五百旗頭幸男「地方メディアは行政・経済界と一体化してしまっている」

映画『はりぼて』や公開中の『裸のムラ』の監督で知られる石川テレビの記者・五百旗頭幸男さん。1月24日の「大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)」は、東京の大手メディアと地方メディアの問題点について語った。

五百旗頭「僕らはローカルで根を張って取材してる中、例えば大きな事件、事故が起きた時に東京から大メディアの人たちがやってきます。極端な話をしますと遺族の方にインタビューをしたいんだけど彼らは日数的に限りがある。そんな時に彼らは記者だけが遺族のところに行って遠くからカメラマンがその様子を撮る。被写体はまさか撮られているとは思わない。だから答えていたんだけど、それが全国ネットで放送される。その後、ローカル局の僕らが取材に行くと『お前、どうなっているんだ!もう二度と取材は受けない』と“マスゴミ”という一括りで片付けられてしまう。そういう屈辱的なことが結構あるわけですよ。でも僕らは一から関係を築き直して、また耕さなければならない。そういう苦しみを味わいながらやってきてるので、大きなメディアの不遜な振る舞いに対しては軽蔑の目を向けていますし、僕らはそういうのではないんだというプライドも持ってます」

大竹「東京から来る大きなメディアが場をガサガサッと短い時間で荒らして帰った後、五百旗頭さんたちに降りかかってくる。逆に地方のメディアの問題点って何かおありでしょうか?」

五百旗頭「地方は行政権力・経済権力と新聞社・テレビ局が近い。ありがちなのは、そこの行政・経済と地方の第一紙が一体化してしまう。情報は全部その新聞社にいくんです。政治家もあらゆる情報はその新聞社に出して、いわゆる“抜きネタ”というものを書かせる。そうやって世論形成をしていく。あとテレビ局によくあるのは行政もスポンサー、経済界もスポンサーなので、そこを怒らせたくない。行政と経済界の結びつきが強いものだから、知事だったり市長に対して厳しい報道をすると、そういうことはやめろっていうような圧力がかかる。直接はこないけど、同じ局の営業の人たちなんかを使って『どうなってんだ!』っていうようなことを言ってくることはよくあります」

この他、番組では五百旗頭幸男さんが公開中の映画『裸のムラ』の製作秘話などを語っています。もっと聴きたいという方はradikoのタイムフリー機能でお聴き下さい。

五百旗頭幸男さんは番組の「大竹メインディッシュ」のコーナーにご出演です。

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