処理水を海に放出する以外にも方法はたくさんある

8月24日から始まった福島第一原発の処理水の海洋放出。10月17日の「大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)」では、元京都大学原子力炉実験所助教で原子力廃絶の研究を続けている小出裕章さんに海洋放出以外の方法を伺った。

小島慶子「小出さんは、海洋放出は一貫しておかしいとおっしゃっていらっしゃいます」

小出「そうですね」

小島「海に放出する以外に方法はなかったのでしょうか」

小出「方法はたくさんありました。例えば今、福島第一原子力発電所の敷地に約1000基のタンクを作って、それに130万トン分の放射能汚染水を貯めています。これからも増えていくので、どうしようもないから海に捨てると国と東京電力が言っているのですけれど、タンクを建てる場所はまだまだ山ほど余っているのです。福島第一原子力発電所の敷地の中にも7号機、8号機を作るために確保してある敷地がいっぱい余っていますし、第2原子力発電所というのがすぐ近くにあって、そこの敷地も手つかずで余っています。もっと言ってしまうなら第1原子力発電所の周辺には中間貯蔵施設といって国が押さえている広大な土地があるのです。ですからタンクを作るなんてことは簡単なことなのであって、国がやる気になればいくらでもできました」

武田砂鉄「7号機、8号機を予定していた場所とか、第2原子力発電所の敷地、この辺りにタンクを作ると想定したら、大体どれくらいもつんですか?」

小出「これまで12年半くらいもってきたわけですから、それくらいは簡単にもってしまいますし、本当のことを言えば汚染水が増えないようにするということをやらなければいけなくて、それができるならば、もう十分長い間もつと思います」

小島「タンクに貯めて置いておく以外の方法はないんですか」

小出「あります。例えば市民グループの人たちの提案ではモルタルで固めておいておけばいい、そういう提案もあります。それは現に米国でも長い間やってきたやり方ですので十分にできます。その他、海というのは浅い海と深い海は混じらないので、深い海に入れるならば1000年間は人間の環境に戻ってこないというような話をする方もいらっしゃいます。方法としては現実的で容易な方法が山ほどあります」

それなのにもかかわらず、政府が海に放出すると判断した理由は何なのか?小出裕章さんがわかりやすく解説してくれました。

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