お笑い芸人の大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜11:30~15:00)。10月26日の放送は、KADOKAWAから発売中の『凡人が天才を凌駕するとき 不器用な遅咲きメダリストが極めた準備力』の著者である、パリ五輪女子柔道48kg級金メダリスト角田夏実さんを招き、月曜パートナーの阿佐ヶ谷姉妹とともに話を聞いた。
江里子「本日のお客様をご紹介いたします。この度、『凡人が天才を凌駕するとき 不器用な遅咲きメダリストが極めた準備力』というご本をお出しになりました。2024年パリ五輪女子柔道48キロ級金メダリストの角田夏実さんです。 よろしくお願いいたします」
角田「よろしくお願いします」
大竹「はい、ようこそいらっしゃいました。凡人が天才を凌駕するとき」
江里子「かっこいい、すごいタイトル」
大竹「ねえ、聞きたい言葉だよね。世に天才と呼ばれる人は死ぬほどいるけど」
江里子「はい」
大竹「でも、そうじゃなくて、凡人が」
角田「凡人です」
大竹「って言うけどね」
スタジオ(笑)
美穂「とは言ってもね」
大竹「でも、さあ、あなたも天才の一人なんじゃないですか?」
角田「そんなことなくて、本当に天才の人たちを羨ましいなと思ってた時期が長くて」
大竹「ええ? でも、全国大会で3位とか」
美穂「すごい成績。ねえ」
大竹「それを取ったりすると、ものすごい悔しがってますね」
角田「そうですね。でも、本当に試合前には足が震えて逃げ出したくなることが多くなったりとか。試合前にコーチの前で泣いてしまったりとか。全国3位って言っても、やっぱりオリンピックに出る選手、メダリストとかは、みんなジュニアの世代から、何かタイトルを取っていたので、ワタシ自身は3位止まりで。こんだけやってこれかっていう」
大竹「こんだけって、どのくらいやって?」
角田「そうですね。高校生でこの柔道をやるって決めて、転校とかもして。この強豪校に行きたいと決めて行ったんですけど、もう朝から晩練習をして、授業もあって。それ以外に夜、みんなが帰った後に学校に戻って」
大竹「戻る?」
角田「はい、戻って。9時ぐらい、ご飯食べた後に真っ暗な校庭で親に付き合ってもらってグラウンドを走ったりとか、いうこともやって、他の人よりもやってるのになっていうのを思ってたんですけど。それでも、まだ3位かっていう」
大竹「そんな、努力したことある?」
江里子「ないです」
美穂「ないです」
大竹「その努力がさあ、何が悔しくて。全国3位でとか言われても。まあねえ、2位と1位が上にいるからね。分かりやすいからな」
江里子「そこで、諦めずに、ああって思って、それでもさらに進もうってされたっていうところの、機動力というか原動力みたいなものが何なのかっていうのが、今回、ご本にも書かれていたわけですけれども、小学校2年生の時から始められたんですね、柔道」
角田「はい。柔道は父がやっていたこともあって。もともと、ワタシ自身は泣き虫で、気持ちの弱い子だったので、ちょっと柔道をやらせて強くなるかなっていうので道場に連れて行ってもらったのがきっかけでした。もともとは身長も小さくて、小柄で体重も軽かったので、なかなか勝てなくて」
大竹「そうだよね。他には、男の子とかいるんでしょ」
角田「そうですね、男女、小学生の時は一緒で戦ってたので。で、いつも泣いてばかりで、泣き虫なっちゃんと呼ばれて」
大竹「泣くのはさあ、だって負けて悔しいからだろう。オレ、泣かないもん、負けて」
江里子「あら。そうですか」
大竹「あ、そうみたいな。いや、だから、そこがちょっと違う。泣いてばっかしって言うけども、なんでこれだけ練習してきて、あの男の子に負けちゃったんだろう、みたいなこと?」
