【音現場から・ミキサー裏話】G7広島サミット国際放送センター

文化放送メールマガジン(毎週金曜日配信)にて連載中のコラム「水谷加奈の劇場型恋愛体質」。
アナウンス部長・水谷アナが、日々の生活で感じたことを心のままに綴っていく。

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―5月19日(金)配信分―

―5月19日(金)配信分―

東横線、自由が丘のホームにて。17時頃だったでしょうか。 

中年サラリーマンが小学生の男の子に

「大丈夫?」

と声をかけています。

どうしたのかなと近寄ったところ、どうやら男の子は寝過ごしてここまで来てしまったとのこと。途方に暮れて泣きそう。携帯は持っていないようです。

ちょうど時間があったので、

「あとは私が駅員さんのところに連れていきますよ」

と男の子を預かりました。しかし、

「どこで降りる予定だったのかな?」

と聞いても、男の子は絶望的な表情のまま私の顔を見ようともしません。

「馬車道から来た。四ツ谷に行くの。お母さんに怒られる」

この世の終わりという顔でつぶやく男の子。

「大丈夫だよ。お母さんは怒らないよ。駅員さんに相談しようね」

しかし横浜方面から四ツ谷まで行くとは何の用事があるのだろう?小学3年生くらいなのに。ホームを下って事務室まで行き事情を説明したところ、若い駅員さんがニコニコしながら言いました。

「そっか。馬車道から乗って【横浜の四ツ谷】に行きたかったんだね。そしたら寝過ごして自由が丘まで来ちゃったんだね」

うん。と小さく頷く男の子。

ん?

あ!そういうことか!

四ツ谷とは塾のこと。四ツ谷大塚のことだったのか!

それに気が付けなかったなんて。私もはまだまだだなあ。

もっと頭を柔軟にして想像を広げるべきでした。

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