立川志の輔師匠、野村邦丸アナと出会った若き日の思い出を語る!

8月31日(木)の「くにまる食堂」(文化放送)に、落語家の立川志の輔さんがご来店! 最初のコーナー「今日のA定食」では、旧知の仲である志の輔師匠と、大将・野村邦丸アナが茨城放送で出会った頃の話で盛り上がった。
野村邦丸アナ「東京では3人に1人が落語家になるような時代で、落語家の方全部知ってるわけじゃないんだけど、私が唯一喋り方をパクりたい!って思ったのが志の輔師匠だけで。師匠がまだ前座の頃かなあ? 茨城県水戸市にあります茨城放送というラジオ局で……」
立川志の輔「ああ~っ、さすがに前座じゃないけど二つ目の時にねえ」
邦丸「あの時二つ目でしたか! 『若者通り22時 夜はこれから』という番組のDJを当時志の輔師匠がやってたんですよ、若かりし頃の師匠が。で、茨城放送の片隅にあるレコード室の薄暗いところにレコードプレーヤーが2台あって、志の輔師匠がこちらにお座りになってじぃ~っとヘッドホンで落語を聴いていて、その横で私もレコードをじぃ~っと聴いていて、語り合うこともなく……その後私は文化放送に来たんですが、その時志の輔師匠は朝の9時から11時の時間帯の番組をやっていまして」
志の輔「やってる時にあんたが副調整室から顔を見せた時にですよ? 茨城放送で、ただヘッドホンしながら隣に居ただけなのに、貴方の濃い顔がバーンと、ガラスの向こうに映った時に、『何でここに居るんだ!?』って思ったってことは、いかに貴方の印象が強かったかってことですよ!」
邦丸「いやいやいやいや……」
志の輔「いやいや、ホントにだってもう、レコード室に居るだけなのに、ヘッドホンしてただけなのに、もう本当に貴方の顔の印象が強かったですよ。びっくりしたぁ~、生放送やってる時にガラスの向こうの副調で、ミキサーさんの隣から顔を出して、手を振りながら『どうも、どうも!!』って。こっちは『えっ!えっ!!』って(笑)。CMに入ったらドアを開けて、『文化放送に移籍したんですよ』『ええっ!』って。あの時、アナウンサーになったんだよね?」
邦丸「そう、まだスポーツアナウンサーだった頃ですね。で、その後、師匠の落語界に顔を出させていただいて、それからCD全集を師匠の方からいただいて、『聴かなくてもいいよ?』って言われながらもずーっと聴いてて、そこで志の輔落語に私もハマッて、パルコや明治安田生命ホールとか色んな落語会に行って。ただ落語会に間に合わなくて打ち上げだけ行ってることも(笑)」
志の輔「そういう時もあったねえ(笑)。それぐらい、色んなところで付き合ってくれて本当にありがたいなあと思いながら、どんどんどんどん文化放送の看板アナウンサーになって……もう、本当に手の届かない人になった」
邦丸「(笑) 十分じゃないですか、十分手が届くどころか、毎回志の輔師匠の番組の収録に『あっため係』としてお邪魔させていただいて」
志の輔「本番前にねえ、私の肩を言葉で揉んでくれて、ありがたいことです。『あっ、頑張らなきゃ!』って思うもん」
この後、立川談志師匠がある日突然落語協会を脱退された時の衝撃的なお話も飛び出した。
「俺たちの仕事と似てる」大竹まことが考える小説家との類似点に作家も関心「なるほど」
お笑い芸人の大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30) 2月17日の放送は、ちくまプリマー新書から発売中の『読まれる覚悟』を著した、小説家の桜庭一樹氏を招き、本の内容について伺った。
大竹「桜庭さんは、ライトノベルからご本をお書きになって、確か5冊目ぐらいで直木賞をお取りになったんですよね」
桜庭「そうですね。大人向けの本を書くように変わって、そこから5冊目ぐらいかな?直木賞をいただきました」
大竹「最初は、たくさん読んで欲しいという思いと、読まれるとどうなるんだという思いが交錯したとお書きになってますね」
桜庭「本を書くとき、想定する読者は自分の脳内で考えた読者なので、自分が思った通りに読んでくれて、褒めてくれたり面白がってくれると想像していたんですけど、現実の読者は自分と違う人なので、思いもかけない読み方をされるので、それで感動することもあります。めちゃくちゃ深読みで、これいいなと思うこともあるし。その人の人生が投影されるから、「この人の人生はこうだから、こんな風に呼んでくれたんだ」と思うと、その人と対話したような気にもなるし、嬉しい時もあれば、ちょっとびっくりするぐらい違うときもある」
阿佐ヶ谷姉妹(笑)
大竹「ただ、最初の売れてない頃は、読まれたいと思っていた」
桜庭「そうですよ。読まれたい、仕事が欲しい、本が出したい、どこかに出たい、名前だけでも覚えていて。(笑)4年ぐらい全然売れなかったので、まず本を出したい。出したら、一冊でも読んでもらいたい。本屋さんで見てるけど誰一人手に取らない。で、お母さんの感想しか聞かない」
大竹「自分のお母さん?」
桜庭「お母さんの辛口批評しかない(笑)とか、そんな感じですね。それだとまず、読まれたい。どんな読まれ方でも読まれたい。本を出したのに消えたみたいな時期が4年ぐらいあったんですよ」
大竹「なんかでもあれだよね。俺たちの仕事とちょっと似てるよね。知られたいっていうのと、分かってほしいっていうのと」
阿佐ヶ谷姉妹・江里子「そうですね」
大竹「ただ、本当のことを分かっちゃうとダメになっちゃう。言ってること分かります?分からないのは魅力じゃないですか」
桜庭「あ~、うん、分かります」
大竹「だから、分かられると消費ってことなんですわ。全部わかっちゃうと、飽きられるってことなんですよ。だから、消費されないぐらいの度量を持ってる人が「この人は、いつまでたっても不思議な人だな」と思われるというか、そういうのをどこかでお持ちになってるんですよね」
桜庭「分かります。なんか全部書ききらないのが小説でもあるから。自分の中にテーマがあるんだけれども、それをどれぐらい出すかのコントロールもあって、出し切らないのもあって、多様な読み方をされるんだと思う。全部、言い切っちゃったら一つの答えしかないから、みんな同じように受け取るんですけど、そうではない「謎」として提示する、「問」としておくから、みんながいろんな答え方をするので、それが多様な読まれ方なので。今回の本のタイトルは『読まれる覚悟』なんですけど、言い切らないことによって多様に読まれることを覚悟するのが作家だということなんだろうって今思いました」
大竹「ああ、今思ったの!?」
桜庭「大竹さんのお話が深かったので今思ったんです。なるほどなあ」