角田「そうですね、悔しい涙だったのだと思います。でも、小学生の時に思いっきり練習してたかといったら、すぐ気持ちが折れちゃうタイプで、道場に行くのも嫌だなって思ったりとか、練習しても、男の子に練習でも負けちゃうしっていうので、練習中、角に隠れて気がついたら寝ちゃってたぐらい、そんな真面目にはやれてなかったんですけど」
大竹「ゲーセンとか行った?」
角田「(笑) ゲーセンは行かなかったですね。親に送ってもらって迎えにも来てたので」
大竹「アイドルとか、推しの世界には浸らなかったんですか?」
角田「そうですね、あんまりそういったことよりも、体を動かすことの方が好きでしたね。なので、柔道はちょっと負けて悔しくて嫌だったんですけど、その練習前後にある鬼ごっことか。みんなで体を動かしながらっていうのは楽しかったんで、なんだかんだ、それが楽しくて、道場に行って」
江里子「よかった、鬼ごっこがあって」
角田「はい。本当にそう思います」
大竹「本当だよな。少しは発散する時間がないとな。お父様はオリンピックとか出てらっしゃるんですか?」
角田「いや、出てなくて。高校でほとんど柔道を辞めてしまったぐらいなんで。でも、全国に出たりとか。昔は本当に3階級ぐらいで、父もやっぱ軽い方だったので、その中でも大きい相手に投げて勝ってたっていうのは聞いてはいたんですけど」
大竹「え? お父さんが?」
角田「はい。父が、大きい相手を投げて勝ってて。で、まあ全国にも出てて。だから、ワタシにも全国に出て勝てるような選手になってほしいっていうのは言って。オレを超えろって言われてました」
大竹「でも、お父さん、オリンピック出てないんじゃん」
角田「出てないです。出てないですけど、ワタシは地区大会で1、2回戦負けだったので、それだったら、まだパパの方が強いなっていうのは言われていて」
大竹「ああ、そうか」
角田「はい」
大竹「何かで、何の大会? 出て13秒で負けたってやつがある?」
角田「そうですね。中学校に上がって階級が分かれてきて、男女も分かれて、少しずつ勝てるようになっていったんですね」
大竹「なるほど、階級が分かれて、男女が分かれて。そうすると、同じぐらいの体重の中にいる人とやったわけだ」
角田「でも、小学生からやりたくないなと思ってて、中学もそんなにやりたくないと思ってたんですけど、父がうまく言葉を使って、こういうポイントゲームやってみようとかっていうので自主練に付き合ってくれてて。そういうので餌をまかれて。続けてたことで、そうしたら気がついたら中学校の2年生の時に全国に出れることになって。で、県大会で優勝ができて」
大竹「すごいじゃない」
角田「めちゃくちゃもう嬉しくて、ワタシ、強いかもしれないと思って全国に行ったら1回戦13秒だったので、アレ?と思って」
美穂「全国大会のすごさ」
大竹「技は何で負けたんですか?」
角田「一本背負いっていう」
大竹「背負い投げみたいな? 一本背負い」
角田「一本背負いっていう技なんですけど、その技で負けた時に、まだ、そこまでワタシは習ってなかったんですね。その技自体を知らなくて」
大竹「知らなかった?」
角田「知らなかったです。もう2本持ってかける技しかやってなかったので、なんで手が離れて、逆に入ってこられたんだろうっていうので、気がついたら投げられていて。で、戻っていった時に中学校の柔道部の監督にも「まだ教えてなかった。ごめんな」って言われたんですね」
大竹「知らなかったんじゃねえ。負けた時にさあ、審判員の人がパって手を上げるじゃない。あれ、一本とかって言うの? 言わないの?」
角田「あ、言いますね」
大竹「言われるの?」
角田「はい、言われます。一本、それまでって」
大竹「一本! それまで!」
江里子「ああ、言われちゃった」
角田「言われましたね」
大竹「悔しい、悔しい」
角田「何が起こったか分からなかったです」
大竹「それはちょっと励みになるかもしれないな」
角田「逆に、知らなかった技だからこそ、もっと知っていけばワタシも強くなれるなって思ったんです。だから、もっとやりたいなと思って高校に、ここの強豪校に行きたいって言って、親にお願いして、いろいろ手続きしてもらって行けて。そこから3年間、柔道漬けの毎日を過ごしたんです」
