ドイツ戦決勝ゴールを決めてジャガーポーズを披露した浅野拓磨選手のひとこと

 

 ドイツ戦勝利で日本中が盛り上がってきたFIFAワールドカップカタール大会。日本の第2戦コスタリカ戦は日本時間27日午後7時から。日本が勝って、スペインドイツ戦の結果次第で決勝トーナメント進出が決まります。

 文化放送では大会期間中、現地カタールで取材するドイツ在住のサッカージャーナリスト了戒美子さんが随時レポート。

 日本に敗戦したドイツ国内の様子、ドイツ戦で決勝ゴールを決めた浅野拓磨選手についてのレポートです。

 

 

日本代表が初戦でドイツに勝利してから3日が経ちました。ドイツ戦勝利は、両チームにとっても大会にとってもまさかの出来事でした。ドイツメディアはフリック監督の戦術から選手交代、人柄までも大批判を展開。勝てば官軍負ければ賊軍とはよく言ったもので、望まぬ結果を出してしまった場合一気に叩かれるのはどの国でも同じです。試合前には、「ONELOVE」の腕章(あらゆる差別に反対する意思を示すものでした)をFIFAが実質的に禁じたことに対する意義を示すため、ドイツ代表試合前の記念撮影では口元を押さえたポーズをとりました。試合前、ドイツ代表が「ONELOVE」の腕章を着用しないと決めた時は「ドイツ代表はFIFAに屈したのか」と多少の罰則も受け入れて着用すべきだとメディアはドイツ代表を叩きました。負けると今度は「ドイツ代表は政治をしに行ったのか」と口元を押さえたポーズを批判。勝たない限り、基本は常に批判、逆風ということのようです。

 

一方、下馬評を覆す勝利を挙げた日本ですから、我々日本人はドーハの街を歩くだけで、「おめでとう」と言われとても誇らしい気分に。聞くところによると日本国内でも、テレビのワイドショーはサッカーで持ちきりで、サッカーブームがやってきたかのよう、だそうですね。盛り上がりを一過性のものにしないというのはいつでもメディアの課題ですが、今回はどうなるでしょうか。

 

さて、コスタリカ戦の話題の前にドイツ戦で決勝点を挙げた浅野拓磨選手について紹介しておきましょう。浅野拓磨選手といえば快速で知られる選手です。ドイツ戦での得点は板倉滉選手からのロングパスを見事なトラップでピタリと止めてシュートに持ち込みました。トラップの前には相手の最終ラインとの駆け引きがありましたが、ラインの裏に飛び出すか(板倉選手が蹴る前に飛び出してしまうとオフサイド)迷っている様子がベンチから見て取れたそう。そこで「オフサイドないぞ!」とベンチから浅野選手に声をかけ、というかみんなで叫びそれがピッチ内の浅野選手に届いたことで、あの飛び出しからのトラップ、見事なニアぶち抜きシュートにつながったというわけです。スタジアムにはこの日、42608人の観衆がいたのですがそれでも声が聞こえるということは、よっぽど強い思いでベンチの選手たちも叫んだのでしょう。ちなみにこのエピソードを教えてくれた町野修斗選手は、出場していないにも関わらず試合後にはアドレナリンが出すぎて眠れなかったのだそう。出場機会がなくても、応援したくなりますね。

浅野選手はこのドイツ戦後、記者から「ジャガーポーズをよく冷静にできましたね」と尋ねられていました。ジャガーポーズとは浅野選手がゴールしたあとに見せる両手の爪を突き出すポーズで、浅野選手のトレードマークでもあります。この質問に対し浅野選手は、すっかり落ち着いた様子でこう答えたのでした。

「ぜんぜん普通っすよ。今もそうですけど。やっぱそれ以上にうーん、いやまあそうっすね。色んな経験してきたので」

たしかに、浅野選手は辛酸を舐めてきた選手の一人です。前回大会ではメンバー入りできず、サポートメンバーとしてロシア現地で代表選手と一緒に練習するなどしました。W杯メンバーの記念撮影時には、横でそれを見ているしかありませんでした。初戦コロンビア戦だけ見て、帰国。「この経験は今後に生きる」と香川真司選手に言われたそうですが、それでも悔しさは想像以上でしょう。単なる落選よりも悔しかったかもしれません。W杯翌年の2019年レンタル元のイングランド・アーセナルとも当時プレーしていたドイツ・ハノーファーとも契約ができなくなった時期もありました。結果的にセルビアのパルチザン・ベオグラードに移籍。ここでは活躍したのですが最後、契約問題でチームを自ら離れなくてはならないという難しい時期を過ごしました。決してこの4年間順調な時期ばかりではなかった選手なのです。その苦労が報われたような得点でした。

 

でも、一旦ドイツ戦勝利を忘れてコスタリカ戦に集中する必要があります。決勝トーナメントに進むためにはなんとしてでも勝利したい相手です。油断せずに臨んで欲しいものです。

 

 

Text&Photo

了戒美子 Yoshiko Ryokai

映像制作会社勤務からサッカー取材を開始。五輪は2008年北京五輪、W杯は2010南ア大会から現地で取材。2011年からドイツに拠点を移し、ブンデスリーグ、ヨーロッパで活躍する日本人選手を精力的に取材し、雑誌、新聞、WEB、ラジオなど媒体を問わず活躍中。

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(監修:東京・池袋占い館セレーネ所属・石川白藍(いしかわ・はくらん)さん)





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■監修者プロフィール:石川白藍(いしかわ・はくらん)
天の後押しがあって、2018年、2019年のスキルシェアサイト「ココナラ」にて、高いリピート率で2万以上あるサービスのなかでランキング1位となる。第六感の精度・占いの技術だけではなく、SNSマーケティング、子どもたちに生き方を教える塾の経営、コミュニティ運営、資産の作り方、行動心理学の知識など、幅広く培った経験を活かして、抽象的なメッセージだけでなく具体的な指針を伝えることができる。
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