批判していいのは批判できるほど知った人だけ!?

4月26日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、特集コーナーは「結局、好きなの? 嫌いなの?」というテーマでお届け。今月、村上春樹さんの新作『街とその不確かな壁』が発売されて話題だ。村上春樹作品といえばファンだけでなく、アンチも多い。

西川あやの「たとえば村上春樹さんのアンチの代表的な意見(資料)があるんですけど、太田光(爆笑問題)さんは『読者に対するサービス精神がなさすぎる』、あとネットの意見で『もったいぶった言い回しで、じつは何も言っていない~』『人生の勝ち組の余裕を感じてしまう』『主人公の自分語りが妙に長く鬱陶しい……』『主人公に都合のいい女性しか登場しない』」

石戸諭「それ(『都合のいい女……』)がいちばん大きな批判じゃないかな」

西川「お二人はこういう感情を持つことありますか? 嫌いなものを見に行ってしまう、みたいな」

永井玲衣「……ある(笑)。あるし、基本的に好きなものは憎みますね」

石戸「というと?」

永井「私はジャン=ポール・サルトルという思想家に傾倒しているんですけど、ものすごく愛しているがゆえに、メチャクチャなことを言い始める。彼のことを批判もする。そこ(好き嫌い)が急にコントロールできなくなることがある、というのはわかります」

西川「それってきっと、サルトルのいろんなものを読んで、どういう人なんだろう、と考えた結果、出てきちゃうということですね」

永井「そうですね。怒りも出てくるし」

石戸「僕はインターネット、SNSを心が乱れないように設計しているので(笑)。乱されそうな人はミュートをかける、というの徹底している。わざわざ(批判を)見に行くということはないですね。自然と目に入ったとき『イヤだな』というのはあるかな」

西川「私、『嫌い』という感情を持つためには、その人や作品のことを知らないといけないと思うんですよ」

永井「そうそう」

石戸「そうですよ」

西川「気づいたら、あまり好きじゃない作家で棚が1個埋まっているみたいな」

永井「わかる(笑)!」

石戸「批判するために買っちゃった、みたいな」

西川「批評家じゃないから批判する場所もないのに(笑)」

この記事を読む