大竹「ちょっと偏見で間違ったら謝るけど、柔道やってると、体ごつくなんないの?」
角田「なります」
大竹「肩がぐっとして。ガニ股にならないの?」
角田「あの~、なります。O脚に」
スタジオ(笑)
大竹「うわあ~!」
江里子「素晴らしい!」
大竹「素晴らしい肉体!」
江里子「今ね、筋トレ中みたいなトレーニングウェアの写真、見させてもらってました」
大竹「これ、既成の服は合わないだろ? これ」
角田「そうですね、やっぱりジャケットとかは」
大竹「肩パッド入れてるみたいだもんね」
角田「入れてるみたいになっちゃいますね。固いジャケットは前で腕が組めないので、ストレッチが必須だったりとか、結構、服には困りました」
大竹「でも、そんなことは気にしなかった?」
角田「気にはなるんですけど、階級的にも一番軽い階級だったので、まだ服で隠せた」
大竹「そうですか」
角田「でも、やっぱり水泳の授業の時には、かなり言われますね。ごついと」
大竹「どうしたの、その肩」
スタジオ(笑)
大竹「男子は、そういう肉体を持っている君をどんな風に見てたの?」
角田「そうですね。やっぱり柔道部だなって言われた(笑) でも、筋肉、一緒に鍛えて、楽しめてはいましたね」
大竹「男の子もね」
角田「逆に、女の子として扱わなくていいみたいな(笑)」
江里子「仲間っていう感じね。同志」
大竹「でも、全国3位だったら、男女一緒に練習してたら、男の子だって、そこまで届かなかった子は、たくさんいるわけでしょ」
角田「そうですね、でも。いや、どうなんですかね。男女の差はかなりあるので、男子は男子でかなり強く、もう本当に体のぶつかり合いというか。やっぱこう女子と戦うと、全然負けちゃうんですけど、一緒にトレーニングとかはしてました」
美穂「高校とかだと、どういう練習を毎日するんですか?」
角田「ワタシの高校は、もう本当に朝練は走るかウェイトか」
大竹「ウェイト」
美穂「筋トレみたいな?」
角田「筋トレですね。機械使ったベンチプレスとか、スクワットとかしたりして。で、午後の練習はもう柔道の練習をして。で、それが終わった後にロープを登ったりして」
大竹「ロープ登るの?」
角田「ロープ登りますね、毎日」
美穂「腕が強くなりそう」
角田「はい、手だけで登れって言われたりとか」
美穂「腕がやっぱ大事なんですかね」
角田「そうですね、やっぱ引き付ける、握る力っていうのも大事なんで、ロープからぶら下がって」
大竹「あのー、やっぱ襟つかむものな。あれつかめないもんね」
角田「つかむの大事ですね」
大竹「つかまれたとか、つかんだみたいなことで勝ち負け、結構影響あるの?」
角田「そうですね、やっぱりいいとこだったり、得意な形のところを持ったら、すぐに技に入られちゃうので、その組手争いっていうのが結構大事になって」
江里子「だって秒で投げられたりとかありますよね」
大竹「秒でって言うな、お前。もう、13秒でやられてる。しかも、この試合は、結構、自分で自信がついて勝てると思って、お父さん、お母さん、妹、弟、全員が見に来た目の前」
江里子「なんで言いますか? 大竹さんが掘り起こしてるじゃないですか」
大竹「何がだよ」
角田「そうなんですよ。この時、負けた時に、結構小学生の時に父に負けたら怒られてたんですよね。しっかり負けた試合、見ろとか言われてたんですけど、この時は「大丈夫だ。お前より早く負けた奴がいる。9秒の奴がいるから気にするな」と慰められたんですよ」
大竹(笑)
角田「それが逆に悔しくて」
大竹「ああ、それは悔しいよね」
角田「悔しかったです」
大竹「大丈夫だ、9秒の奴がいるから」
江里子「そっか慰めもね」
美穂「慰められると逆に悔しくなる」
大竹「資料見てると、ここでもう一回、火がついたような気がするんだけど」
角田「そうですね。ここがかなりの分岐点だったと思います」