中国、海外メーカーへの規制強化を検討 上念司氏は「日本で作っちゃえばいいんですよ」と提案

中国政府が日本を含めた外国のオフィス機器メーカーに対し、複合機などの設計や製造の全工程を中国国内で行うよう定める新たな規制を導入する方針である、と読売新聞が報じた。7月1日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、このニュースについて月曜コメンテーターで経済評論家の上念司氏と寺島尚正アナウンサーが議論を展開した。

設計・開発を中国で行えば「技術流出のおそれあり」

中国の政府機関である国家市場監督管理総局は「情報セキュリティー技術オフィス設備安全規範」の名称で策定を進めており、対象となる設備は「主に印刷、スキャン、ファクス、コピーの一つ以上の機能を持つ機器」と具体的に例示。
オフィス設備を構成する重要部品として「メイン制御チップ、レーザースキャン部品、コンデンサー、電気抵抗器、モーター」を列挙し、中国国内で設計・製造するよう強調している。

複合機の中枢を構成する部品には機微技術が集中しており、その中には軍事転用可能な技術も含まれている。この動きについて上念氏は、米中関係の緊張が影響していると分析した。

「もうなりふり構わずやってきましたね。中国の(他国の)技術を盗む活動もだいぶアメリカによって封じられてきています。日本でも経済安全保障推進法が通りましたし、そういう意味で中国も厳しくなってきたんだと思います。下手すると、中国国内から組み立て工場が逃げちゃうかもしれませんよ」(上念氏)

現在、日米などのメーカーは、最も重要なノウハウが集中する設計・開発は自国で、製造・組み立てはコストの低い中国国内の工場で行っている。
メーカー関係者は「中国国内で設計・開発をすれば、その過程で技術が盗られる可能性は高い。すぐに中国メーカーに模倣され、我々の競争力は失われる」という危機感を示している。

寺島アナはこの点に関して「これ、技術を盗んだらサヨウナラって可能性もありますよね」と尋ねると、上念氏は「可能性はありますよね」と応じたうえで、円安を利用した製造工程の国内回帰の可能性に言及した。

「日本で作った方が安いってことになれば、日本で作っちゃえばいいんですよ(略)。日本の各自治体がものすごいお金をかけて作った工業団地がまだスカスカですよね。そういうところに連れてきちゃえばいいんじゃないですか? このまま円安定着で、日本の輸出産業大復活で。すでに高炉メーカーが復活しつつあるというか、絶好調みたいですよ」(上念氏)

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