政治家が生まれるまでの舞台裏。世襲、たたき上げ、元官僚など

ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、10月29日の放送にノンフィクション作家の常井健一が出演。国会議員を中心に、政治家が生まれるまでにどういったルートがあるのか、解説を展開した。

鈴木敏夫(文化放送解説委員)「政治家には世襲議員もいれば元官僚、秘書や経営者、アナウンサー出身も多くいます。こうした人たちは、どうして政治家になれたのでしょうか。きょうは常井さんに『政治家が生まれる舞台裏』に迫っていただきます」

長野智子「どういう経緯で政治の世界に入ってくるのか」

常井健一「このテーマを選んだきっかけは、横浜高校の織田翔希投手を巨人が指名したことです。さらに松井秀喜さんが監督になる、という経緯があって。1人の選手を獲得するのに巨人軍の動きってすごいな、となったときに政党のスカウトマンを思い出したんです」

長野「そういうことか」

常井「それはさておき、国会議員のケースを中心にお話をします。決まったルートがいくつかあるんです。公明党や共産党のように特定の組織に入る場合はともかく、ざっくり4つぐらい。1つ目は世襲ですね。政治家の親から地盤、看板、カバンを引き継ぐと。それを婿入り、嫁入りして獲得する家もあります」

長野「日本は特に多いですよね。アメリカはこんなに多くない」

常井「2つ目は、たたき上げです。政治家の秘書として、いわゆる雑巾がけをして。ボスから、のれん分けをしてもらうルートです。24時間365日、選挙区を走り回って地元人脈をつくると。ボスが引退したり、ほかの選挙区が空(あ)いたりしたときに立候補する。地方議員から国会議員になるのも似たケースです。簗和生さんも秘書出身です」

長野「あ、そうですね」

常井「3つ目は官僚から政治家になるルートです。たとえば中央省庁の役人でも大臣秘書官を経験すると大物政治家との距離がグッと縮まる。すると『選挙に出ないか』と声がかかる」

長野「玉木雄一郎さんも官僚からですね」

常井「片山さつきさん、小林鷹之さんも官僚から。新聞やテレビの番記者が政治家になるケースも似ています。丸川珠代さんはアナウンサー、安住淳さんは政治記者でした」

長野「はい」

常井「最後、4つ目は政治塾。最も有名なのは松下政経塾ですね。パナソニックの創業者、松下幸之助が資材を投じて町内エリアにつくった全寮制の政治塾です。野田佳彦さん、高市早苗さんらを輩出した。50年弱の歴史で、卒業生およそ300人。3割が政治の世界に進んだ、とされています」

長野「ほう」

常井「いまは維新政治塾のように各党が持っているかたちも多いんですが。民間の独立系のほうが歴史は長く、実績も多いんですね。ほかに大前研一さんがつくった一新塾、日本政策学校というのも歴史があります。公募というケースもあって」

長野「政党の公募」

常井「はい。公募の元祖は平成に入ったときにつくられた日本新党、第1号は弁護士だった枝野幸男さんでした。当時は倍率75倍という激戦だったんです。この公募の文化が後の民主党に引き継がれて、自民党も2004年から導入したと。自民党でも公募で集まった履歴書のストックが、いざというときの人材プールになっているんですね」

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