての要素があります。それを“給付付き税額控除”で結びつけますから、“貧困の罠”からの脱出を考えていく制度設計になると思います」(田中氏) 

社会保障制度調査会の会長、田村憲久元厚生労働相は「目的を何のためにやるかによってかなり財源も変わる」と述べている。政府が各世帯の所得や資産を把握することが制度の前提になる。一律の消費税減税などと違って、真に支援が必要な人に恩恵を届けやすくする。 

“給付付き税額控除”の早期導入を求める意見の背景に、中低所得者への支援だけでなく、緊急時のインフラとしての役割もアピールする狙いがあるとされる。自然災害や感染症の拡大などに対応して、これまでの現金給付だと自治体を介する仕組みで、支給まで数カ月を要した。給付対象を詳細に区切れず、“バラマキ批判”を招いたと言われている。 

そこで“給付付き税額控除”を活用し、災害などの緊急時に速やかに現金を支給できる利点がある。 

「これはどうでしょうか?」(寺島アナ) 

「そういった利点はたしかにありますから、国民の資産状況や所得状況を正確に把握しないといけない、ということがありますよね。そうしないと緊急時の給付っていうのはバラマキになっちゃって元も子もなくなっちゃいますからね。そういった情報の収集、そのための制度整備が重要です。だからマイナンバーカードと口座を紐づけるなど、積極的に進めることになると思います」(田中氏) 

 

 

〈出典〉 

給付付き税額控除を緊急時インフラに 自民、物価高対策と同時に追求 | 日本経済新聞

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